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ソリューション行政書士法人
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雇用安定事業とは、失業を防ぎ、雇用を維持・拡大するために国が行う支援制度です。
事業主が労働者の雇用を守るための取組を行った場合に、国が助成金などを支給して支援します。
例えば、
といった場合に、一定の要件を満たせば助成金を受けることができます。
この制度は、厚生労働省が雇用保険制度の一環として実施しています。
目 次
雇用安定事業と能力開発事業は、雇用保険の被保険者、被保険者であった者及び被保険者になろうとする者(以下「被保険者等」)の就職や雇用の安定を図ることを目的として実施されます。また、事業を行う際には、労働生産性の向上につながるよう配慮することとされています。(法64条の2)
なお、雇用安定事業や能力開発事業による施設やサービスは、被保険者等の利用に支障がなく、その利益を害しない範囲であれば、被保険者等以外の人も利用することができます。
雇用安定事業には、主に次の6種類があります。
景気悪化や売上減少などで事業活動を縮小した企業が、従業員を解雇せず休業や教育訓練などを実施した場合に助成します。
主な助成金
離職予定者の再就職を支援する企業に対して助成します。
主な助成金
定年延長や継続雇用制度の導入、高齢者の採用などを行った事業主を支援します。
主な助成金
地域で高年齢者の就業機会を確保するための取組を支援します。
雇用機会が不足している地域への事業所設置や雇用創出を支援します。
主な助成金
障害者など就職が困難な人の雇用や、人材確保・仕事と家庭の両立支援など、雇用の安定につながるさまざまな取組を支援します。
主な助成金
「どの助成金が雇用安定事業に該当するか」がよく問われます。
まずは、
という2つの区別を押さえ、その後に代表的な助成金を覚えると理解しやすくなります。
雇用関係助成金の不支給
雇用関係助成金は、要件を満たせば支給されますが、不正受給の防止や制度の適正な運営のため、一定の場合には支給されません。
主な不支給事由は、次のとおりです。
| 不支給事由 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 労働保険料の納付状況 | 労働保険料の納付状況が著しく不適切である事業主または事業主団体 | 則120条の2 |
| 過去5年以内の不正受給歴 | 過去5年以内に、偽りその他不正の行為により助成金を受給し、または受給しようとした事業主または事業主団体 | 則120条 |
| 不正に関与した役員等の在籍 | 過去5年以内に不正受給に関与した役員等が、その事業主または事業主団体の役員等となっている場合 | 則120条 |
| 代理人・訓練機関の不正関与 | 過去5年以内に、代理人や訓練機関が虚偽の届出・報告・証明などを行って不正受給に関与し、その者が現在も助成金申請に関与している場合 | 則120条 |
| 支給対象外の事業主 | 国、地方公共団体、行政執行法人および特定地方公共団体には支給されない | 則120条 |
上記は、雇用関係助成金全体に共通する代表的な不支給事由です。
これとは別に、それぞれの助成金ごとに独自の不支給要件が定められています。
例えば、特定求職者雇用開発助成金では、雇用している被保険者を特定受給資格者となる理由で離職させた一定の事業主には助成金は支給されません(則110条2項)。
したがって、助成金の支給要件だけでなく、各助成金固有の不支給要件についても確認が必要です。
共通の不支給事由として押さえておきたいのは、次の5つです。
雇用調整助成金とは
などで仕事が減っても、解雇せずに雇用を維持した企業を支援する制度
つまり一言で
「解雇する代わりに休業などで雇用を守ったら助成する」
経済的理由で仕事が減っていること
さらに
まとめ
「売上減+雇用増やしてない」=本当に厳しい状態
次のいずれかを実施
賃金(休業手当など)を払っていること
ここが制度の核心
事前に
計画開始日から
ポイント
事後申請は基本NG(事前届出が必要)
次の記録が必要
なぜか
不正受給防止
① 売上減少(経営悪化)
↓
② 解雇せずに休業など実施
↓
③ 賃金を支払う
↓
④ 事前に計画届提出
↓
⑤ 書類で証明
↓
助成金支給
「売上10%減」は必須
雇用を増やしているとNG
賃金支払いが必要
事前届出が必要
「売上減の中、解雇せず休業等で雇用維持し、事前届出・賃金支払をした事業主に支給」
| 出向対象被保険者について次のいずれにも該当する出向をさせ、あらかじめ出向先事業主と締結した出向に関する契約に基づき、出向をした者の賃金についてその一部(全部を除く)を負担した出向元事業主であること。 | |
|---|---|
