児童手当法

  •  児童手当法は昭和46年5月に制定され、昭和47年1月から児童手当制度が発足しました。その後、対象児童の拡充や給付額の改定が行われてきましたが、令和6年改正により、子育て世帯の経済的負担を軽減し、少子化対策を強化する観点から、所得制限が完全に撤廃されました。これに伴い、従来、所得制限限度額を超過する世帯に支給されていた特例給付は廃止され、すべての対象者に対して児童手当が支給される仕組みとなりました。
  •  この制度は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、「家庭等における生活の安定に寄与する」とともに「次代の社会を担う児童の健やかな成長に資する」ことを目的として創設されたものであり、所得保障施策としての役割と児童福祉施策としての役割をもっています。
 
目 次
  1. 目的
  2. 定義
  3. 児童手当の額(個人受給資格者)
  4. 認定
  5. 支給
  6. 支払
  7. 「被用者」に対する3歳未満の児童に係る児童手当
  8. 「被用者等でない者」に対する3歳未満の児童に係る児童手当
  9. 3歳以上の児童に係る児童手当
  10. 子ども・子育て拠出金

目的

 

児童手当法は、子ども子育て支援法に規定する子ども子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資すること目的とする。(法1条)

  1. 児童手当法は昭和46年5月27日に公布され昭和47年1月1日から施行されています
  2. 平成22年度及び平成23年度は、児童手当に代わり、「子ども手当」が支給されていました。
  3. 子ども子育て支援法において少子化の進行等に対するさまざまな施策が定められていますその中に子ども・子育て支援給付として子どものための現金給付である児童手当を支給することが設けられています
    1. 子ども子育て支援法
    2. 認定こども園法の一部改正
    3. 子ども子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律特に子ども子育て関連3法といいます

定義

 

  • 定義は、次の通りである。

 

児童
(法3条1項)
  1.  18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有するもの
  2.  18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないもの
施設入所等児童
(法3条3項)
 2025改正児童福祉法の規定により児童自立生活援助事業を行う者から児童自立生活援助を受けている児童等
支給要件児童
(法4条1項1号)
 2025改正施設入所等児童以外の児童
支給対象児童
(法6条2項3号)
 2025改正市町村長の認定を受けた一般受給資格者に係る支給要件児童
第3子以降算定額算定対象者(法6条2項2号)  2025改正22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者(児童を除く)のうち、個人受給資格者によって監護に相当する日常生活上の世話及び必要な保護並びにその生計費の相当部分の負担が行われている者として内閣府令で定めるものであって、日本国内に住所を有するものまたは留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないもの

(法3条2項)
 母が児童を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む
個人受給資格者
(法6条2項1号)
 2025改正一般受給資格者のうち、法人受給資格者以外のもの
法人受給資格者
(法6条2項6項)
 2025改正一般受給資格者法4条1項1号に該当する者に限る=父母等)のうち、未成年後見人でありかつ法人であるもの
  • 児童手当と似たものに、「児童扶養手当があります
    ​児童扶養手当は、父母が離婚した児童、父または母が死亡した児童などに支給されます(児童手当との併給もできます)。過去に児童手当と児童扶養手当を比較する出題がされています。

「児童扶養手当」における「児童」とは、

  1. 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者
  2. 20歳未満で政令で定める程度の障害の状態にある者をいいます。(児童扶養手当法3条1項)

児童手当の額(個人受給資格者)

 

 

個人受給資格者に係る児童手当は、月を単位として支給され、その額は次の通りである。(法6条)

 

 

年齢 第1子・第2子 第3子以降
 3歳未満  月額15,000円 月額30,000円
 3歳以上18歳に達する日以後の3月31日まで
 
 月額10,000 月額30,000円
  • 表中の第1子第2子第3子の定義がやっかいで当該子は22歳年度末までにある者を指します

実際に支給対象となるものは18歳年度末高校生世代)」までですが額の計算においては22歳年度末までにある者大学生世代)」を用います。これまで主たる生計者の年収によっては支給に制限がありましたが所得制限が撤廃され所得にかかわらず全額支給となりました。(旧法5条)

ちなみに児童扶養手当には所得制限があり、「全部または一部の不支給」となっています。(児童扶養手当法9条1項)

児童手当の額、「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には変動後の諸事情に応ずるため速やかに改定の措置が講ぜられなければなりません。(法6条4項)

① まず「誰に支給されるのか」

児童手当が実際に支給される対象の子どもは、

✅ 「18歳に達する日以後の最初の3月31日まで」
(=高校卒業年度末まで)

です。

つまり、大学生は支給対象ではありません。


② ではなぜ「22歳年度末まで」が出てくるのか?

