就職促進給付

失業等給付の就職促進給付のうち「就業促進手当」として、「再就職手当」、「就業促進定着手当」、「常用就職支度手当」があります。

  • 再就職手当」は、基本手当を受給中に、早期に安定した職業に就いた場合に支給することにより、早期の再就職を促進するための制度です。
  • 「就業促進定着手当」は、再就職手当の支給を受けた者が、再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月間の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に支給されるものです。
  • 「常用就職支度手当」は、身体障害者など就職が困難な者が常用就職をした場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であり、一定の要件に該当する場合などに支給されます。

 

目 次

  1. 就業促進手当の種類
    1. 再就職手当 支給要件
      1. 再就職手当 支給額
    2. 常用就職支度手当受給資格者等
      1. 常用就職支度手当の支給要件
      2. 常用就職支度手当支給額
    3. 移転費
      1. 支給要件

就業促進手当の種類

 

就職促進給付は、就業促進手当移転費及び求職活動支援費からなる。(法10条4項)

就職促進給付における就業促進手当には、再就職手当就業促進定着手当及び常用就職支度手当の3種類がある。(法56条の3)

 

就職促進給付 就業促進手当
  1. 再就職手当
  2. 就業促進定着手当
  3. 常用就職支度手当

移転費

移転費
求職活動支援費 広域求職活動支援費・短期訓練受講費・求職活動関係役務利用費
  • 2025改正これまであった就業手当は、支給実績(令和4年度で3,486人)が少なかったため、廃止されました。
  含まれる手当 通称

再就職手当の次に位置づく

就業促進手当の内訳

再就職手当 「ハッピー手当/お祝い手当」

就業促進定着手当

常用就職支度手当 「ぎりぎり手当/スタート応援手当」  

 

 

再就職手当(ハッピー手当)/常用就職支度手当(ぎりぎり手当)比較

 

項目 再就職手当(ハッピー手当) 常用就職支度手当(ぎりぎり手当)
対象者 受給資格者
(同一就職について、高年齢再就職給付金を受給していない)
受給資格者「等」+就職困難者
基本手当の支給残日数 1/3以上 1/3未満(受給資格者の場合)
就職・事業の条件 1年の就職 または 事業開始 1年以上の就職(※ハローワーク等の紹介のみ
離職理由による給付制限期間との関係 制限期間 1か月:ハロワ等の紹介が必要
制限期間 2か月:ハロワ等の紹介でなくてもOK または 事業開始
制限期間 3か月:ハロワ等の紹介でなくてもOK または 事業開始
給付制限期間中はNG
その他の要件(共通) ① 求職申込日前に雇入れを約した事業主に雇用されたものではない
② 離職前の事業主に再び雇用されたものではない
③ 待期期間経過後であること
④ 3年以内に「再就職手当」「常用就職支度手当」を受けていない
(左と同じ)

再就職手当においては、離職理由による給付制限を受けた場合待期期間満了後1か月の期間内については公共職業安定所などの紹介により職業に就いたときでなければなりません。「事業を開始したことはこれに含まれないため離職理由による給付制限を受けた場合において待期の期間満了後の1か月の期間内に事業を開始したときは再就職手当を受給することができないことになります。(行政手引57052)

再就職手当 支給要件

 

再就職手当は、次のすべての要件を満たした場合に支給される。(法56条の3第1項1号・2項、法61条の2第4項、則82条1項、則82条の2、則82条の4)

 

再就職手当の支給要件
  1.  安定した職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数所定給付日数3分の1以上の受給資格者であること
  2.  1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業に就いたとき、又は事業当該事業により自立することができると公共職業安定所長が認めたものに限るを開始した受給資格者であって、再就職手当を支給することがその者の職業の安定に資すると認められるものであること
  3.  待期期間が経過した後職業に就き、または事業を開始したこと
  4.  離職理由による給付制限を受けた場合において、待期期間満了後1か月の期間内については、公共職業安定所または職業紹介事業者などの紹介により職業に就いたこと
  5.  離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
  6.  求職の申込みをした日前に雇入をすることを約した事業主への雇用されたものでないこと
  7.  安定した職業に就いた日3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
  8.  同一の就職について、高年齢再就職給付金の支給を受けていないこと
  • 1年を超えてです1年以上ではありません常用就職支度手当の場合は1年以上です混同しないようにしてください
  • 再就職手当の支給を受けたときは同一の就職につき高年齢再就職給付金の支給を受けることはできません

