国民年金法
不服申立て、罰則等

国民年金法に基づく不服申立て(審査請求)は、日本年金機構などが行った被保険者資格、保険料、給付(年金支給など)に関する処分に不服がある場合に、その処分の取り消しや変更を求める手続きです。行政不服審査法に基づき、原則として「社会保険審査官」への審査請求から始まります 

 

目 次

  1. 審査請求
  2. 時効
  3. 10万円以下の過料
  4. 資格喪失の時期
  5. 費用の負担

審査請求

 

次の処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。(法101条1項)

 

審査請求
  1.  被保険者資格に関する処分
  2.  給付に関する処分
    共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く
  3.  保険料その他国民年金法の規定による徴収金に関する処分
  • 2.給付に関する処分からは、「共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分は除かれているためこの場合社会保険審査官に対して審査請求をすることはできず、「共済各法に定める審査機関に審査請求をすることになります

 

不服申立て(年金関係)手続の流れ

 

区分 原則ルート(行政不服申立て → 裁判) 裁判所に直接提訴できるパターン(例)
被保険者の資格・給付 ① 審査請求(3か月以内:口頭・文書)→ 社会保険審査官
② 再審査請求(2か月以内:口頭・文書)→ 社会保険審査会
③ 提訴 → 裁判所
② 再審査請求を経ずに提訴できる
保険料等 ① 審査請求 → 社会保険審査官
② 再審査請求 → 社会保険審査会
③ 提訴 → 裁判所
① 審査請求② 再審査請求を経ずに提訴できる
脱退一時金 審査請求 → 社会保険審査会
(再審査請求なし)→ 提訴
 

 

審査請求は、これらの処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過したときは、することができない。ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。(社審法4条1項)

被保険者資格に関する処分に対する審査請求は、原処分があった日の翌日から起算して2年を経過するときは、することができない
(社審法4条2項)

審査請求は、文書または口頭ですることができる。(社審法5条1項)

共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分に不服がある者は、当該共済組合等に係る共済各法(国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法をいう)の定めるところにより、当該共済各法に定める審査機関審査請求をすることができる。(法101条6項)

  • 第2号厚生年金被保険者第3号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者に係るものも対象です
  • 脱退一時金を除き、「社会保険審査会に対して審査請求をすることはできません

審査請求をした日から2か月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。(法101条2項)

 

 

審却したものとみなすことができる(審査請求の不作為)

区分 根拠条文 「審却したものとみなす」条件
労働 労災保険法(法38条2項) 審査請求をした日から 3か月 を経過しても決定がないとき
労働 雇用保険法(法69条2項) 審査請求をした日の 翌日から起算して3か月 を経過しても決定がないとき
社会 健康保険法(法189条2項) 審査請求をした日から 2か月以内 に決定がないとき
社会 国民年金法(法101条2項) 審査請求をした日から 2か月以内 に決定がないとき
社会 厚生年金保険法(法90条3項) 審査請求をした日から 2か月以内 に決定がないとき

審査請求及び再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなされる。(法101条3項)

被保険者資格に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく給付に関する処分の不服の理由とすることができない。(法101条4項)

時効

 

年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。(法102条1項)

  • 年金給付を受ける権利ですから、「死亡一時金の時効は5年ではありません

 

年金給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利は、当該日の属する月の翌月以後に到来する当該年金給付の支給に係る支払期月の翌月の初日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。(法102条1項)

死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。(法102条4項)

 

 

消滅時効(年金・死亡一時金)

 

権利 消滅時効
年金給付を受ける権利(基本権) 支給すべき事由が生じた日から 5年
支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利(支分権) 支払期月の翌月の初日から 5年
死亡一時金を受ける権利(基本権) 行使することができる時から 2年
  • 年金給付を受ける権利とは年金給付を受ける権利である基本権のことを指します
  • 支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利とは年6回払いで支給を受け取ることができる権利である支分権のことを指します

失踪宣告を受けた者の死亡一時金については、死亡とみなされた日の翌日から2年を経過した後に請求があったものであっても、失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内請求があった場合には、給付を受ける権利について時効を援用せず死亡一時金は支給される
(平成26年3月27日年管管発0327第2号)

  • 失踪宣告を受けた者に係る消滅時効の起算日については、「死亡とみなされた日の翌日ですが死亡一時金についてはいわゆる掛け捨て防止という制度の趣旨を踏まえ、「失踪宣告の審判の確定日の翌日から2年以内に請求があった場合には給付を受ける権利について時効を援用せず死亡一時金を支給することになっています