ここが混乱ポイントです。

法律では、

第1子・第2子・第3子を数えるときは
「22歳年度末までの子」をカウントする

とされています。

つまり、

  • 実際にお金をもらえるのは18歳年度末まで

  • でも、何番目の子かを数えるときは22歳年度末まで含める

という二重構造になっています。


③ 具体例で説明

例:子どもが3人いる家庭

  • 長男:20歳(大学2年)

  • 次男:17歳(高校2年)

  • 三男:10歳(小4)

 

この場合:

 

▼ 支給対象になるのは?

→ 17歳と10歳のみ(18歳年度末までだから)

 

▼ でも「何番目の子か?」を数えるときは?

→ 20歳も含めて数える

つまり

  • 長男(20歳)=第1子

  • 次男(17歳)=第2子

  • 三男(10歳)=第3子

になります。

すると、

  • 17歳は「第2子の金額」

  • 10歳は「第3子の金額(多子加算で高い)」

が適用されます。

これが「22歳までを使って額を計算する」という意味です。


④ なぜこんな仕組み?

多子世帯(子どもが多い家庭)をより手厚く支援するためです。

大学生がいても家計負担は続いているので、

「大学生は支給しないけど、
兄姉としては人数カウントに入れますよ」

 

という考え方です。

認定

 

児童手当法は、子ども子育て支援法に規定する子ども子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資すること目的とする。(法1条)

  1. 児童手当法は昭和46年5月27日に公布され昭和47年1月1日から施行されています
  2. 平成22年度及び平成23年度は、児童手当に代わり、「子ども手当」が支給されていました。
  3. 子ども子育て支援法において少子化の進行等に対するさまざまな施策が定められていますその中に子ども・子育て支援給付として子どものための現金給付である児童手当を支給することが設けられています
    1. 子ども子育て支援法
    2. 認定こども園法の一部改正
    3. 子ども子育て支援法及び認定こども園法の一部改正法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律特に子ども子育て関連3法といいます

 

一般受給資格者は、児童手当の支給を受けようとするときは、その受給資格及び児童手当の額について、住所地の市町村長の認定を受けなければならない。(法7条1項)

 

公務員については、次に定める者の認定を受けなければならない。(法17条)

 

 国家公務員(行政執行法人に勤務する者を除く)  当該国家公務員の所属する各省各庁の長(裁判所にあっては、最高裁判所長官)またはその委任を受けた者
 地方公務員(特定地方独立行政法人に勤務する者を除く)

 当該地方公務員の所属する都道府県若しくは市町村の長またはその委任を受けた者

児童扶養手当では、「都道府県知事等」の認定を受けなければなりません。(児童扶養手当法6条1項)

 

 

受給資格及び児童手当の額の認定者

区分 認定者
原則 住所地の市町村長
国家公務員である受給資格者 所属する各省各庁の長
(裁判所は最高裁判所長官)またはその委任を受けた者
地方公務員である受給資格者 所属する都道府県知事または市町村長、もしくはその委任を受けた者

ポイント整理

  • 一般 → 市町村長

  • 国家公務員 → 各省各庁の長(裁判所は最高裁)

  • 地方公務員 → 都道府県知事または市町村長

支給

 

  •  市町村長は、受給資格者に対し、児童手当支給する。(法8条1項) 
  •  児童手当の支給は、受給資格者が受給資格の認定の請求をした日の属する月の翌月から始まり、児童手当を支給すべき事由が消滅した日の属する終わる。(法8条2項)
  •  受給資格者住所を変更した場合または災害その他やむを得ない理由により認定の請求をすることができなかった場合において、住所を変更した後またはやむを得ない理由がやんだ後15日以内にその請求をしたときは、児童手当の支給は、受給資格者が住所を変更した日またはやむを得ない理由により当該「認定の請求をすることができなくなった日の属する月」の翌月から始める。(法8条3項)

児童手当は原則として、「申請した月の翌月分からの支給となりますが出生日や住所変更が月末に近い場合申請日が翌月になっても15日以内であれば、「申請月分から支給されることになります15日特例といいます)。

  •  4月30日に出生したケースで5月15日までの申請→4月中の申請として、5月分から手当の支給開始
  •  4月30日に出生したケースで5月16日に申請→5月中の申請として、6月分から手当の支給開始 

