男女雇用機会均等法

労働者が性別により差別されることなく、また、働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することを目的として、「男女雇用機会均等法」は制定されました。

 

目 次

  1. 直接差別の禁止(募集及び採用)
  2. 職場における妊娠、出産などに関するハラスメントの対策
  3. マタニティーハラスメント防止のため講ずべき措置
  4. 職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務
  5. 妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置

直接差別の禁止(募集及び採用)

 

事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。(法5条)

  • 女性のみならず、「男性に対しても適用されます
  • 募集及び採用における差別の禁止規定は、「義務規定です

 

  • 次の措置を講ずることは、法5条違反となる。(平成27年厚労告458号)
募集及び採用における差別の禁止
1. 募集または採用に当たってその対象から男女のいずれかを排除すること
  •  一定の職種(いわゆる「総合職」、「一般職」などを含む)や一定の雇用形態(いわゆる「正社員」、「パートタイム労働者」などを含む)について、募集または採用の対象を男女のいずれかのみとすること。
  •  募集または採用に当たって、男女のいずれかを表す職種の名称を用い(対象を男女のいずれかのみとしないことが明らかである場合を除く)、または「男性歓迎」、「女性向きの職種などの表示を行うこと。
  •  男女をともに募集の対象としているにもかかわらず、応募の受付や採用の対象を男女のいずれかのみとすること。
  •  派遣元事業主が、一定の職種について派遣労働者になろうとする者を登録させるに当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。

2. 募集または採用に当たっての条件を男女で異なるものとすること 

  •  募集または採用に当たって、女性についてのみ未婚者であること子を有していないこと自宅から通勤することなどを条件とし、またはこれらの条件を満たす者を優先すること。

3. 採用選考において能力及び資質の有無などを判断する場合にその方法や基準について男女で異なる取扱いをすること

  •  募集または採用に当たって実施する筆記試験や面接試験の合格基準を男女で異なるものとすること。
  •  男女で異なる採用試験を実施すること。
  •  男女のいずれかについてのみ採用試験を実施すること。
  •  採用面接に際して、結婚の予定の有無、子供が生まれた場合の継続就労の希望の有無など一定の事項について女性に対してのみ質問すること。
4. 募集または採用に当たって男女のいずれかを優先すること
  •  採用選考に当たって、採用の基準を満たす者の中から男女のいずれかを優先して採用すること。
  •  男女別の採用予定人数を設定し、これを明示して、募集すること。または、設定した人数に従って採用すること。
  •  女のいずれかについて採用する最低の人数を設定して募集すること。男性の選考を終了した後で女性を選考すること。
5. 求人の内容の説明など募集または採用に係る情報の提供について男女で異なる取扱いをすること
  •  会社の概要などに関する資料を送付する対象を男女のいずれかのみとし、または資料の内容、送付時期などを男女で異なるものとすること。
  • 求人の内容などに関する説明会を実施するに当たってその対象を男女のいずれかのみとし、または説明会を実施する時期を男女で異なるものとすること。

 

  •  次に掲げる場合において、労働者の性別により異なる措置を講ずることは、法5条違反とはならない。(平成27年厚労告458号)
募集及び採用における差別の禁止の例外
1. 次に掲げる職務に従事する労働者に係る場合
  •  芸術芸能の分野における表現の真実性などの要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要である職務
  •  守衛警備員等のうち防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務
  •  宗教上風紀上スポーツにおける競技の性質上その他の業務の性質上男女のいずれかのみに従事させることについてこれらと同程度の必要性があると認められる職務
2. 労働基準法61条1項(年少者の深夜業の禁止)、法64条の2(女性の坑内業務の就業制限)若しくは法64条の3第2項(女性の危険有害業務の就業制限)の規定により女性を就業させることができず、または保健師助産師看護師法3条(助産師の定義)の規定により男性を就業させることができないことから、通常の業務を遂行するために、労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与えまたは均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
3. 風俗風習などの相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合その他特別の事情により労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与えまたは均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合

職場における妊娠、出産などに関するハラスメントの対策

 

事業主、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者妊娠したこと、出産したこと、労働基準法の規定による産前休業を請求し、または産後休業をしたことその他の妊娠または出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものに関する言動により当該女性労働者就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。(法11条の3第1項)

  • 職場において行われる上司・同僚からの言動妊娠出産したこと育児休業などの利用に関する言動により妊娠・出産した女性労働者育児休業などを申出・取得した男女労働者などの就業環境が害されることをいわゆるマタニティーハラスメントといいます

事業主は、労働者が相談を行い、または事業主による当該相談への対応協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。(法11条の3第2項)

 

