一般被保険者に対する求職者給付

一般被保険者が失業した場合に支給される求職者給付には、基本手当のほか、公共職業訓練等を受講する者に対する技能習得手当及び寄宿手当があります。

また、求職の申込みをした後に疾病又は負傷により継続して15日以上職業に就くことができない場合には、基本手当に代えて傷病手当が支給されます。

なお、健康保険法による傷病手当金とは制度の目的や支給要件が異なるため、混同しないよう注意が必要です。

 

 

健康保険の傷病手当金との違い

 

項目 雇用保険の傷病手当 健康保険の傷病手当金
対象 失業中 在職中・継続給付
趣旨 求職活動ができない期間の生活保障 就労できない期間の所得補償
日額 基本手当と同額 標準報酬日額の約3分の2
併給 不可

 

ポイント

 

  • 技能習得手当は「受講手当」と「通所手当」からなる。
  • 受講手当は待期期間・給付制限期間・傷病手当支給日には支給されない。
  • 傷病手当は求職申込み後の病気・けがが対象である。
  • 継続して15日以上職業に就くことができない場合に支給される。
  • 日額は基本手当と同額である。
  • 傷病手当を受給した日数は、基本手当を受給した日数とみなされる。
  • 健康保険の傷病手当金や労災保険の休業(補償)給付等との併給はできない。
  • 同一傷病については、受給期間延長と傷病手当を重複して受けることはできない。

 

目次

  1. 技能習得手当
    1. 受講手当が支給されない日
  2. 傷病手当
    1. 不支給日
    2. 傷病の認定
    3. 支給額及び支給日数

技能習得手当

 

技能習得手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(2年を超えるものを除く。)を受講する場合に、その訓練期間中、基本手当に加えて支給される給付です。(法36条、法24条、令4条)

技能習得手当は、次の2種類からなります。

種類 内容
受講手当 日額500円(最大40日分)
通所手当 通所に要する交通費

 

技能習得手当は雇用保険二事業ではなく、求職者給付として支給されます。

受講手当が支給されない日

 

受講手当は、次の日については支給されません。(則57条)

  • 公共職業訓練等を受講しない日
  • 基本手当の支給対象とならない日
    • 待期期間
    • 給付制限期間
    • 傷病手当の支給対象日

つまり、受講手当は基本手当が支給されることを前提とする給付です。

ただし、自己の労働による収入があるため基本手当が減額又は支給されない日については、受講手当は支給対象となります。

 

給付制限中の公共職業訓練

自己都合退職等による給付制限を受けている受給資格者が公共職業訓練等を受講した場合には、給付制限が解除されます。

その結果、

  • 基本手当
  • 技能習得手当

 

の双方を受給することができます。

傷病手当

傷病手当とは

 

傷病手当とは、失業中に病気又はけがのため求職活動ができなくなった場合に、基本手当に代えて支給される給付です。

求職活動ができない期間の生活を保障することを目的としています。

なお、在職中又は退職後の健康保険から支給される傷病手当金とは異なる制度です。


傷病手当の支給要件

 

傷病手当は、次のすべてを満たす場合に支給されます。(法37条)

  • 離職していること
  • 公共職業安定所で求職の申込みをしていること
  • 求職申込み後に疾病又は負傷となったこと
  • 継続して15日以上職業に就くことができないこと

傷病期間ごとの取扱い

 

継続期間 取扱い
14日以下 基本手当(失業認定)
15日以上 傷病手当
30日以上 傷病手当又は受給期間延長の対象

支給される場合

 

○ 求職申込み後に病気・けがとなった場合

○ 求職申込み時には就職可能であったが、その後病気・けがにより就職できなくなった場合

○ 求職申込み後に、つわり又は医学的に疾病と認められる切迫流産となった場合


支給されない場合

 

× 求職申込み前から引き続き就職できない状態である場合

× 求職申込みを取り消した後に就職できなくなった場合

求職申込み時点で労働能力が認められない者は、「失業」の状態に該当しないためです。

 

不支給日

傷病手当は、次の日については支給されません。

支給されない日 理由
基本手当の支給日 基本手当に代えて支給するため
待期期間 基本手当自体が支給されないため
給付制限期間 基本手当の対象外であるため
健康保険の傷病手当金等を受けられる日 同一目的の給付との重複を防止するため
労災保険の休業(補償)給付等を受けられる日 同上

退職後も健康保険の傷病手当金や労災保険の休業(補償)給付を受給できる場合には、雇用保険の傷病手当は支給されません。

傷病の認定

 

傷病手当は、疾病又は負傷により職業に就くことができなかったことについて認定を受けた日数分が支給されます。

傷病の認定は、就職できない理由がやんだ後に最初に基本手当の支給を受ける日までに受けなければなりません。

 

また、「傷病手当支給申請書」は、この日までに管轄公共職業安定所長へ提出しなければなりません。

認定を受けようとする者は、受給資格者証を添えて(当該受給資格者が受給資格通知交付を受けた場合にあっては、個人番号カードを提示して)傷病手当支給申請書管轄公共職業安定所長提出しなければならない。(則63条2項)

支給額及び支給日数

 

傷病手当の日額は、基本手当の日額と同額です。

また、支給日数は次のとおりです。

所定給付日数-既に基本手当を支給した日数

傷病手当の支給を受けた日数は、基本手当の支給を受けたものとみなされます。

そのため、所定給付日数はその分減少します。

 

なお、延長給付期間中は所定給付日数が残っていないため、傷病手当は支給されません。

 

傷病手当と受給期間延長

傷病期間が長期化した場合には、受給期間延長制度との関係に注意が必要です。

同一の傷病については、傷病手当と受給期間延長を重複して利用することはできません。

 

受給期間延長を申請した後に同一傷病について傷病手当を申請した場合には、受給期間延長の措置は取り消されます。

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