短期雇用特例被保険者に対する求職者給付
特例一時金

これは、

短時間・短期就労者向けの簡易型失業給付 です。

短期雇用特例被保険者(季節的な仕事に従事する労働者主に出稼ぎ労働者など)は、離職した場合、一般被保険者のように基本手当を受給するのではなく、原則として「特例一時金」を受給します。

 

そのため、

① 特例一時金は一括払い

→ 原則40日分

② 受給期限は離職後6か月

→ 超短い

③ 病気でも延長なし

→ 通常失業保険との大きな違い

 

④ 失業認定も1回だけ

→ 通常の失業保険と構造が違う

という特徴があります。

特例一時金は、短期雇用特例被保険者主に出稼ぎ労働者)が失業した際に支給される一時金で、離職前の1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上であることが条件です。この制度は、特例受給資格者(注)に適用され、基本手当とは異なる形で支給されます。雇用保険制度の一環として、特例一時金は短期的な雇用形態の労働者を支援するために設けられており、失業時の生活を一定程度保障する役割を果たしています。

(注)特例一時金の支給を受けることができる資格特例受給資格を有する者を特例受給資格者といいます。(法39条2項)

6ヶ月以上 に関しては 応答日方式でみない ⇨ 暦日方式で見る

 

目 次

  1. 特例一時金
    1. 短期雇用特例被保険者
  2. 受給手続
  3. 受給期限
  4. 準用
  5. 支給額
  6. 賃金日額の算定(最高限度額の適用)
  7. 公共職業訓練等を受ける場合の特例
高年齢求職者給付金、特例一時金
 
  1. 高年齢求職者給付金
  2. 特例一時金 本ページ

特例一時金

普通の失業保険(基本手当)は、

  • 90日
  • 120日
  • 150日

など、

分割して毎月受け取る 仕組みです。

しかし、

特例被保険者には、

一括払い

されます。

 

なぜ「一時金」なのか

特例被保険者は、

  • 季節的雇用
  • 短期反復雇用

が多い。

つまり、

長期安定雇用前提ではない。

そのため、

通常の「再就職活動を継続支援する失業保険」ではなく、

離職時にまとめて支給

という制度設計になっています。

受給手続

受給期限

特例一時金を受給するには、

離職日の翌日から6か月以内

に手続を行わなければなりません。

期限を過ぎると受給できません。


 

② 手続の流れ

 

STEP1 ハローワークへ行く

本人が公共職業安定所へ出頭します。

STEP2 求職申込み

「仕事を探しています」という求職申込みを行います。

STEP3 失業認定

失業していることについて認定を受けます。

STEP4 特例受給資格者証等の交付

ハローワークは、

  • 特例受給資格者証
  • (マイナンバーカード利用者は)特例受給資格通知

を交付します。

2023年改正により、個人番号カードを提示した者は、希望すれば「特例受給資格通知」の交付を受けることができます。


 

③ 認定日に必要なもの

失業認定日には、

  • 特例受給資格者証
    (又は個人番号カード)
  • 特例受給資格者失業認定申告書

を提出し、

職業紹介を求めること

が必要です。

一般受給資格者の失業認定と同じように、

「働く意思・能力があり、求職活動をしている」

ことを確認する手続です。

受給期限

特例一時金の支給を受けることができる期限受給期限)は、特例受給資格に係る離職の日の翌日から起算して6か月を経過する日である。当該6か月間に疾病または負傷などにより職業に就くことができない期間があっても受給期限の延長は認められない。(行政手引55151)

 