  • 厚生労働大臣は、事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定める。(法11条の3第3項)
  •  職場における妊娠、出産などに関するハラスメントの対象となる「労働者」とは、いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員などいわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者のすべてをいう。(令和2年厚労告6号)
  •  「職場における妊娠出産などに関するハラスメント」には、上司または同僚から行われる次の2種類がある。(令和2年厚労告6号)

 

「制度などの利用への嫌がらせ型」マタニティーハラスメント
定義
 その雇用する女性労働者の労働基準法の規定による休業その他の妊娠または出産に関する制度または措置の利用に関する言動により就業環境が害されるもの
具体例
  •  女性労働者が、制度などの利用の請求などをしたい旨を上司に相談したこと、制度などの利用の請求などをしたこと、または制度などの利用をしたことにより、上司が当該女性労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いを示唆すること
  •  女性労働者が制度などの利用の請求などをしたい旨を上司に相談したところ、上司が当該女性労働者に対し、当該請求などをしないよう言うこと
  •  女性労働者が制度などの利用の請求などをしたところ、上司が当該女性労働者に対し、当該請求などを取り下げるよう言うこと
  •  女性労働者が制度などの利用の請求などをしたい旨を同僚に伝えたところ、同僚が当該女性労働者に対し、繰り返しまたは継続的に当該請求などをしないよう言うこと(当該女性労働者がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む)。
  •  女性労働者が制度などの利用の請求などをしたところ、同僚が当該女性労働者に対し、繰り返しまたは継続的に当該請求などを取り下げるよう言うこと(当該女性労働者がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む。)。
  •  女性労働者が制度などの利用をしたことにより、上司または同僚が当該女性労働者に対し、繰り返しまたは継続的に嫌がらせなどをすること(当該女性労働者がその意に反することを当該上司または同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む)。

 

「状態への嫌がらせ型」マタニティーハラスメント
定義
 その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠または出産に関する言動により就業環境が害されるもの
具体例
  •  女性労働者が妊娠などしたことにより、上司が当該女性労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いを示唆すること
  •  女性労働者が妊娠などしたことにより、上司または同僚が当該女性労働者に対し、繰り返しまたは継続的に嫌がらせなどをすること(当該女性労働者がその意に反することを当該上司または同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む)。

マタニティーハラスメント防止のため講ずべき措置

  • 事業主は、職場におけるマタニティーハラスメントを防止するため、雇用管理上の措置として次のことを講じなければならない。(令和2年厚労告6号)
マタニティーハラスメント防止のため講ずべき措置
  1.  事業主の方針などの明確化及びその周知啓発
  2.  相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3.  職場におけるマタニティーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
  4.  マタニティーハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置
  5.  1.から4.までの措置と併せて講ずべき措置

 

2021改正なお、周知・啓発をするに当たっては、職場における妊娠、出産などに関するハラスメントの防止の効果を高めるため、その発生の原因や背景について労働者の理解を深めることが重要である。その際、職場における妊娠出産などに関するハラスメントの発生の原因や背景には、(1)妊娠出産などに関する否定的な言動不妊治療に対する否定的な言動を含め、他の女性労働者の妊娠、出産などの否定につながる言動(当該女性労働者に直接行わない言動も含む)をいい、単なる自らの意思の表明を除く)が頻繁に行われるなど制度などの利用または制度などの利用の請求などをしにくい職場風土や、(2)制度などの利用ができることの職場における周知が不十分であることなどもあると考えられる。そのため、これらを解消していくことが職場における妊娠、出産などに関するハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意することが必要である。(令和2年厚労告6号)

  • 不妊治療に対する否定的言動妊娠出産などに関する否定的言動に含まれます

法11条の3(マタニティーハラスメント防止措置)について、罰則は設けられていない。(法33条)

職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務

 

  •  2021改正は、妊娠出産等関係言動問題に対する事業主その他国民一般関心と理解を深めるため、広報活動啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならない。(法11条の4第1項)
  •  2021改正事業主は、妊娠出産等関係言動問題に対するその雇用する労働者関心と理解を深めるとともに、当該労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。(法11条の4第2項)
  •  2021改正事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)は、自らも、妊娠出産等関係言動問題に対する関心と理解を深め労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。(法11条の4第3項)
  •  2021改正労働者は、妊娠出産等関係言動問題に対する関心と理解を深め他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる措置に協力するように努めなければならない。(法11条の4第4項)
    • 内容は、セクシュアルハラスメントの規定と同様です。

妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置

 

 事業主は、その雇用する女性労働者母子保健法の規定による保健指導または健康診査を受けるために必要な時間確保することができるようにしなければならない。(法12条)

 事業主は、その雇用する女性労働者保健指導または健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更勤務の軽減など必要な措置を講じなければならない。(法13条1項)

  • 女性の職場進出が進み妊娠出産後も働き続ける労働者が増加している中で働きながら安心して出産できる条件を整備するための規定です
  • 努力規定ではありません

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