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事業主からの費用徴収

事業主が労災保険の加入手続きを怠っていた期間中に 労働災害が生じ、労災保険給付を行った場合、事業主から遡及して労災保険料を徴収する他に、その保険給付に要した費用の全部 又は一部を徴収することとなっております。 

 

目 次

  1. 事業主からの費用徴収
    1. 費用徴収が行われる場合①(故意の保険関係成立届未提出)
    2. 費用徴収が行われる場合②(重過失の保険関係成立届未提出)
    3. 費用徴収が行われる場合③(一般保険料の滞納期間中)
    4. 費用徴収が行われる場合④(事業主の故意または重過失による業務災害)

事業主からの費用徴収

その保険給付に要した費用に相当する金額の全部または一部を事業主から下記を限度に徴収することができる。(法31条1項)

保険給付 限度
業務災害に関する保険給付
  • 労働基準法」の規定による災害補償の価額が限度
  • 船員法の規定による災害補償のうち「労働基準法」の規定による災害補償に相当する災害補償の価額が限度
複数業務要因災害に関する保険給付 複数業務要因災害業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する労働基準法」の規定による災害補償価額当該複数業務要因災害に係る事業ごとに算定した額に限る)が限度
通勤災害に関する保険給付 通勤災害業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する労働基準法」の規定による災害補償の価額が限度

複数業務要因災害に係る費用徴収も、通勤災害の場合と同様に、仮に複数業務要因災害業務災害とみなした場合の災害補償の価額ただし、当該複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した額に限るの限度で行います。(令和2年8月21日基発0821第1号)

事業主からの費用徴収には、次の場合がある。(法31条1項)

 

1 事業主故意または重大な過失により保険関係成立届を提出していない期間中に生じた事故
2 事業主一般保険料を納付しない期間督促状に指定する期限後の期間に限るに生じた事故
3 事業主故意または重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故
  •  事業主からの費用徴収が行われる場合の徴収金の額は、厚生労働省労働基準局長が保険給付に要した費用、保険給付の種類、一般保険料の納入状況その他の事情を考慮して定める基準に従い、所轄都道府県労働局長が定めるものとされている。(則44条)
  •  事業主からの費用徴収の規定に係る徴収金は、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう)または都道府県労働局若しくは労働基準監督署納付しなければならない。(則45条)

費用徴収が行われる場合①(故意の保険関係成立届未提出)

事業主故意に労災保険に係る保険関係成立届を提出していない期間中に事故(認定決定後の期間を除く)が生じた場合は、保険給付の額100%相当額が支給の都度徴収される。(平成17年9月22日基発0922001号)

  • 所定の手続きをとり保険料を納付している事業主などとの間の公平・均衡を確保し、あわせて労働保険の適用促進を図ることを目的とした規定です。
  • 事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しないため政府が当該事業について職権により概算保険料の額の決定いわゆる認定決定をしたときはその決定のあった日の前日までの期間に限られます

費用徴収の対象となる保険給付は、休業補償給付傷病補償年金障害補償給付遺族補償給付葬祭料等葬祭給付)である。
(昭和47年9月30日基発643号、平成8年3月1日基発95号、平成13年3月30日基発233号、令和2年8月21日基発0821第1号)

  • 言い方を変えると、以下は費用徴収の対象となりません
    • 療養補償給付 ⇨ 療養は治療そのものに関わるため
    • 介護補償給付  介護は労働基準法上の災害補償に規定がなく徴収の限度額を設定できないことや生命維持に影響を与えるため
    • 二次健康診断等給付及び特別支給金  二次健康診断等は労働基準法上の規定がなく疾病予防が目的のため

 

「故意」と認定される場合

事業主が、当該事故に係る事業に関し、行政機関から、保険手続に関する指導を受けたにもかかわらず10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合
事業が、当該事故に係る事業に関し、加入勧奨を受けたにもかかわらず10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合

費用徴収の対象となるのは、療養を開始した日即死の場合は事故発生の日の翌日から起算して「3年以内に支給事由が生じたもの年金給付についてはこの期間に支給事由が生じかつこの期間に支給すべき保険給付に限る)に限られる。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)

  • 費用徴収の対象期間が「3年以内」に限定されるのは、事実関係の明確化などが困難になること、事業主への責任追及の長期化は法律関係の早期安定を図るという趣旨に反することなどにあります。
  徴収金の金額 対象となる保険給付
事業主の故意による保険関係届の未提出期間中における保険給付 支払の都度、保険給付の額の100%
  • 休業(補償)等給付
  • 傷病(補償)等年金
  • 障害(補償)等給付
  • 遺族(補償)等給付
  • 葬祭料等(葬祭給付)

通勤災害についても費用徴収されます

事業主の重過失による保険関係届の未提出期間中における保険給付 支払の都度、保険給付の額の40%
一般保険料滞納期間中の保険給付 支払の都度、保険給付の額に滞納率40%上限を乗じて得た額
事業主の故意または重過失により生じさせた業務災害 支払の都度、保険給付の額の30%
  • 休業補償給付
  • 傷病補償年金
  • 障害補償給付
  • 遺族補償給付
  • 葬祭料

事業主の故意または重大な過失により生じた通勤災害に関しては費用徴収は行われません

費用徴収が行われる場合②(重過失の保険関係成立届未提出)

 