再就職手当 支給額

 

  • 再就職手当の額は、次の通りである。(法56条の3第3項1号)
支給残日数 支給額
所定給付日数3分の2未満 基本手当日額)×(支給残日数)×(10分の6
所定給付日数3分の2以上
早期再就職者
基本手当日額)×(支給残日数)×(10分の7

再就職手当の額の計算における基本手当日額には上限が設けられていますしたがって必ずしも基本手当の日額の60%または70%相当が支給されるわけではありません

常用就職支度手当 受給資格者等

 

 

① まず前提:「常用就職支度手当」とは?

通常の「再就職手当」は 失業手当(基本手当)がまだ多く残っている人が早く就職した場合に支給されます。

しかし現実には、

  • 障害のある方
  • 高齢者
  • 日雇い労働者 など

就職まで時間がかかりやすく、手当が残りにくい人もいます。

そこで用意されているのが 「常用就職支度手当」=再就職手当の代替制度です。

 


 

② 「受給資格者等」とは何か?

これは簡単に言うと この手当をもらえる対象者のグループ のことです。

 

全部で4種類あります


 

③ 4つの対象者(かみ砕き)

 

① 受給資格者(普通の失業保険の人)

ただし条件あり

失業手当がほとんど残っていない人だけ

具体的には

  • 残日数が「3分の1未満」

つまり

  • まだたくさん残っている → 再就職手当
  • ほぼ残っていない → 常用就職支度手当

という使い分けです。


② 高年齢受給資格者(65歳以上など)

一時金タイプの給付(高年齢求職者給付金)を受けた人

さらに 離職から1年以内なら対象

※この人たちはそもそも「日数」という概念がないので 残日数の条件は関係なし


③ 特例受給資格者(季節労働者など)

特例一時金」をもらった人

条件
離職から6か月以内

これも同じく 残日数という考え方がない


④ 日雇受給資格者

日雇い労働者向けの給付を受ける人

これも
残日数の概念なし


④ 一番重要な理解ポイント

ここが重要です

「残日数」が関係あるのは①だけ

それ以外は

  • 高年齢
  • 特例
  • 日雇い

そもそも日数制ではないので、残日数条件は存在しない


⑤ 全体のイメージ(まとめ)

シンプルに言うと

区分 残日数の条件
① 普通の失業者 必要(しかも少ないこと)
② 高年齢 不要
③ 特例 不要
④ 日雇い 不要

⑥ 制度の本質

この制度の目的は一言でいうと 「再就職手当をもらえない人を救う制度」

常用就職支度手当における「受給資格者等」とは、次の者をいう。(法56条の3第1項2号・2項)

1 受給資格者 当該職業に就いた日の前日における基本手当支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数3分の1未満である者に限る
2

高年齢受給資格者

高年齢求職者給付金の支給を受けた者であって、当該高年齢受給資格に係る離職の日の翌日から起算して1年を経過していないものを含む
3 特例受給資格者 特例一時金を受けた者であって、当該特例受給資格に係る離職の日の翌日から起算して6箇月を経過していないものを含む
4 日雇受給資格者  
  • 再就職手当一定の基本手当の支給残がないと受け取ることができません
    しかし身体障害者の人などは求職活動が長期化支給残のある早期の再就職はなかなか難しい現実があります
    そこで再就職手当の代わりとしての制度が常用就職支度手当ですしたがって受け取れる人が受給資格者に限らない間口の広い給付となっています)。
  • 基本手当の支給残日数が要件とされているのは、「受給資格者だけです
    (高年齢求職者給付金、特例一時金、日雇労働求職者給付金にはそもそも基本手当の支給残日数が生じる余地がありません)

常用就職支度手当の支給要件

常用就職支度手当は、次の全ての要件を満たした場合に支給される。(法56条の3第1項2号・2項、則82条2項、則82条の3第1項、則82条の4)

