労災保険法 
業務上の負傷

業務災害としての認定は、業務遂行性と業務起因性の2つの側面から行われます。

 

目 次

  1. 作業中
  2. 休憩時間中
  3. 出張中
  4. 通勤途上

作業中

  • 作業中に発生した災害は、一般的に業務災害と認定される。
  • 例外として私的行為業務逸脱行為天変地異等業務外の原因により発生した場合や業務離脱中担当業務外の行為に従事中等に発生した場合には、業務災害とは認められない場合がある。 

 

災害の内容 認定
1. 作業中にハブに咬まれた配管工が負傷した場合(昭和27年9月6日基災収3026号) 業務災害
2, 作業中に蜂に刺されて作業員が死亡した場合(昭和25年10月27日基収2693号) 業務災害
3. 就業時間中に採暖のためストーブの傍に寄ったところ脳貧血により昏倒し、火傷により死亡した場合(昭和38年9月30日基収2868号) 業務災害
4. 人員整理に関し会社と労働組合との抗争中に被解雇者が強行就労し、作業中に負傷した場合(昭和28年12月18日基収4466号)

理由] 積極的に就労禁止を通告していたのにかかわらず、就労を強行したとして業務遂行性は認められませんでした。
業務外
5. たまたま会った知り合いにトラックを運転させて負傷した場合(昭和26年4月13日基収1497号)

理由] 作業中に発生した災害は、原則として、業務災害とされますが、私的行為、業務逸脱行為、天変地異等により発生した場合及び業務離脱中、担当業務外の行為に従事中等に発生した場合には、業務災害と認められない場合があります。何ら合理的な理由もないのにもかかわらず、他人に運転させたということは業務離脱であり、業務との間に相当因果関係は認められませんでした。
業務外
6. とび職が煙突取付け工事従事中に突風にあおられて足場やぐらが倒れ転落した場合(昭和26年10月19日基収4423号) 業務災害
7. ホテルルーム係が業務に従事中ホテル内廊下においててんかんで倒れ意識不明となった場合(平成2年9月12日裁決)

理由] 倒れていたところが廊下で、事業場の設備等の欠陥もなかったため業務起因性が認められませんでした。
業務外
8. 泥酔中トラックから転落した助手が死亡した場合(昭和24年7月15日基災収3845号) 業務外
9. 作業中にトリクレン洗浄装置に自己所有の鍵を落としたため拾おうとしたときの災害(平成3年7月31日裁決)

理由] 自己所有の鍵を拾おうとした行為は、事業主の特命もなく、また、緊急に行う必要性もないため業務との関係のない私的な行為とされました。
業務外

休憩時間中

  • 休憩時間中」の災害は、一般的には業務起因性は認められない
  •  ただし、災害が事業場施設又はその管理に起因している場合及び就業中であれば業務起因性が肯定される用便・飲水等の生理的行為合理的行為等は、事業主の支配下にある限り、事業主の支配下にあることに伴う行為として業務に付随する行為とみるのが相当である。

 

災害の内容 認定
1. 断崖絶壁の石切り場で働いていた日雇労働者が休憩時間中水汲みに行って転落し死亡した場合(昭和24年12月28日基災収4173号) 業務災害
2. 休憩中に喫煙しようとしたところガソリンの染みた作業衣に引火しやけどをした場合(昭和30年5月12日基発298号)

理由] 喫煙そのものは私的行為であるが、この行為だけが原因で災害が発生したのではなく、業務による被服の汚染が共働原因となって生じたものと認められるためです。
業務災害
3. 道路清掃工事の労働者が道路の傍らで休憩していた際に乗用車が突入して負傷した場合(昭和25年6月8日基災収1252号) 業務災害
4. 採鉱夫が作業中に拾った不発雷管を休憩時間にもてあそんで手指を負傷した場合(昭和27年12月1日基災収3907号)

理由] 労働者の恣意行為(いたずら)によって生じた災害として、業務起因性は認められませんでした。
業務外
5. 昼の休憩時間中皮革工場の構内で労働者が同僚とキャッチボールをしていたところ銃の流れ弾が当たり負傷した場合(昭和24年5月31日基収1410号)

理由] 業務付随行為とみるべき行為以外の積極的な私的行為(キャッチボール)を行っている場合は、その間に発生した災害については、施設(又はその管理)に起因することが証明されない限り、業務起因性は認められません。
業務外
6. 作業場近くの崖の下の日陰で昼食中の岩石落下により死亡した場合
(昭和33年2月22日基収574号)
業務災害
7. 昼休み中にバドミントンの競技中に災害が発生した場合
(昭和57年8月12日裁決)
業務外

出張中

  • 出張中」における災害は、出張過程全般について事業主の支配下にあると認められ、業務災害として扱われる。
  • ただし、積極的な私的行為や恣意的行動による事故の場合は業務起因性は認められない。 

 

災害の内容 認定
1. 自宅から直接に出張地へ行くため列車に乗車すべく自転車で駅へ向かう途中の場合(昭和34年7月15日基収2980号) 業務災害
2. 出張先で祭りを見物中に生じた事故の場合
(昭和27年12月1日基収4772号)
業務外
3. 出張の機会を利用して当該出張期間内において出張先に赴く前後に自宅に立ち寄る行為(自宅から次の目的地に赴く行為を含む)中に事故(出張経路を著しく逸脱していないと認められる)が生じた場合
(平成18年3月31日基労管発0331001号、基労補発0331003号)
業務災
4. 急性伝染病流行地に出張して業務遂行中病原体に汚染されて罹患したことが明らかな場合(昭和23年8月14日基収1913号) 業務災害
5. 定期的な交通機関がないため出張途上でトラックに便乗した発電所員の転落事故の場合(昭和23年8月28日基収3097号) 業務災害
6. 女子従業員募集係が出張地からオートバイで直接自宅へ戻る途中で起こした事故の場合(昭和32年10月1日基収5268号) 業務災害
7. 会社が定める定宿以外でのホテルで焼死した場合
(昭和61年4月17日裁決)

理由] 街で知り合った女性を同伴して宿泊していたため、出張過程から逸脱した恣意行為と判断されました。
業務外
8. 出張先において子供に土産物を買いにいくといって行方不明となり失踪宣告を受けた場合(昭和39年12月26日基収3262号) 業務外

出張中における災害は 通勤災害ではなく業務災害とされます

通勤途上

 

  • 通勤」は、一般には、事業主の支配下にあるとはいえないため、業務遂行性及び業務起因性は認められず業務上の災害には当たらない。このような場合には、業務災害とは別に通勤災害に該当するかどうかの判断をする必要がある
  • ただし、通勤途上の災害であっても、事業主の支配下にあると認められる場合には、「業務災害」とされる場合がある。

 

災害の内容 認定
1. 事業場専用バスに乗車する際の事故の場合(昭和25年5月9日基収32号) 業務災害
2. 出勤途上に部下の無届欠勤者の慣例による事情調査慣例によるを行うため欠勤者宅へ赴く途中の交通事故の場合(昭和24年12月15日基収3001号) 業務災害
3. 突発事故のため休日出勤する途上の事故の場合(昭和24年1月19日基収3375号) 業務災害

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