労働者派遣法

ポイント

  • 派遣=雇用は派遣元、指揮命令は派遣先
  • 請負=注文主に指揮命令なし
  • 紹介予定派遣は6か月以内
  • 派遣禁止業務は港湾・建設・警備・一定医療
  • 許可は3年、更新5年
  • 事前面接・履歴書要求は原則禁止
  • 期間制限は事業所単位3年・個人単位3年
  • 管理台帳は原則3年保存

 

目 次

  1. 目的
  2. 労働者派遣
  3. 紹介予定派遣
  4. 派遣禁止業務
  5. 医療関連業務であっても労働者派遣が認められる場合
  6. 有効期間
  7. 契約事項
  8. 派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止
  9. 事業所単位の期間制限(原則)
  10. 事業所単位の延長(例外)
  11. 個人単位の期間制限
  12. 雇入れ時の説明
  13. 派遣時の説明
  14. 派遣労働者から求めがあったときの説明
  15. 派遣労働者であることの明示など
  16. 就業条件などの明示
  17. 派遣元管理台帳
  18. 派遣先管理台帳

目的

 

労働者派遣法は、

  • 労働者派遣事業の適正な運営
  • 派遣労働者の保護
  • 派遣労働者の雇用安定・福祉増進

を目的とする法律です。

 

労働者派遣

 

派遣元が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令で働かせることです。

ポイントは、

  • 雇用関係:派遣元と労働者
  • 指揮命令:派遣先
  • 派遣先に雇用させる約束は含まない

という点です。


 

請負・出向・労働者供給との違い

区分 特徴
派遣 派遣先が指揮命令する
請負 注文主は労働者に指揮命令しない
在籍出向 出向先に雇用させる関係を含む
労働者供給 原則禁止

紹介予定派遣

 

紹介予定派遣とは、派遣と職業紹介を組み合わせた制度です。

 

  • 開始前でも開始後でも切替え可能
  • 職業紹介の許可・届出が必要
  • 同一労働者について原則6か月以内

派遣禁止業務

派遣できない業務は次のとおりです。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 一定の医療関連業務

ただし、医療関連業務でも

  • 紹介予定派遣
  • 産休・育休・介護休業の代替
  • 社会福祉施設等での業務
  • へき地・離島等の医師等の業務

などは例外的に認められます。

医療関連業務であっても労働者派遣が認められる場合

 

  • 医療関連業務であっても、次の場合は労働者派遣が認められる。(令2条1項かっこ書、則2条)
医療関連業務であっても労働者派遣が認められる場合
  1.  紹介予定派遣
  2.  産前産後休業育児休業介護休業中の労働者の代替業務
  3.  病院診療所など以外の施設社会福祉施設等で行われる業務
  4.  2021改正就業の場所がへき地離島の病院など及び地域医療の確保のため都道府県医療対策協議会が必要と認めた病院などにおける医師などの業務
    1. へき地・離島などにおいて労働者派遣が認められるものに、医師の業務のほか、看護師准看護師薬剤師臨床検査技師及び診療放射線技師が行う業務が新たに加わりました。(令和3年2月5日事務連絡)

有効期間

 

厚生労働大臣の許可の有効期間3年更新5年)である。(法10条1項・4項)

法律区分 内容 許可 更新
職業安定法 有料職業紹介 3年 5年
無料職業紹介 5年 5年
労働組合等による無料の労働者供給 3年 5年
派遣法 労働者派遣 3年 5年

契約事項労働者派遣契約の主な記載事項

契約には、次のような事項を定めます。

 

  • 業務内容
  • 就業場所・組織単位
  • 指揮命令者
  • 派遣期間・就業日
  • 始業・終業時刻、休憩
  • 安全衛生
  • 苦情処理
  • 契約解除時の雇用安定措置
  • 紹介予定派遣に関する事項 

派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止

 

紹介予定派遣を除き、派遣先は、

  • 事前面接
  • 履歴書送付要求
  • 年齢指定
  • 特定の人を指名する行為

をしないよう努めなければなりません。

 