  • 事業主「重大な過失」により労災保険に係る保険関係成立届を提出していない期間中に事故(認定決定後の期間を除く)が生じた場合は、保険給付の額40%相当額が支給の都度徴収される。(平成17年9月22日基発0922001号)
  • 費用徴収の対象となる保険給付は、休業補償給付傷病補償年金障害補償給付遺族補償給付葬祭料等葬祭給付)である。(昭和47年9月30日基発643号、平成8年3月1日基発95号、平成13年3月30日基発233号、令和2年8月21日基発0821第1号)
    • 言い方を変えると、以下は費用徴収の対象となりません
      • 療養補償給付 ⇨ 療養は治療そのものに関わるため
      • 介護補償給付  介護は労働基準法上の災害補償に規定がなく徴収の限度額を設定できないことや生命維持に影響を与えるため
      • 二次健康診断等給付及び特別支給金 ⇨ 二次健康診断等は労働基準法上の規定がなく疾病予防が目的のため

 

「重大な過失」について(平成17年9月22日基発0922001号)

「重大な過失」と認定される場合 「重大な過失」と認定されない場合
事業主が、当該事故に係る事業に関し、保険手続に関する指導または加入勧奨を受けていない場合で、かつ、保険関係成立日から1年を経過してなお保険関係成立届を提出していないとき
  • 事業主が、その雇用する労働者について、労働者に該当しないと誤認したために保険関係成立届を提出していなかった場合
    (当該労働者が取締役の地位にあるなど労働者性の判断が容易でなく、事業主が誤認したことについてやむを得ない事情が認められる場合に限る
  • 事業主が、本来独立した事業として取り扱うべき出張所などについて、独立した事業には該当しないと誤認したために、当該事業の保険関係について直近上位の事業など他の事業に包括して手続をとっている場合

費用徴収の対象となるのは、療養を開始した日即死の場合は事故発生の日)の翌日から起算して「3年以内に支給事由が生じたもの年金給付についてはこの期間に支給事由が生じかつこの期間に支給すべき保険給付に限る)に限られる。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)

 

費用徴収が行われる場合③(一般保険料の滞納期間中)

事業主一般保険料を納付しない期間督促状に指定する期限後の期間に限る)中に事故が生じた場合は、保険給付の額に滞納率上限40%)を乗じて得た額が支給の都度徴収される。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)

 

↓ 7/10 15日以内   10日以上 滞納処分 →  
  ↑ 認定決定 ↑ 滞納 ↑ 督促 ↑ 滞納 ↑ 
徴収金完納
財産差押え
    督促を受けるまでの期間中に生じた事故については費用徴収されません   費用徴収 →  
  • 費用徴収の対象となる保険給付は、休業補償給付傷病補償年金障害補償給付遺族補償給付葬祭料等葬祭給付)である。(昭和47年9月30日基発643号、平成8年3月1日基発95号、平成13年3月30日基発233号、令和2年8月21日基発0821第1号)
    • 言い方を変えると、以下は費用徴収の対象となりません
      • 療養補償給付 ⇨ 療養は治療そのものに関わるため
      • 介護補償給付  介護は労働基準法上の災害補償に規定がなく徴収の限度額を設定できないことや生命維持に影響を与えるため
      • 二次健康診断等給付及び特別支給金 ⇨ 二次健康診断等は労働基準法上の規定がなく疾病予防が目的のため​​
  • 費用徴収の対象となるのは、療養を開始した日即死の場合は事故発生の日)の翌日から起算して「3年以内」に支給事由が生じたもの年金給付についてはこの期間に支給事由が生じかつこの期間に支給すべき保険給付に限る)に限られる。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)
  •  事業主が概算保険料のうち一般保険料を督促状の指定期間内に納付しない場合に事故が生じたときは、原則として費用徴収が行われるが、天災事変その他やむを得ない事由により保険料を納付することができなかったと認められる場合には費用徴収は行われない。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)

 

費用徴収が行われる場合④(事業主の故意または重過失による業務災害)

  • 事業主故意または重大な過失により業務災害の原因である事故を生じさせた場合は、保険給付の額の30%相当額が支給の都度徴収される。
    (平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)
    • ​「故意による場合であっても100%が費用徴収されるわけではない点にも注意してください

 

  • 費用徴収の対象となる保険給付は、休業補償給付傷病補償年金障害補償給付遺族償給付葬祭料である。
    (昭和47年9月30日基発643号、平成8年3月1日基発95号、平成13年3月30日基発233号)
    • 言い方を変えると、以下は費用徴収の対象となりません
      • 療養補償給付 ⇨ 療養は治療そのものに関わるため
      • 介護補償給付  介護は労働基準法上の災害補償に規定がなく徴収の限度額を設定できないことや生命維持に影響を与えるため
      • 二次健康診断等給付及び特別支給金 ⇨ 二次健康診断等は労働基準法上の規定がなく疾病予防が目的のため

 

事業主の故意または重過失による業務災害」と認定されるのは、次の通りである。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)

法令に危害防止のための直接的かつ具体的な措置が規定されている場合に、事業主が当該規定に明白に違反したため事故を発生させたと認められるとき
法令に危害防止のための直接的措置が規定されているが、その規定する措置が具体性に欠けている場合に、事業主が監督行政庁より具体的措置について指示を受けその措置を講ずることを怠ったために事故を発生させたと認められるとき
法令に危害防止のための措置が規定されていないが、事故発生の危険が明白かつ急迫であるため、事業主が監督行政庁より直接的かつ具体的な措置について指示を受けその措置を講ずることを怠ったために事故を発生させたと認められるとき
  • 費用徴収の対象となるのは、療養を開始した日即死の場合は事故発生の日)の翌日から起算して「3年以内に支給事由が生じたもの年金給付についてはこの期間に支給事由が生じかつこの期間に支給すべき保険給付に限る)に限られる。(平成5年6月22日発労徴42号、基発404号)

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