在留資格「技術・人文知識・国際業務」のよくある質問
卒業後の就労・転職・退職・副業・複数の会社で働く場合の手続きを解説

 

Q.学校の卒業から入社日まで期間があります。アルバイトはできますか?

 

卒業して教育機関への在籍が終了した後は、留学中に取得した資格外活動許可で、そのままアルバイトを続けることはできません。

在留カードの有効期限が残っていても、留学生としての資格外活動が認められる条件を満たしている必要があります。

就職先が内定しており、入社まで期間がある場合は、一定の要件を満たすことで、内定後の就職までの滞在を目的とした「特定活動」への変更が認められます。

この「特定活動」への変更後、別途、資格外活動許可を受ければ、原則として週28時間以内のアルバイトが可能です。内定先でのインターンシップなどについては、個別の許可により週28時間を超える活動が認められる場合もあります。

Q.「留学」から「技人国」への変更申請中です。入社日になったら働き始めてもよいですか?

 

変更申請を提出しただけでは、技人国としての就労を開始できません。

入社予定日を迎えても、在留資格変更の許可を受けるまでは、現在の在留資格と資格外活動許可で認められる範囲を超えて働くことはできません。卒業後に、留学中の資格外活動許可を使って勤務を始めることもできません。

企業側も、採用予定者の変更許可と新しい在留カードを確認したうえで、就労開始日を調整してください。入管庁は、4月からの就労を希望する留学生について、原則として前年12月1日から1月末までの申請を案内しています。

なお、就職が内定した場合の特例については ⇒ 特定活動 就職内定者

 Q.自己都合で退職しました。すぐに帰国しなければなりませんか?

 

退職したことだけで、直ちに在留資格が失効するわけではありません。

まず、退職によって契約が終了した日から14日以内に、入管庁へ「所属(契約)機関に関する届出」を行ってください。

技人国の活動を継続して3か月以上行っていない場合は、正当な理由がなければ在留資格の取消しの対象となります。ただし、具体的な再就職活動を行っている場合などは、個別の事情により正当な理由が認められることがあります。3か月が経過すると自動的に取り消される、という制度ではありません。

求人への応募記録、面接の案内、ハローワークの相談記録など、就職活動を継続していることが分かる資料を保管しておきましょう。

 

在留期限が近づいても再就職先が決まらない場合

就職活動中であっても、在留期限が自動的に延長されるわけではありません。

実務上、自己都合の退職の場合でも、就職活動を確実に行っていることを証する文書を提出したときは、「短期滞在」への在留資格変更が認められる場合があります。

ただし、申請すれば必ず認められるものではなく、就職活動の実態や在留状況などにより個別に判断されます。また、「短期滞在」への変更によって、アルバイト等の就労が認められるわけではありません。 在留期限を迎える前に、今後の手続きを確認してください。

Q.会社から解雇・雇止めになった場合は、どうすればよいですか?

 

会社都合による解雇・雇止めの場合は、再就職に向けた就職活動を続けるための在留上の取扱いがあります。

まず、契約が終了した日から14日以内に、「所属(契約)機関に関する届出」を行ってください。解雇通知書、退職証明書など、会社都合による離職であることを説明できる資料も保管しておきましょう。

① 現在の在留期限まで

会社都合で解雇され、再就職に向けて就職活動を行う場合は、現在の在留資格のまま、在留期限まで在留することができます。

また、就職活動中の生活費を補うため、資格外活動許可を受けることにより、アルバイトが認められる場合があります。 許可を受ける前に働き始めることはできません。

※この会社都合の離職者に対する取扱いは、自己都合による退職にはそのまま適用されません。

② 現在の在留期限後も就職活動を続けたい場合

在留期限後も日本で就職活動を続けることを希望する場合は、在留期限までに申請し、一定の要件を満たすことで、就職活動を目的とした「特定活動」への変更が認められる場合があります。

この解雇等の場合の「特定活動」の在留期間は「6月」であり、在留期間の更新は許可されません。

また、「特定活動」への変更後も、別途、資格外活動許可を受けることで、アルバイトが認められる場合があります。

※大学等を卒業した留学生の継続就職活動を目的とする「特定活動」とは、取扱いが異なります。

 

出典:名古屋出入国在留管理局「就労資格で在留する方へ 退職後の在留資格について」
在留期間・更新の取扱い:審査要領 第12編第2章第1節第8

Q.転職したり、職種が変わったりすると、在留資格変更が必要ですか?

 

転職後の活動も技人国に該当する場合は、原則として在留資格変更許可申請は不要です。

「技術」「人文知識」「国際業務」は、別々の在留資格ではなく、一つの在留資格です。そのため、例えばシステムエンジニアから企業内の法務担当者に転職する場合でも、新しい活動が技人国に該当すれば、職種の変更だけを理由に在留資格変更が必要になるわけではありません。

ただし、「技人国を持っているから、どの専門職でも問題なく働ける」ということではありません。新しい業務の内容に加え、本人の学歴・専攻・職歴等との関係や、報酬などの許可基準を確認する必要があります。

また、転職に伴う従前の契約の終了と、新たな契約の締結については、それぞれ14日以内の届出が必要です。

Q.複数の会社で働くことはできますか?資格外活動許可は必要ですか?

