健康保険法の任意適用事業所

 

任意適用事業所とは

本来は健康保険の適用事業所ではない事業所が、

厚生労働大臣の認可

を受けて加入する制度です。

 

  1. 法定17業種であって、常時5人未満の従業員を使用する個人経営の事業所、
  2. 法定17業種以外の個人経営の事業所(使用従業員数は問わない)が、任意適用事業所となる。(法3条3項)

 

目 次

  1. 任意適用の認可
  2. 外国公館の日本人職員
  3. 擬制
  4. 任意適用の取消し
適用事業者

任意適用の認可

 

任意適用の要件

次の2つが必要です。


① 被保険者となるべき者の2分の1以上の同意

例えば

従業員5人

↓3人以上の同意

要件クリア


② 厚生労働大臣の認可

同意だけではダメです。

認可が必要です。

 

任意加入

↓

2分の1以上

を覚える。


認可後は全員加入

ここがよく問われます。


例えば

従業員10人


賛成

6人


反対

4人


認可された場合

↓

6人だけ加入

ではありません。


結論

10人全員が被保険者

になります。


覚え方

2分の1以上の同意

↓

加入は全員

 

健康保険と雇用保険の比較

健康保険

  • 2分の1以上の同意
  • 厚生労働大臣認可

雇用保険

  • 2分の1以上の同意
  • 厚生労働大臣認可

この部分は似ています。


 

強制適用から任意適用への擬制

重要論点です。


例えば

個人経営の行政書士事務所

従業員6人

↓

強制適用


その後

従業員4人

↓

本来は非適用


この場合

自動的に健康保険から脱退

ではありません。


法32条

任意適用の認可があったものとみなす


つまり 申請しなくても

任意適用事業所になります。


覚え方

強制適用でなくなった

↓

自動的に任意適用へ移行


任意適用の取消し

加入よりも要件が厳しいです。


必要なもの

① 被保険者の4分の3以上の同意

② 厚生労働大臣の認可


数字の比較

超重要


加入

↓

2分の1以上


脱退

↓

4分の3以上


覚え方

入るのは簡単

出るのは難しい


取消し後は全員資格喪失

ここも頻出です。

例えば

被保険者20人


賛成

16人


反対

4人


取消し認可

↓

16人だけ脱退

ではない


結論

20人全員が資格喪失


反対者も喪失します。

 

各保険制度の加入・手続等の比較表
項目 労災保険法 雇用保険法 健康保険法 厚生年金保険法
加入の同意

不要

(労働者が費用を負担しないため)

労働者の「2分の1」以上 被保険者となるべき者の「2分の1」以上
手続 事業主の申請
厚生労働大臣の認可
加入時期 厚生労働大臣の認可があった日に保険関係成立 厚生労働大臣の認可があった日から適用事業所
申請義務 労働者の過半数が加入を希望するとき 労働者の2分の1以上が加入を希望するとき なし なし

※ 健康保険・厚生年金保険では、従業員の希望があっても加入申請義務はない。

 

任意適用の認可があったときは、「任意加入に同意しなかった者を含めて」 、当該事業所に使用されるすべての者が被保険者となります。

2分の1以上の同意が必要ですので、例えば、従業員「5人」の場合、「3人」以上の同意が必要となります(雇用保険法と同様です)。

 

各保険制度の脱退に関する比較表
項目 労災保険法 雇用保険法 健康保険法 厚生年金保険法
脱退の同意 労働者の過半数 労働者の「4分の3」以上
手続 事業主の申請
厚生労働大臣の認可
要件
  • 保険関係成立後1年以上経過
  • 特別保険料徴収期間を経過
―
脱退義務 厚生労働大臣の認可があった日の翌日に保険関係消滅 厚生労働大臣の認可があった日の翌日から適用任意加入事業所でなくなる

外国公館の日本人職員外国公館の特例

 

大使館や領事館などです。


外国公館は日本の事業所ではありませんが、

事業主としての義務

  • 保険料納付
  • 資格取得届
  • 資格喪失届

などを守る旨の覚書を結べば、

任意適用が認められます。


対象者

  • 日本人職員
  • 一般外国人職員

など

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