 

15日特例

対象法 要件 請求期限 支給開始
児童手当法
 
やむを得ない理由により認定の請求をすることができなかった場合 15日以内に請求 事由発生日の属する月の「翌月」から支給
年金生活者支援給付金法

ポイント整理

 

  • 「やむを得ない理由」がある場合の特例

  • 15日以内の請求が条件

  • 支給は原則どおり「翌月」から

支払

 

児童手当は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった児童手当または支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の児童手当は、その支払期月でない月であっても、支払われる。(法8条4項)

児童扶養手当は、「1月、3月、5月、7月、9月、11月」の6期です。(児童扶養手当法7条3項)

  • 児童扶養手当は、離婚や死別などの理由でひとり親家庭の18歳年度末(障害がある場合は20歳)までの子を養育する親等に支給される手当です。2025年1月(11月分)より所得制限が緩和され、第3子以降の加算額が第2子と同額の月額11,030円(全部支給)へ引き上げられました。市区町村の窓口で申請が必要です。

 

 

支払期月一覧

給付 支払期月 回数
年金給付(労災保険法・国民年金法・厚生年金保険法・年金生活者支援給付金法)
児童手当
2月・4月・6月・8月・10月・12月 6
老齢福祉年金(国民年金法) 4月・8月・12月
※受給権者からの請求があったときは11月
年3回
児童扶養手当 1月・3月・5月・7月・9月・11月 年6回

ポイント整理

  • 年金系・児童手当 → 偶数月(年6回)

  • 老齢福祉年金 → 4・8・12月(年3回)

  • 児童扶養手当 → 奇数月(年6回)

「被用者」に対する3歳未満の児童に係る児童手当

 

被用者に対する3歳未満の児童に係る児童手当の支給に要する費用は、その全額につき国からの交付金をもって充てられる。(法18条1項)

 

  事業主 都道府県 市町村
 被用者に対する3歳未満の児童に係る児童手当   全額    

政府市町村に対し当該費用の全額に相当する額を交付しますこの場合において政府が交付する交付金のうちその5分の2に相当する額は子ども子育て支援法に規定する拠出金(=厚生年金保険法の事業主等からの拠出)」その5分の3に相当する額は子ども子育て支援納付金(=健康保険者等全国健康保険協会健康保険組合後期高齢者医療広域連合等からの徴収))」を原資とします。(法19条1項、子ども・子育て支援法69条1項、同法71条の3第1項)

令和6~10年度については、経過措置が設けられています。(附則2条)

「被用者等でない者」に対する3歳未満の児童に係る児童手当

 

被用者等でない者に対する3歳未満の児童手当の支給に要する費用は、その15分の13に相当する額につき国からの交付金を、15分の1に相当する額につき都道府県からの交付金をもって充てるものとし、当該費用の15分の1に相当する額を市町村が負担する。(法18条2項)

 

  事業主 都道府県 市町村
 被用者等でない者に対する3歳未満の児童に係る児童手当 13/15 1/15 1/15

政府は市町村に対し当該費用の15分の13に相当する額を交付しますこの場合において政府が交付する交付金のうち当該費用の15分の4に相当する額は国庫が負担し当該費用の5分の3に相当する額は子ども子育て支援納付金を原資とします。(法19条2項)

3歳以上の児童に係る児童手当

 

3歳以上の児童に係る児童手当の支給に要する費用は、その9分の7に相当する額につき国からの交付金を、9分の1に相当する額につき都道府県からの交付金をもって充てるものとし、当該費用の9分の1に相当する額につき市町村が負担する。(法18条3項)

政府は市町村に対し当該費用の9分の7に相当する額を交付しますこの場合において政府が交付する交付金のうち当該費用の9分の4に相当する額は国庫が負担し当該費用の3分の1に相当する額は子ども子育て支援納付金を原資とします。(法19条3項)

子ども・子育て拠出金

 

一般事業主は、「子ども子育て拠出金」を納付する形で費用を負担する。(子ども・子育て支援法69条2項)

  • 子ども子育て拠出金の法的根拠は子ども子育て支援法であり、「児童手当法ではありません
  • 子ども子育て拠出金全額事業主負担厚生年金保険料とあわせて徴収されています
  • 一般事業主は児童手当の受給者を使用していない場合であっても子ども子育て拠出金を納付します
  • 令和6年4月以後における子ども・子育て拠出金率は、1,000分の3.6(0.36%)です(据置き)。

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