1 受給資格者等であって、身体障害者その他の就職が困難な者として厚生労働省令で定めるものであること  
2 1年以上引き続き雇用されることが確実であると認められる職業に就いた受給資格者等であって、常用就職支度手当を支給することが当該受給資格者等の職業の安定に資すると認められるものであること 再就職手当原則として、「1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業に就いたときに支給されます混同しないように注意
3 給付制限を受ける者については、給付制限の期間が経過した後に職業に就いたこと  
4 公共職業安定所又は職業紹介事業者等の紹介により職業に就いたこと 自営業を開始した場合知人の紹介により職業に就いた場合公共職業安定所等の紹介によらないで職業に就いた場合等には常用就職支度手当は支給されません
5 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと  
6 待期期間が経過した後職業に就いたこと  
7 安定した職業に就いた日前3年以内の就職について再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと  

支給額

常用就職支度手当の額は、次の通りである。(法56条の3第3項2号、則83条の6)

対象者 支給額    
  •  基本手当の支給残日数90日以上の受給資格者(法56条の3第3項3号イ)
  •  高年齢受給資格者(法56条の3第3項3号ロ)
  •  特例受給資格者(法56条の3第3項3号ハ)
  •  日雇受給資格者(法56条の3第3項3号ハ)
基本手当日額等)×(90)×(10分の4
 →すなわち、(基本手当日額等)×(36
支給残日数が90日以上である場合には、90日を上限として40%を乗じるため36日分となります。
  • 高年齢受給資格者」については、その者を高年齢受給資格に係る離職の日において30歳未満である基本手当の受給資格者とみなした場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額
  • 特例受給資格者」については、その者を基本手当の受給資格者とみなした場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額
  • 日雇受給資格者」については、その者に支給される日雇労働求職者給付金の日額を用います。
基本手当の支給残日数45日以上90日未満の受給資格者 基本手当日額)×(支給残日数)×(10分の4 支給残日数が45日以上90日未満である場合には、支給残日数そのものに40%を乗じます  
基本手当の支給残日数45日未満の受給資格者 (基本手当日額)×(45)×(10分の4
 →すなわち、(基本手当日額)×(18
支給残日数が45日未満である場合には、45日を下限として40%を乗じるため18日分となります。  
所定給付日数が270日以上の受給資格者 支給残日数にかかわらず、原則の計算
 →すなわち、(基本手当日額)×(36
   
  • 支給残日数が全く残っていない場合(身体障害者、知的障害者、精神障害者の場合。その他は1日以上の支給残日数が必要)であっても支給残日数を45日とみなして常用就職支度手当の額を計算することがある、大変特徴的な算定方法となります。(行政手引57351)

移転費

移転費は、受給資格者等が公共職業安定所などに紹介された職業に就くため、または公共職業安定所長の指示を受けた公共職業訓練等を受けるため、その住所または居所を変更する場合において、公共職業安定所長厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給される。(法58条1項)

移転費は、鉄道賃船賃航空賃車賃移転料及び着後手当である。(則87条1項)

引っ越しに係る転居費移転費です

  1.  鉄道賃、船賃などは文字通り交通費です。
  2.  移転料は、引っ越し代です。
  3.  着後手当は、引っ越しが行われた後、新住居に入居するまでの間に必要となるホテルなどの宿泊料や挨拶に要する費用などの諸雑費代です。

知人の紹介などで住所等を変更した場合には移転費は支給されません

支給要件

  • 移転費は、次の要件のいずれにも該当するときに支給される。(則86条)
移転費の支給要件
  1.  待期期間または給付制限期間離職理由による給付制限期間を除くが経過した後に就職し、または公共職業訓練等を受けることとなった場合であって、管轄公共職業安定所長が住所または居所の変更を必要と認めたとき
  2.  当該就職または公共職業訓練等の受講について、就職準備金その他移転に要する費用(就職支度費)が就職先の事業主訓練など施設の長その他の者から支給されないとき、またはその支給額が移転費の額に満たないとき
  3.  その者の雇用期間1年未満その他特別の事情がある場合でないとき

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