下請負事業の分離(下請分離)

「下請負事業の分離(下請分離)」とは、建設業などの一括有期事業において、本来は元請事業者が一括して行う労働保険の申告・納付を、要件を満たした下請事業者が自ら行うことを、労働局に申請して認可を受ける手続きのことです。

下請負人の請け負った工事相当の規模のものである場合においても(独立したものとして扱うべき規模のものである場合においても元請負人のみを事業主として取り扱うことは合理的とはいえません

 この場合当事者の申請に基づき実質的に事業主の地位にあるその下請負人を保険関係上も事業主とすることができますこれを下請負事業の分離下請分離)」といいます

目 次

  1. 下請負事業の分離の要件
  2. 分離の認可申請手続
保険関係の一括
  1. 請負事業の一括
  2. 下請負事業の分離(下請分離) 本ページ

下請負事業の分離の要件

下請負事業の分離の要件は、次の通りである。(法8条2項、則7条、則8条、則9条)

1 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、数次の請負によって行われる建設の事業であること。 請負事業の一括の対象が労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業ですので下請負事業の分離の対象となるのも当然に建設の事業です。「立木の伐採の事業については請負事業の一括の対象とならないため下請負事業の分離の対象となることもありません
2 下請負人の請負に係る事業が、つぎのいずれか該当すること。
  1. その事業についての概算保険料に相当する額160万円以上であること。
  2. その請負金額消費税等相当額を除く)が1億8,000万円以上であること。
大規模だから分離させます
3 下請負事業の分離につき、元請負人及び下請負人共同で申請し、厚生労働大臣都道府県労働局長に委任の認可を受けること。  

分離の認可申請手続

 

  • 請負事業の一括からの下請負事業の分離の認可」に関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されている。したがって、下請負人を事業主とする認可申請書は、保険関係成立届とあわせて、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長提出しなければならない。
    (則76条1号、則78条1項1号)
  • 下請負事業の分離の認可を受けようとするときは、原則として保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、「下請負人を事業主とする認可申請書」を提出しなければならない。ただし、「やむを得ない理由」により、この期限内に当該申請書の提出をすることができなかったときは、期限後であっても提出することができる(則8条)
  • やむを得ない理由」とは、天災不可抗力などの客観的理由により、また、事業開始前に請負方式の特殊性から下請契約が成立しないなどの理由により期限内に申請書を提出することができない場合である。(昭和47年11月24日労徴発41号)

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