 

 

国民年金の時効についてまとめると、次の通りになる。

 

 年金給付を受ける権利(基本権) 5年
 支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利(支分権) 5年
 保険料その他国民年金法の規定による徴収金を徴収し、またはその還付を受ける権利 2年
 死亡一時金を受ける権利 2年

 

附則9条の3の2において規定が設けられている「脱退一時金」については、最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求することができない旨規定されています。
 なお、附則9条の3の2には法102条の時効の規定は準用されないため、この「2年」は時効の期間ではなく、「除斥期間(一定の期間内に権利を行使をしないと権利が消滅する期間)」となります(時効には援用を必要とするのに対し、除斥期間には必要としない、時効には遡及効があるのに対し、除斥期間にはないなどの違いがあります)。

 

年金給付を受ける権利の時効は、当該年金給付がその全額につき支給を停止されている間は、進行しない(法102条2項)

保険料その他国民年金法の規定による徴収金についての督促は、時効の更新の効力を有する。(法102条5項)

10万円以下の過料

 

次のいずれかに該当する者は、10万円以下の過料に処せられる。(法114条)

10万円以下の過料
  1.  第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更の届出以外の届出の規定に違反して届出をしなかった被保険者
  2.  第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更の届出以外の届出の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者
  3.  第1号被保険者に係る資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更の届出以外の届出の規定に違反して虚偽の届出をした世帯主
  4.  死亡の届出の規定に違反して届出をしなかった戸籍法の規定による死亡の届出義務者

主要な届出義務違反は、「30万円以下の罰金でありそれ以外の届出義務違反は、「10万円以下の過料となります

資格喪失の時期

 

次の日において、加入員の資格を喪失する。(法127条3項)

 

資格喪失の時期
  1.  地域型基金の加入員にあっては、当該基金の地区内に住所を有する者でなくなったとき、職能型基金の加入員にあっては、当該事業または業務に従事する者でなくなったとき(2号)
    その日の翌日
  2.  当該国民年金基金が解散したとき(5号)…その日の翌日
  3.  被保険者の資格を喪失したとき、または第2号被保険者若しくは第3号被保険者となったとき(1号)…その
  4.  農業者年金の被保険者となったとき(4号)…その
  5.  保険料免除の規定によりその全部または一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされたとき(3号)…保険料を納付することを要しないものとされた月の初日
  • 開業社労士、「社労士法人を設立し代表社員となった場合には第1号被保険者から第2号被保険者へ種別変更することとなるため第2号被保険者となった日に加入員の資格を喪失します
  • 5.の保険料免除には産前産後期間中の保険料免除は含まれません
  • 「申出による資格喪失」はありません。厚生年金保険の被保険者等になる等、国民年金第1号被保険者でなくなった場合などにおいて資格を喪失することになります。

 

加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、加入員でなかったものとみなされる。
(法127条4項)

  • さかのぼって、加入員でなかったものとみなされるのであって、「翌月に資格を喪失するのではありません

国民年金基金は、その加入員の資格の取得及び喪失に関する事項厚生労働大臣届け出なければならない。(法139条)

 

 

費用の負担

 

国民年金基金は、国民年金基金が支給する年金及び一時金に関する事業に要する費用に充てるため、掛金を徴収する。(法134条1項)

掛金は、年金の額の計算の基礎となる各月につき、徴収される。(法134条2項)

国民年金基金への掛金の納付は、国民年金の保険料納付済期間である期間に限られており国民年金の保険料を納付しない期間があるときは、その期間分については給付の対象とされず、国民年金基金に納付した掛金は、加入員の請求に基づき還付される。(法130条2項・法134条2項)

  • 掛金が徴収される期間は、「保険料納付済期間である期間に限られます国民年金保険料が納付されなかった月については掛金納付の対象とされません

掛金の額は、原則として、1か月につき68,000円を超えてはならない。(基金令34条)

国民年金基金の加入員となった後で、保険料の免除を受けていた全期間直近の10年以内分)について追納したときなどの場合は、保険料が免除されていたため国民年金基金に加入できなかった期間に相当する期間(60か月を限度とする)の掛金の上限は、特例によって、1か月につき102,000円とすることができる。(基金令35条1項)

  • 掛金の額を各国民年金基金が任意に定めることができるわけではありません

 

 

登録支援/有料職業紹介のご相談はこちら

 

お問い合わせはこちらから

芸術家×起業家

 

お     一般社団法人芸商橋
 

               BusinessArtBridge

 

サイト内検索

サイドメニュー