労働者派遣法

目的

 

労働者派遣法は、

  1. 職業安定法と相まって労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに
  2. 派遣労働者の保護などを図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする。(法1条)

 

労働者派遣

 

労働者派遣」とは、自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。(法2条1号)

  • 当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするもの」とは、いわゆる在籍出向のことをいいます。
    労働者派遣事業関係業務取扱要領第1
  • 労働契約のうち指揮命令権だけが派遣元から派遣先に移ったのが、「労働者派遣です
  • 請負注文主が請負業者と請負契約を結び労働の結果としての仕事の完成を目的とします成果物に対して報酬が発生します)。注文主と請負労働者との間に指揮命令関係がない点が労働者派遣との大きな違いです
  • 労働者供給供給契約により配下にある労働者を他人の指揮命令下で働かせることをいいますピンハネの危険性があるため職業安定法において禁止されています

紹介予定派遣

 

紹介予定派遣」とは、労働者派遣のうち、派遣元事業主が労働者派遣の役務の提供の開始前または開始後に、当該労働者派遣に係る派遣労働者及び当該派遣労働者に係る派遣先について、職業安定法その他の法律の規定による許可を受けて、または届出をして、職業紹介行い、または行うことを予定してするものをいい、当該職業紹介により、当該派遣労働者が当該派遣先に雇用される旨が、当該労働者派遣の役務の提供の終了前に当該派遣労働者と当該派遣先との間約されるものを含むものとする。(法2条4号)

  • 「紹介予定派遣」は、職業安定法その他の法律の規定による「許可」または「届出」を前提とします。
    • 紹介予定派遣とは労働者派遣と職業紹介とを並行して行うものです
  • 役務の提供の開始前のみならず、開始後紹介予定派遣に切替えることもできます
  • 派遣元事業主は、紹介予定派遣を行うに当たって、6か月を超えて同一の派遣労働者の労働者派遣行わないこととされている(派遣先事業主の受け入れ期間も同様)。(労働者派遣事業関係業務取扱要領)
  • 当該労働者派遣の役務の提供の終了前に当該派遣労働者と当該派遣先との間で約されるものとは、当該職業紹介により、当該派遣労働者が当該派遣先に雇用されることが、「派遣終了前当該派遣労働者と当該派遣先との間で約されている」ことをいいます。

派遣禁止業務

  • 何人も、次のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行ってはならない。(法4条、令2条1項)
派遣禁止業務
  1.  港湾運送業務
  2.  建設業務
  3.  警備業務
  4.  派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務(一定の医療関連業務

 

  • 医療関連業務とは医師歯科医師薬剤師助産師看護師などの業務をいいます
  • 除外されている理由は、「港湾運送業務」は港湾労働法において、「建設業務」は建設労働者雇用改善法において、「警備業務」は、警備業法において、それぞれの法律により規制が設けられているためです。
    医療関連業務」は、現在の医療は一つの「チーム」を形成し提供されていることから、意思疎通などが十分になされない派遣労働は好ましくないとの判断からです。

医療関連業務であっても労働者派遣が認められる場合

 

 

医療関連業務であっても労働者派遣が認められる場合
  1.  紹介予定派遣
  2.  産前産後休業育児休業介護休業中の労働者の代替業務
  3.  病院診療所など以外の施設社会福祉施設等で行われる業務
  4.  2021改正就業の場所がへき地離島の病院など及び地域医療の確保のため都道府県医療対策協議会が必要と認めた病院などにおける医師などの業務
    1. へき地・離島などにおいて労働者派遣が認められるものに、医師の業務のほか、看護師准看護師薬剤師臨床検査技師及び診療放射線技師が行う業務が新たに加わりました。(令和3年2月5日事務連絡)
  • 医療関連業務であっても、次の場合は労働者派遣が認められる。(令2条1項かっこ書、則2条)

有効期間

 

厚生労働大臣の許可の有効期間3年更新5年)である。(法10条1項・4項)

