継続事業(一括有期事業を含む)の納付額

継続事業(一括有期事業を含む)の納付額は、原則として、確定保険料と概算保険料を精算する「年度更新」の手続きで決まります

 

「概算保険料=見込額×料率」

「ただし見込額が前年の50%~200%なら前年賃金総額を使える」

「200%超になったら増加概算保険料の論点につながる」

 

という流れで覚えると整理しやすいです。

 

目次

  1. 継続事業(一括有期事業を含む)の納付額
    1. 端数処理
  2. 賃金総額の見込額の特例

継続事業(一括有期事業を含む)の納付額

申告書に書き込む納付額

 

概算保険料の原則

 

労働保険料は、年度開始時点では実際の賃金総額がまだ確定していません。

そこで、

「今年はこれくらい賃金を払うだろう」

という見込みで計算します。

計算式は非常にシンプルです。

概算保険料=賃金総額の見込額 × 一般保険料率


例えば

  • 今年の賃金見込額:50,000,000円
  • 保険料率:15/1000

の場合

50,000,000 × 15/1000

=750,000円

これが概算保険料になります。


端数処理

 

 

① 賃金総額

まず賃金総額は

1,000円未満切捨て

です。

50,123,456円

50,123,000円

として計算します。


② 保険料額

計算後の保険料は

1円未満切捨て

です。

750,123.89円

750,123円


覚え方

項目 端数処理
賃金総額 1,000円未満切捨て
保険料 1円未満切捨て

左側に賃金総額(の見込額)を記入し(1)、保険料率を乗じた結果を右側(2)に記入します。

 単位をみればわかるように賃金総額の見込額を記入する欄には1,000円未満は書くことができない書式になっています千円未満切捨てなので)。

賃金総額の見込額の特例

ここが重要です。

本来は

「今年の賃金見込額」

を使います。

しかし毎年細かく見積もるのは大変です。

そこで法律は

大きな変動がなければ前年の数字をそのまま使ってよい

としています。


特例の適用条件

今年の見込額が

前年の賃金総額の

50%以上200%以下

である場合

です。


数式で書くと

前年賃金総額 × 50%

以上

前年賃金総額 × 200%

以下


具体例

前年賃金総額

4,000万円

だったとします。


ケース①

今年見込額

3,000万円

3,000万円 ÷ 4,000万円

=75%

50%以上200%以下

特例適用可

前年の4,000万円で計算してよい


ケース②

今年見込額

7,000万円

7,000万円 ÷ 4,000万円

=175%

特例適用可

前年の4,000万円を使う


ケース③

今年見込額

9,000万円

9,000万円 ÷ 4,000万円

=225%

200%超

特例適用不可

実際の見込額9,000万円で計算


ケース④

今年見込額

1,500万円

1,500万円 ÷ 4,000万円

=37.5%

50%未満

特例適用不可

実際の見込額1,500万円で計算


なぜ50%~200%なのか

徴収法は

保険料徴収をできるだけ簡単にする

ことを重視しています。

そのため、

前年とそれほど変わらないなら

わざわざ見込額を計算しなくても

前年の賃金総額を使えば十分

という考えです。


増加概算保険料との関係

ここが引っかかりやすいところです。

特例は

50%以上200%以下

なら前年額を使える制度。

一方、

増加概算保険料

200%超

になった場合の話でした。

つまり

賃金総額の変動 取扱い
50%未満 実際の見込額で概算保険料計算
50%以上200%以下 前年賃金総額を使用可能
200%超 実際の見込額で計算
申告後に200%超かつ差額13万円以上 増加概算保険料発生

という流れになります。


「未払賃金も含む」の意味

最後の通達部分も重要です。

例えば

  • 3月20日締め
  • 4月5日払い

の給与があるとします。

令和A年度
(4月1日~翌年3月31日)

の最後に働いた3月分給与は、

実際の支払日は翌年度の4月5日です。

しかし、

その賃金は令和A年度の労働に対する対価なので、

令和A年度の賃金総額に含める

ことになります。

つまり、

実際に支払った日ではなく、その年度に支払うことが確定している賃金かどうか

で判断します。

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