 

それぞれの会社で行う活動が技人国に該当する場合は、複数の会社で働くことができ、資格外活動許可は不要です。

入管庁のQ&Aでは、技人国の活動の基礎となる契約について、契約先が複数でもよいことを前提としています。また、ダブルワークによって所属機関が2か所以上になる場合の届出方法も案内しています。⇒ Q15 現在働いている会社で働きながら、別の会社でも長期間働くことになりました。届出は必要ですか。

例えば、次のような働き方が考えられます。

働き方の例 資格外活動許可
A社でシステム開発を行い、B社でもシステム開発を行う 両方の活動が技人国に該当すれば不要
A社で海外取引業務を行い、B社で翻訳・通訳を行う 両方の活動が技人国に該当すれば不要
A社に雇用されながら、B社から継続的に専門業務を受託する 契約内容を含め、両方の活動が技人国に該当すれば不要

資格外活動許可は、現在の在留資格に属さない有償活動等を行う場合に必要となる許可です。「副業である」「別の会社から報酬を受け取る」という理由だけでは、資格外活動にはなりません。

資格外活動許可の要否と、届出の要否は分けて確認してください。

Q.業務委託やフリーランスでも働けますか?

 

 

雇用契約以外でも、技人国に該当する活動を行うことは可能です。

入管庁は、技人国の「契約」には、雇用契約のほか、委任・委託・嘱託等の契約も含まれると説明しています。ただし、特定の機関との継続的な契約に基づき、活動を続ける見込みがあることが必要です。

業務委託やフリーランスの場合は、契約書などにより、次の事項を明確にしておくことが大切です。

  • 契約相手と、具体的な業務内容

  • 契約期間や更新の条件

  • 報酬額と支払条件

  • 継続的に業務を行う見込み

なお、技人国には「本邦の公私の機関との契約」という要件があります。日本に事務所・事業所等を有する外国法人や個人事業者も対象になり得ますが、日本に拠点のない外国企業との直接契約については、専門業務であることだけで技人国の範囲内と判断することはできません。

Q.どのような副業で資格外活動許可が必要になりますか?

 

現在の技人国に属さない有償活動等を追加で行う場合は、原則として事前の資格外活動許可が必要です。

例えば、技人国で企業に勤務する方が、別途「教授」や「教育」など、他の在留資格に該当する有償活動を行う場合は、資格外活動許可の検討が必要になります。

ただし、資格外活動許可には、本来の活動を妨げないことなどの要件があります。飲食店のホール業務や工場の単純作業などについて、申請すれば自由にアルバイトができる制度ではありません。

また、技人国の範囲内で行う副業には、留学生等の包括的資格外活動許可で知られる「週28時間以内」という制限が、そのまま適用されるわけではありません。雇用契約による兼業では、別途、勤務先の就業規則や労働時間の通算等の確認が必要です。

Q.転職先や副業先の仕事が認められるか、事前に確認できますか?

 

就労資格証明書交付申請により、現在の在留資格で行うことのできる就労活動を確認できます。

就労資格証明書は、外国人本人が希望する場合に申請する証明書です。転職や副業の際に必ず取得しなければならないものではありませんが、業務内容が変わる場合や、複数の契約に基づいて働く場合など、該当性の判断に迷うときに役立ちます。

当法人では、契約書、職務内容、学歴・職歴などを確認し、在留資格変更や資格外活動許可の要否、就労資格証明書の申請、所属機関に関する届出をご案内しています。

転職・副業・複数就労をご検討の方、外国人の採用を予定している企業のご担当者様は、ソリューション行政書士法人へご相談ください。

Q.「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、会社の経営や管理を行うことはできますか?

 

 

原則として、「経営・管理」に該当する活動を、技人国の在留資格だけで行うことはできません。

企業の経営・管理には、自然科学や人文科学の専門知識を必要とする業務が含まれるため、技人国の対象となる業務と内容が重なることがあります。

しかし、入管法別表第一の二の表では、技人国で行うことができる活動から、在留資格「経営・管理」に該当する活動を除外しています。したがって、専門知識を使う業務であっても、活動の実態が事業の経営・管理に該当する場合は、原則として「経営・管理」への在留資格変更が必要です。

 

① 勤務先での昇進により、経営者や管理者になった場合

技人国で勤務していた外国人が、昇進等により同じ企業の経営者や管理者となった場合は、直ちに「経営・管理」へ変更することまでは求められていません。

この場合は、現在の技人国の在留期限の満了に合わせて、「経営・管理」への変更を行う取扱いが認められています。期限を迎える前に、変更許可申請の準備を進めてください。

なお、「課長」「部長」などの役職に就いたことだけで、必ず「経営・管理」への変更が必要になるわけではありません。役職名だけでなく、実際の職務内容や権限、事業運営への関与などから判断します。

 

② 自ら起業し、経営を行う場合

自ら起業して「経営・管理」に該当する活動を主として行う場合は、同じ企業内での昇進とは区別して考える必要があります。

現在の技人国の在留期限まで待つのではなく、事業計画や活動内容に応じて、速やかに「経営・管理」への変更手続きを進めてください。申請しただけで経営活動が認められるわけではないため、本格的な経営活動の開始時期は、変更許可を踏まえて調整する必要があります。

ただし、個人事業主として企業から翻訳・システム開発等を受託する場合など、活動の実態が技人国に該当するケースもあります。「開業した」「業務委託で働く」という形式だけで判断せず、契約内容と実際の活動を確認することが大切です。

 

参考資料

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