法律区分 内容 許可 更新
職業安定法 有料職業紹介 3年 5年
無料職業紹介 5年 5年
労働組合等による無料の労働者供給 3年 5年
派遣法 労働者派遣 3年 5年

契約事項

 

労働者派遣契約の当事者は、当該労働者派遣契約締結に際し、所定の事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者人数を定めなければならない。(法26条1項)

労働者派遣契約の当事者は、当該労働者派遣契約締結に際し、所定の事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者人数を定めなければならない。(法26条1項)

 

  • 契約事項は次の通りである。(法26条1項、則22条)
契約事項
  1.  派遣労働者が従事する業務の内容
  2.  派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所名称及び所在地その他派遣就業の場所並びに組織単位
  3.  労働者派遣の役務の提供を受ける者のために、就業中の派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項
  4.  労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
  5.  派遣就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間
  6.  安全及び衛生に関する事項
  7.  派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
  8.  派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当などの支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置その他の労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
    1. 派遣先の都合による派遣契約の中途解除をする場合における新たな就業機会の確保休業手当などの支払に要する負担などに関する事項を労働者派遣契約に明記することになります。(法29条の2参照)
  9.  労働者派遣契約が紹介予定派遣に係るものである場合にあっては、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の当該紹介予定派遣に関する事項
  10.  2020改正前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項(派遣労働者が従事する業務に伴う責任の程度派遣元責任者及び派遣先責任者に関する事項、派遣労働者を協定対象派遣労働者に限るか否かの別など

派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止

 

 

労働者派遣紹介予定派遣を除くの役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。(法26条6項)

派遣先は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣元事業主が当該派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、労働者派遣に先立って面接すること、派遣先に対して当該労働者に係る履歴書を送付させることのほか、若年者に限ることとすることなど派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないこと。なお、派遣労働者または派遣労働者となろうとする者が、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付または派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、派遣先は、派遣元事業主または派遣労働者若しくは派遣労働者となろうとする者に対してこれらの行為を求めないこととするなど、派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止に触れないよう十分留意すること。(令和2年厚労告346号)

派遣元事業主は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先による派遣労働者を特定することを目的とする行為に協力してはならないこと。なお、派遣労働者などが、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付または派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、派遣元事業主は、派遣労働者などに対してこれらの行為を求めないこととするなど、派遣労働者を特定することを目的とする行為への協力の禁止に触れないよう十分留意すること。
(令和2年厚労告347号)

  • 派遣先は指揮命令のみを行うことが許されています派遣先が派遣労働者を特定すると派遣先と派遣労働者との間に雇用関係が成立職業安定法で禁止されている労働者供給事業に該当する危険性が出てきます

 

 

事業所単位の期間制限(原則)

(法40条の2第1項・2項)

 

まず基本ルールです。

  • 派遣先(受け入れる会社)は 同じ事業所・同じ業務について、派遣を受けられるのは最長3年まで

つまり、「この部署のこの仕事は、派遣で回すのは3年まで」という制限です。

 

 

事業所単位の延長(例外)

(法40条の2第3項・4項)

 

ただし、この3年は延長できます。

条件は:

  • 3年を超えて派遣を続けたい場合
  • 過半数労働組合(または過半数代表者)の意見を聴くこと
  • しかも 期限の1か月前までに実施する必要あり

重要ポイント:

  • 「同意」は不要(意見を聴けばOK)
  • ただし手続をしないと違法

 

 

個人単位の期間制限

(法35条の3、法40条の3)

 

これは「人」に対する制限です。

  • 同じ人を同じ部署・同じ業務で使えるのは 最大3年まで

つまり、 「同じ人をずっと使い続けることは禁止」


 

個人単位のポイント

  1. 派遣元(派遣会社)もNG
  2. 派遣先(受け入れ企業)もNG

両方に規制がかかっています。


 

例外(少しだけ触れておく)

 

以下の場合は3年制限がかからないことがあります:

  • 無期雇用派遣
  • 60歳以上
  • 有期プロジェクト業務など

 