| 1 | 当該出向をした日が対象期間内(1年間)にあること。 |
| 2 | 出向先事業主が行う事業に当該出向をした者が最初に従事する出向先事業所における当該従事する期間が3か月以上の期間であり、出向をした日から起算して1年を経過する日までの間に終了し、当該出向の終了後出向元事業主の当該出向に係る出向元事業所に復帰するものであること。 |
| 3 | 出向期間における通常賃金の額が、おおむねその者の出向前における通常賃金の額に相当する額であること。 |
| 4 | 出向の時期、出向の対象となる労働者の範囲その他出向の実施に関する事項について、あらかじめ出向元事業主と当該出向元事業主の当該出向に係る事業所の労働組合などとの間に労使協定がなされ、当該協定の定めるところによって行われるものであること。 |
| 5 | 出向をした者の同意を得たものであること。 |
出向に係る雇用調整助成金は、事業主が、その被保険者を出向させた場合(雇用調整助成金または通年雇用助成金が支給される場合に限る)において、当該出向の終了後に当該被保険者を再度出向させるときは、当該再度の出向に関しては、支給されません。
ただし、当該再度の出向をさせた日の前日が、当該出向の終了の日の翌日から起算して「6か月」を経過した日以後の日である場合には、支給されます。(則102条の3第5項)
「出向先事業主」が、出向労働者の出向開始日の前の日から起算して「6か月前の日から1年を経過した日」までの間において、当該出向者の受入れに際し、その雇用する被保険者を事業主都合により離職させた事業主以外であることも要件とされています。(雇用関係助成金支給要領)
「教育訓練を行い、賃金を支払った」場合も、支給対象となります。
雇用調整助成金では、景気の悪化などにより事業活動を縮小した企業が、労働者を解雇する代わりに他社へ出向させて雇用を維持した場合にも助成金の支給対象となります。
助成金の対象となる出向には、次のすべての要件を満たす必要があります。(則102条の3第1項2号ロ、雇用関係助成金支給要領)
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 対象期間内の出向 | 出向開始日が対象期間(1年間)内であること。 |
| ② 出向期間 | 出向期間が3か月以上で、出向開始日から1年以内に終了し、終了後は出向元へ復帰する予定であること。 |
| ③ 賃金水準 | 出向中の賃金がおおむね出向前と同程度であること。 |
| ④ 労使協定 | 出向の時期、対象者、賃金などについて、あらかじめ労使協定が締結されていること。 |
| ⑤ 本人の同意 | 出向する労働者本人の同意を得ていること。 |
出向には、次の2種類があります。
| 種類 | 内容 |
| 在籍出向 | 出向元の従業員としての地位を維持したまま、出向先で勤務すること。 |
| 移籍出向 | 一旦出向元を退職し、出向先へ移るものの、将来出向元へ復帰することを前提としている出向。 |
次のような出向は、雇用調整助成金の対象となりません。
資本・経済・組織面で独立性が認められない企業間の出向は、実質的には配置転換と考えられるため、支給対象外です。
互いに出向労働者を交換し合うような出向は認められません。
出向元または出向先のいずれか一方が賃金を全額負担する場合は、助成金の対象となりません。
同じ労働者について出向終了後に再度出向させる場合は、原則として助成金は支給されません。
ただし、前回の出向終了日の翌日から6か月以上経過した後に再度出向させる場合は、支給対象となります(則102条の3第5項)。
出向先事業主が、出向開始日前6か月から出向開始後1年までの間に、事業主都合による離職を発生させている場合は、原則として支給対象となりません。
雇用調整助成金では、出向だけでなく、休業や教育訓練を実施し、所定の賃金を支払った場合も支給対象となります。
つまり、雇用を維持する方法として、
の3つが支給対象となっています。
次のポイントがよく問われます。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金とは、就職が特に困難な求職者を継続して雇い入れた事業主に対して支給される助成金です。
高年齢者、障害者、生活保護受給者、就職氷河期世代などの雇用を促進することを目的としています。
この助成金には、次の5つのコースがあります。(則110条1項、則附則15条の5第1項)
| コース | 対象となる事業主 |
|---|---|
| 特定就職困難者コース | 高年齢者や障害者など、就職が特に困難な人を、ハローワークまたは民間職業紹介事業者等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主 |
| 生活保護受給者等雇用開発コース | 就労支援を受けている生活保護受給者等を、ハローワークまたは民間職業紹介事業者等の紹介により雇い入れた事業主 |
