健康保険法の目的

健康保険法は、

  1. 労働者または
  2. その被扶養者の ⇦ 銃後の守り

業務災害以外の  ⇦ 業務災害は労災のテリトリー

  1. 疾病
  2. 負傷若しくは
  3. 死亡または
  4. 出産に関して

保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。(法1条)

 

  • 健康保険の大きな特徴は被保険者以外に被扶養者も保険給付の対象となるところです
  • もともとは労災保険が業務上の災害健康保険が業務外の災害をその給付範囲としていましたがそのどちらにも当てはまらない事故が問題化したため現在では労災保険の給付が受けられない場合には健康保険の対象とする改正が行われています
  • 通勤上の事故は原則として労災保険法から給付を受けることができますこの場合には健康保険法の給付は行われません(法55条1項)。

     しかし労災保険法における暫定任意適用事業であって任意加入していない事業所健康保険法においては任意加入している場合での通勤上の事故などは労災保険法から給付を受けることはできないためこのようなケースには健康保険法から給付が行われることになります

 

目 次

  1. 目的
    1. 目的条文
    2. 健康保険法の経緯
  2. 法人の役員の特例
健康保険法 総則
  1. 目的 本ページ

目的条文

 

健康保険法[法 1 条]

国民の生活の安定と福祉の向上

確定拠出年金法[法 1 条]

国民の生活の安定と福祉の向上

確定給付企業年金法[法 1 条] 国民の生活の安定と福祉の向上
船員保険法[法 1 条] 船員の生活の安定と福祉の向上
厚生年金保険法[法 1 条] 労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上

健康保険法の経緯

 

日付 出来事
大正11年 4月22日

公布(ドイツ のビスマルク「疾病保険法」にならう)⇨ 非常に古い

大正12年9月1日

(関東大震災)

大正15年7月1日 一部施行(保険給付及び費用の負担以外)
昭和2年1月1日 全面施行
昭和14年4月6日 被扶養者への任意給付
昭和16年12月 (太平洋戦争)
昭和17年2月21日 被扶養者への法定給付

健康保険法は、大正11年4月22日公布昭和2年1月1日から全面施行(保険給付及び費用の負担に関する規定以外は大正15年7月1日施行)されました。

法人の役員の特例

 

この論点は、

法人役員の業務災害は健康保険ではなく、原則として保険給付の対象外

という規定です。

ただし、小規模事業所(被保険者5人未満)には重要な例外があります。

 

 

なぜこの規定があるのか

健康保険は本来、

  • 業務外の病気・ケガ
  • 私生活上の病気・ケガ

を対象とする制度です。

一方、 業務上の病気・ケガは

労災保険 が担当します。


しかし法人役員は、

一般の労働者と異なり、

労災保険の対象にならないことが多く、

また経営者として会社を支配する立場にあります。

そこで、

健康保険法53条の2は、

法人役員としての業務に起因する疾病・負傷・死亡については健康保険給付を行わない

としています。


法人役員とは

単なる肩書ではなく、

実質的に会社を支配している者も含みます。

例えば、

  • 取締役
  • 代表取締役
  • 執行役
  • 業務執行社員

はもちろん、

名目上は

  • 相談役
  • 顧問

であっても、

実質的に経営権を持っていれば

法人役員として扱われます。


対象外となる保険給付

役員業務が原因なら、

健康保険の保険給付は受けられません。

例えば、

代表取締役が

営業活動中の事故で骨折した場合、

その事故が

「役員としての業務」

によるものであれば、

原則として

  • 療養の給付
  • 傷病手当金
  • 埋葬料

などの健康保険給付は受けられません。


重要な例外(5人未満事業所)


次の条件を満たす場合、

役員であっても健康保険給付が受けられます。

 

条件①

被保険者数が

5人未満

適用事業所


条件②

役員自身が

従業員と同じ仕事をしている


例えば、

従業員3人の町工場で、

社長自身も毎日工場で機械操作をしているような場合です。


なぜ例外があるのか

小規模事業所では、

社長であっても実態は

「労働者と同じように働いている」

ことが少なくありません。

そこで、 実質的に労働者と同じ仕事による災害であれば、

健康保険の保護を受けられるようにしています。


傷病手当金も対象になる

ここが特に狙われます。

通常、 役員業務による傷病では

傷病手当金も支給されません。

しかし、 5人未満事業所の例外に該当する場合は、

傷病手当金を含めて保険給付の対象

になります。


従業員4人の会社

代表取締役が現場作業を担当

作業中に負傷

療養のため就労不能


この場合

  • 療養の給付
  • 傷病手当金

ともに対象になります。

次の形で覚えると整理しやすいです。

 

場合 健康保険給付
① 法人役員の役員業務による疾病・負傷・死亡 ×
② 5人未満事業所+従業員と同じ業務
③ ②の傷病手当金

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