まとめ(超重要)

この制度は次の2つを防ぐためのものです:

 

① 派遣の固定化を防ぐ

→ ずっと派遣で回すのを防止

 

② 実質的な正社員化回避を防ぐ

→ 同じ人を長く使うなら直接雇用しなさい、という考え


イメージで理解

  • 事業所単位:
    「この仕事を派遣で回していい期間は3年」
  • 個人単位:
    「この人を同じ仕事で使えるのは3年」

 

雇入れ時の説明

 

 

  • 派遣元事業主は、労働者派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、文書の交付等により、次に掲げる明示事項明示するとともに、説明事項説明をしなければならない。(法31条の2第2項)

 

  雇入れ時の説明
2020改正明示事項(則25条の16)
  1.  昇給の有無
  2.  退職手当の有無
  3.  賞与の有無
  4.  協定対象派遣労働者であるか否か(協定対象派遣労働者である場合には、当該協定の有効期間の終期)
  5.  派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
2020改正説明事項  法30条の3(派遣先均等均衡方式)、法30条の4第1項(労使協定方式)及び法30条の5(職務の内容等を勘案した賃金の決定)の規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法15条1項に規定する厚生労働省令で定める事項及び法31条の2第2項に掲げる事項を除く)に関し講ずることとしている措置の内容

 

派遣労働者が不合理な待遇差を感じることのないよう派遣元事業主に対し

  1. 雇入れ時法31条の2第2項
  2. 派遣時法31条の2第3項
  3. 派遣労働者から求めがあったとき法31条の2第4項

派遣労働者への待遇に関する説明義務が強化されています

 

 

派遣時の説明

 

 

派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、文書の交付等により、所定の事項を明示するとともに、所定の事項を説明しなければならない。(法31条の2第3項)

 

 

派遣労働者から求めがあったときの説明

 

 

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあったときは、当該派遣労働者に対し、当該派遣労働者と法26条8項に規定する比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理並びに法30条の3から法30条の6までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項説明しなければならない。(法31条の2第4項)

派遣元事業主は、派遣労働者が求めをしたこと理由として、当該派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。(法31条の2第5項)

 

 

派遣労働者であることの明示など

 

 

派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れようとする場合にあっては、その旨含む)を明示しなければならない。(法32条1項)

派遣元事業主は、その雇用する労働者であって、派遣対象の労働者以外として雇用する労働者新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨(新たに紹介予定派遣の対象としようとする場合にあっては、その旨含む)を明示し、その同意を得なければならない。(法32条2項)

  • 本人の同意が必要となります

 

 

就業条件などの明示

 

  • 派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、書面の交付等により、就業条件など明示しなければならない。(法34条1項)
就業条件との明示事項
  1.  当該労働者派遣をしようとする旨
  2.  法26条第1項各号に掲げる事項(労働者派遣契約に定める事項)その他厚生労働省令で定める事項であって当該派遣労働者に係るもの
  3.  当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所における組織単位の業務について派遣元事業主が法35条の3(同一の派遣労働者に係る派遣期間の制限)の規定に抵触することとなる最初の日
  4.  当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所その他派遣就業の場所の業務について派遣先が法40条の2第1項(派遣可能期間)の規定に抵触することとなる最初の日

派遣元管理台帳

 

  •  派遣元事業主は、派遣就業に関し、派遣元管理台帳作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに所定事項を記載しなければならない。(法37条1項)
  •  派遣元事業主は、派遣元管理台帳3年間保存しなければならない。(法37条2項)

派遣先管理台帳

 

  •  派遣先は、派遣就業に関し、派遣先管理台帳作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに所定事項を記載しなければならない。(法42条1項)
  •  派遣先は、派遣先管理台帳3年間保存しなければならない。(法42条2項)
  •  派遣先は、派遣労働者の数に当該派遣先が当該事業所などにおいて雇用する労働者の数を加えた数が5人を超えない5人以下であるとき派遣先管理台帳の作成及び記載を行うことを要しない。(則35条3項)

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