徴収法
請負事業の一括など

  • 労働保険の保険関係は原則として個々の事業を単位としますが、事務手続の合理化を目的として、「保険関係の一括」が認められています。
  • 保険関係の一括には、
  1. 有期事業の一括
  2. 請負事業の一括
  3. 継続事業の一括があります。

 

目 次

  1. 一括の要件
  2. 請負事業の一括の効果
  3. 下請負事業の分離の要件
  4. 分離の認可申請手続
  5. 下請負事業の分離の効果

 

一括の要件

 

請負事業の一括は、次の要件のすべてを満たす場合に、法律上当然に行われる。(法8条1項、則7条)

 

請負事業の一括の要件(すべて)
1

労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業であること。

  • 雇用保険に係る保険関係については、元請事業に一括することなく事業としての適用単位が決められ、それぞれの事業ごとに労働保険徴収法が適用される。(法8条)
2 数次の請負によって行われること。
  • 有期事業の一括と異なり、「立木の伐採の事業については請負事業の一括は行われません元請会社-下請会社-孫請会社といった請負事業の形態をとっている事業といえば、「建設業です
  • 建設の事業においては、請負事業者がその請け負った工事の全部または一部をさらに他の請負事業者に請け負わせることが普通であり、保険技術的にも分割して法を適用することは実情にそわず、また、困難であるために「請負事業の一括」が行われます。

 

 

 

請負事業の一括の効果

 

請負事業の一括により当該請負事業は一の事業とみなされ下請負人の事業元請負人の行う事業として取り扱われる。したがって、当該元請負人は、下請負人の使用する労働者を含めて当該事業に使用される労働者につき保険料の納付などの義務を負うこととなる。

  • 法8条1項では、「元請負人のみを当該事業の事業主とすると表現されていますが、「労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となるわけではありません事業主として保険料の納付などの義務を負わなければならないという意味です
  • 請負事業の一括が適用されるのは労災保険に係る保険関係に限られ雇用保険に係る保険関係については元請負事業に一括されることはない
  • 請負事業の一括が行われても労災保険の給付に関する事務並びに雇用保険に関する事務については各々元請負人下請負人の事業ごとに行わなければなりません

下請負事業の分離の要件

下請負事業の分離の要件は、次の通りである。(法8条2項、則7条、則8条、則9条)

1 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、数次の請負によって行われる建設の事業であること。 請負事業の一括の対象が労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業ですので下請負事業の分離の対象となるのも当然に建設の事業です。「立木の伐採の事業については請負事業の一括の対象とならないため下請負事業の分離の対象となることもありません
2 下請負人の請負に係る事業が、つぎのいずれか該当すること。
  1. その事業についての概算保険料に相当する額160万円以上であること。  または
  2. その請負金額消費税等相当額を除く)が1億8,000万円以上であること。
大規模だから分離させます
3 下請負事業の分離につき、元請負人及び下請負人共同で申請し、厚生労働大臣都道府県労働局長に委任の認可を受けること。  

分離の認可申請手続

 

請負事業の一括からの下請負事業の分離の認可」に関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されている。したがって、下請負人を事業主とする認可申請書は、保険関係成立届とあわせて、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長提出しなければならない。
(則76条1号、則78条1項1号)

下請負事業の分離の認可を受けようとするときは、原則として保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内、「下請負人を事業主とする認可申請書」を提出しなければならない。ただし、「やむを得ない理由」により、この期限内に当該申請書の提出をすることができなかったときは、期限後であっても提出することができる(則8条)

やむを得ない理由」とは、天災不可抗力などの客観的理由により、また、事業開始前に請負方式の特殊性から下請契約が成立しないなどの理由により期限内に申請書を提出することができない場合である。(昭和47年11月24日労徴発41号)

下請負事業の分離の効果

請負事業の一括が行われる場合において、元請負人及び下請負人が、当該下請負人の請負に係る事業に関して下請負人のみを当該事業の事業主として徴収法の規定の適用を受けることにつき申請をし、厚生労働大臣都道府県労働局長に委任)の認可があったときは、当該請負に係る事業については、当該下請負人を元請負人とみなして徴収法の規定を適用する。

  • 下請負事業の分離下請負人を元請負人とみなし事業主として保険料の納付などの義務を負うにすぎません。「労働関係の当事者としての使用者となるわけでありません
  • 例えば請負金額10億円の工事がありそのうちの一部が4億円の大規模工事だったとします原則としては元請負人である甲社が事業主とされますが下請負事業の分離が行われると4億円の大規模工事に関しては下請負人が事業主とみなされます

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