| 中高年層安定雇用支援コース | 正規雇用の機会に恵まれなかった中高年層を、正規雇用労働者(短時間労働者を除く)として雇い入れた事業主 |
| 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース | 発達障害者または難治性疾患患者を継続雇用する労働者として雇い入れた事業主 |
| 成長分野等人材確保・育成コース(当分の間) | 就職困難者をデジタル・グリーン分野へ雇い入れ、または未経験者を育成し賃金を引き上げた事業主 |
主な対象者は次のとおりです。
主な対象者は、次のすべてに該当する者です。
いわゆる就職氷河期世代など、正規雇用の機会に恵まれなかった中高年層が主な対象となります。
対象者は次のとおりです。
対象となる事業主は、次のいずれかに該当します。
特定求職者雇用開発助成金は、就職が困難な人の雇用を促進するための助成金です。
そのため、多くのコースで共通して、
が支給要件となっています。
| コース | キーワード |
| 特定就職困難者コース | 高年齢者・障害者 |
| 生活保護受給者等コース | 生活保護受給者 |
| 中高年層安定雇用支援コース | 就職氷河期世代・35~59歳 |
| 発達障害者・難治性疾患患者コース | 発達障害・難病 |
| 成長分野等人材確保・育成コース | デジタル・グリーン・人材育成 |
まずは「誰を雇い入れた場合の助成金か」を押さえると、各コースの違いを整理しやすくなります。
能力開発事業
事業主による職業訓練への助成や、公共職業訓練の実施、キャリア形成の支援などを通じて、労働者が能力を高め、安定した職業生活を送れるよう支援することを目的としています。(法63条1項)
能力開発事業には、次の9つの事業があります。
| 事業 | 内容 | 主な制度・助成金 |
|---|---|---|
| ① 職業訓練への助成 | 事業主等が実施する職業訓練を支援する。 | 広域団体認定訓練助成金、認定訓練助成事業費補助金、人材開発支援助成金 |
| ② 公共職業能力開発施設の設置・運営 | 公共職業能力開発施設や職業能力開発総合大学校を設置・運営する。 | 公共職業能力開発施設、職業能力開発総合大学校 |
| ③ 職業講習等の実施 | 求職者や退職予定者に対し、再就職に必要な知識・技能を習得させる。 | 職場適応訓練、介護労働講習 |
| ④ 有給教育訓練休暇への助成 | 有給教育訓練休暇を導入する事業主を支援する。 | 人材開発支援助成金 |
| ⑤ 労働者への職業訓練支援 | 労働者への職業訓練や、事業主が行う職業訓練を支援する。 | 人材開発支援助成金 |
| ⑥ キャリアコンサルティングの推進 | 労働者のキャリア形成を支援する。 | キャリアコンサルティング |
| ⑦ 技能検定の実施支援 | 技能検定の実施や運営を支援する。 | 中央職業能力開発協会費補助金、指定試験機関費補助金など |
| ⑧ 高年齢者能力開発事業 | 地域における高年齢者の能力開発を推進する。 | 同意地域高年齢者就業機会確保計画に係る事業 |
| ⑨ その他の能力開発事業 | 労働者の能力開発・能力向上のために必要な事業を行う。 | 人材開発支援助成金 |
中小企業事業主の団体やその連合団体が実施する認定職業訓練を支援するための助成金です。(則122条)
都道府県が、認定職業訓練を実施する事業主等に対して助成や援助を行う場合、その経費の一部を国が補助する制度です。(則123条)
受給資格者、高年齢受給資格者または特例受給資格者のうち、公共職業安定所長が再就職のために必要と認めた者を対象に実施される訓練です。(則130条)
介護労働者または介護労働者になろうとする者を対象に、介護に必要な知識や技能を習得させるための講習です。(則131条)
能力開発事業は、大きく分けると次の3つに整理できます。
また、**「人材開発支援助成金」**は、
など、複数の事業で活用される代表的な助成金です。
特に、次の制度は頻出です。
助成金(雇用保険二事業)整理
| 助成金名 | 雇用保険二事業 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 | 雇用安定事業 | 非正規雇用労働者 | 正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対する助成 |
| 人材開発支援助成金 | 能力開発事業 | おもに正規雇用労働者 | 労働者に訓練を実施した事業主に対する訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等の助成 |
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