「受給期限6か月」の意味

ここ重要です。

普通の基本手当は、

原則1年

受給可能。

しかも、

  • 病気
  • 妊娠
  • 出産

などで延長可能。


しかし、

特例一時金は違う。

離職翌日から

6か月以内限定

です。


しかも延長不可

本文の重要部分。

病気やケガでも延長なし

です。

これは通常の基本手当との大きな違い。


なぜ延長不可なのか

理由は制度趣旨。

特例一時金は、

「失業期間保障」

というより、

「離職時一括給付」

だからです。

つまり、

通常失業保険ほど
長期生活保障を目的としていない。


「1回限り」の意味

ここも重要。

普通の失業保険は、

  • 4週間ごと
  • 失業認定
  • 分割支給

です。


しかし特例一時金は、

一回で終わり。


流れ

① 離職

② ハローワーク申請

③ 失業認定

④ 一括支給

終了


「原則40日分」

ここも重要。

特例一時金額は、

基本手当日額 × 40日

が原則。

つまり、

通常失業保険みたいに

  • 90日
  • 120日

も出ません。


イメージ

例えば、

日額6,000円。

すると、

6,000 × 40
=24万円

を一括支給。

準用される制度

特例一時金にも、基本手当と同じ制度が適用されます。

 

準用されるもの

  • 待期(7日)
  • 給付制限
  • 未支給給付
  • 不正受給時の返還命令 など

つまり、

「特例一時金だから自由にもらえる」

わけではありません。


給付制限となる例

例えば、

  • ハローワークが紹介した仕事を正当な理由なく断った
  • 自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された

などの場合には、

給付制限を受けます。

支給額

現在(2026年)は、

基本手当日額 × 40日分

です。

算定基礎期間 支給額
不問 基本手当日額 ×40日

本来、

法40条では

30日

となっています。

しかし、

附則8条により

当分の間「40日」

と読み替えられています。


就職困難者も同じ

一般被保険者では

就職困難者は給付日数が増えますが、

特例一時金では

就職困難者でも40日分

です。

増えません。


 

40日未満になる場合

例えば、

受給期限まで

あと20日しか残っていない状態で認定された場合は、

40日分ではなく

残り20日分

しか支給されません。

 

具体例で考えてみましょう

 

例1 すぐに手続をした場合

  • 離職日:4月1日
  • 受給期限:10月2日(離職日の翌日から6か月)
  • 4月10日に求職申込み・失業認定

この場合、受給期限まで約6か月近く残っています。

40日分がそのまま支給されます。


例2 手続が遅れた場合

  • 離職日:4月1日
  • 受給期限:10月2日
  • 9月12日に初めてハローワークへ行き、失業認定

この時点では、

受給期限(10月2日)まで残り20日しかありません。

条文上は、

失業認定の日から受給期限の最後の日までの日数が40日に満たないときは、その残り日数分しか支給しない

とされています。

つまり、

  • 本来:40日分
  • しかし残りは20日しかない

20日分しか支給されません。

賃金日額の算定(最高限度額の適用)

 

2026年改正では、

離職日に65歳以上の特例受給資格者について、

賃金日額が高額であっても、

30歳未満の一般受給資格者の上限額

14,510円

が上限になります。

つまり、

賃金日額が18,000円でも、

計算上は

14,510円

になります。

公共職業訓練等を受ける場合の特例

 

原則

公共職業訓練等を受ける前に、

ハローワークの指示による訓練

(40日以上2年以内)

を受講することになった場合、

特例一時金は支給されません。


代わりに支給されるもの

この場合は、

一般受給資格者とみなされ、

次の給付を受けられます。

  • 基本手当
  • 技能習得手当
  • 寄宿手当

つまり、

一時金ではなく、

通常の失業給付を受けることになります。


支給されないもの

傷病手当

は支給されません。

ここは重要です。


失業認定

公共職業訓練中は、

一般受給資格者と同じ扱いになります。

したがって、

失業認定は

毎月1回

行われます。


なぜこの特例があるのか

短期雇用特例被保険者は、

季節的・短期的な仕事に従事する人が多く、

そのままでは新しい職業に就くための技能を身につける機会が少ないという事情があります。

そこで、

公共職業訓練を受講する場合には、

一時金を支給して終わりにするのではなく、

一般受給資格者と同様に基本手当等を受けながら訓練に専念できる制度が設けられています。

 

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