受給権の保護

労災保険の保険給付を受ける権利は保護されています

  1.  保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。
  2.  保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 

ポイント

  • 退職しても受給権は変更されない(退職理由は問わない)。
  • 保護されるのは、現に発生している権利だけでなく、将来発生する可能性のある権利も含まれる。
  • 日々雇用労働者でも労災保険の給付を受けられる。
  • 受給権は「譲渡・担保・差押え」がすべて禁止される。
  • 労災保険には、年金制度のような国税滞納処分による差押えの例外はない。
  • 労災保険の給付は所得税・住民税などの公課の対象とならない。
  • 労災保険関係書類には印紙税が課されない。

一言で総まとめ

「労災の受給権は、退職しても守られ、譲渡・担保・差押えは禁止。給付は非課税で、労災関係書類には印紙税もかからない。」

 

目 次

  1. 受給権の保護
  2. 譲渡などの禁止
  3. 公課の禁止

受給権の保護

 

退職しても受給権はなくならない(法12条の5第1項)

 

結論

労働者が退職しても、保険給付を受ける権利は変わらない。


どんな退職でも同じ

  • 解雇
  • 自己都合退職
  • 契約期間満了
  • 定年退職

すべて同じです。

退職理由は問いません。


将来発生する給付も含まれる

保護されるのは

  • 現在発生している給付
  • 将来発生する可能性のある給付

の両方です。

例えば、

労災事故後に退職しても、

後から障害が残れば障害(補償)等給付を受けられます。


日雇労働者も同じ

その日限りの雇用(日々雇用)でも、

労災事故であれば保険給付を受けられます。


労働基準法との共通点

労働基準法83条も

補償を受ける権利は、労働者の退職によって変更されない

と規定しています。

譲渡などの禁止

保険給付を受ける権利は、

  • ❌ 譲渡できない
  • ❌ 担保にできない
  • ❌ 差し押さえできない

覚え方

「三ない」

譲渡しない・担保にしない・差押えできない


他制度との比較

制度 譲渡 担保 差押え
労災保険
雇用保険
健康保険
国民年金 原則❌(※老齢基礎年金・付加年金・脱退一時金は国税滞納処分により例外あり)
厚生年金 原則❌(※老齢厚生年金・脱退手当金・脱退一時金は国税滞納処分により例外あり)

 

ポイント

労災保険には差押えの例外はありません。

公課の禁止(法12条の6)

 

結論

労災保険の給付には税金などを課すことができません。


対象

  • 所得税
  • 住民税
  • 国税
  • 地方税
  • その他の公課

覚え方

労災給付は非課税


印紙税も不要(法44条)

労災保険に関する書類には

印紙税は課されません。

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