派遣先が人を選ぶと、実質的に雇用関係に近くなり、労働者供給との区別が問題になるためです。

事業所単位の期間制限(原則)

(法40条の2第1項・2項)

 

種類 内容
事業所単位 同一事業所で派遣を受けられるのは原則3年
個人単位 同一派遣労働者を同一組織単位で受け入れられるのは原則3年

事業所単位は、過半数労働組合等への意見聴取により延長可能です。

 

個人単位は、同じ人を同じ部署で使い続けることを防ぐ制度です。

 

 

事業所単位の延長(例外)

(法40条の2第3項・4項)

 

ただし、この3年は延長できます。

条件は:

  • 3年を超えて派遣を続けたい場合
  • 過半数労働組合(または過半数代表者)の意見を聴くこと
  • しかも 期限の1か月前までに実施する必要あり

重要ポイント:

  • 「同意」は不要(意見を聴けばOK)
  • ただし手続をしないと違法

 

 

個人単位の期間制限

(法35条の3、法40条の3)

 

これは「人」に対する制限です。

  • 同じ人を同じ部署・同じ業務で使えるのは 最大3年まで

つまり、 「同じ人をずっと使い続けることは禁止」


 

個人単位のポイント

  1. 派遣元(派遣会社)もNG
  2. 派遣先(受け入れ企業)もNG

両方に規制がかかっています。


 

例外(少しだけ触れておく)

 

以下の場合は3年制限がかからないことがあります:

  • 無期雇用派遣
  • 60歳以上
  • 有期プロジェクト業務など

 

まとめ(超重要)

この制度は次の2つを防ぐためのものです:

 

① 派遣の固定化を防ぐ

→ ずっと派遣で回すのを防止

 

② 実質的な正社員化回避を防ぐ

→ 同じ人を長く使うなら直接雇用しなさい、という考え


イメージで理解

  • 事業所単位:
    「この仕事を派遣で回していい期間は3年」
  • 個人単位:
    「この人を同じ仕事で使えるのは3年」

 

雇入れ時の説明派遣元の説明義務

派遣元は、

  • 雇入れ時
  • 派遣時
  • 派遣労働者から求めがあったとき

に、待遇や就業条件について説明する義務があります。

 

求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止です。

 

 

派遣時の説明

 

 

派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、文書の交付等により、所定の事項を明示するとともに、所定の事項を説明しなければならない。(法31条の2第3項)

 

 

派遣労働者から求めがあったときの説明

 

 

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあったときは、当該派遣労働者に対し、当該派遣労働者と法26条8項に規定する比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理並びに法30条の3から法30条の6までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項説明しなければならない。(法31条の2第4項)

派遣元事業主は、派遣労働者が求めをしたこと理由として、当該派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。(法31条の2第5項)

 

 

派遣労働者であることの明示など

 

 

派遣元は、労働者を派遣労働者として雇うとき、あらかじめその旨を明示します。

 

また、通常の労働者を新たに派遣対象にする場合は、本人の同意が必要です

 

 

就業条件などの明示

 

  • 派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、書面の交付等により、就業条件など明示しなければならない。(法34条1項)
就業条件との明示事項
  1.  当該労働者派遣をしようとする旨
  2.  法26条第1項各号に掲げる事項(労働者派遣契約に定める事項)その他厚生労働省令で定める事項であって当該派遣労働者に係るもの
  3.  当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所における組織単位の業務について派遣元事業主が法35条の3(同一の派遣労働者に係る派遣期間の制限)の規定に抵触することとなる最初の日
  4.  当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所の業務について派遣先が法40条の2第1項(派遣可能期間)の規定に抵触することとなる最初の日

管理台帳

 

台帳 作成者 保存期間
派遣元管理台帳 派遣元 3年
派遣先管理台帳 派遣先 3年

ただし、派遣先では、派遣労働者数+雇用労働者数が5人以下の場合、派遣先管理台帳の作成・記載は不要です。

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