暫定任意適用事業の保険関係の消滅(労災保険の場合)

暫定任意適用事業の労災保険関係を消滅させるには、事業廃止時に所轄都道府県労働局長の認可を得て消滅申請を行う方法と、事業主の意思で消滅させる方法があります。いずれの場合も、保険関係が成立してから1年以上経過していることや、労働者の過半数の同意を得ていることが主な申請要件となります。 

目 次

  1. 保険関係の消滅(任意脱退)
  2. 任意脱退の要件

保険関係の消滅(任意脱退)

保険関係が成立している労災保険暫定任意適用事業の事業主については、法5条の規定によるほか、その者が当該保険関係の消滅の申請をし、厚生労働大臣都道府県労働局長に委任の認可があった日の翌日に、その事業についての当該保険関係が消滅する。(整備法8条1項、整備省令3条の2)

  • 保険関係の消滅に同意しなかった者も含めて保険関係は消滅します

任意脱退の要件

労災保険暫定任意適用事業の事業主が当該保険関係の消滅の申請をするためには、次の要件に該当していなければならない。(整備法8条2項)

1 当該事業に使用される労働者の過半数の同意を得ること。 労働者の同意を得たことを証明することができる書類を添付する必要があります
(整備省令3条2項)
2 擬制任意適用事業以外の事業にあっては、保険関係が成立した後1年を経過していること。 1年要件労災保険暫定任意適用事業にのみ設けられています。「雇用保険暫定任意適用事業には設けられていません
3 労災保険暫定任意適用事業が労災保険に加入する前の業務上の傷病に関し、「労災保険の保険給付の特例(整備法18条1項他)」が行われている場合において、特別保険料を徴収される場合は、特別保険料の徴収期間を経過していること  

労災保険は保険給付の特例として暫定任意適用事業において、「保険関係成立前に発生した給付事案に対して事業主の申請により保険事故発生前に保険関係が発生したものとみなして保険給付を行う制度整備法18条及び18条の2により定められています労災保険に加入する前においても、特例により保険給付が行われることがあるということです)。
 さらに整備法19条は当該制度の実施に伴い省令で定める期間療養補償給付・休業補償給付などについては支給全期間障害・傷病年金などの年金給付ついては13年間において当該事業主から労働保険料の他に特別に別途保険料を徴収する制度が定められておりこれを特別保険料といいます
(徴収関係事務取扱手引Ⅰ)
この特別保険料の徴収期間を経過するまでは任意脱退をすることができません

 

整備法18条
1 政府は、当分の間、事業主の申請により、その者が労災保険に係る保険関係の成立前に発生した業務上の負傷又は疾病につき労働基準法第75条の療養補償を行っている労働者に関しても、当該負傷又は疾病が労災保険に係る保険関係の成立後に発生したものとみなして、労災保険法第3章第1節及び第2節の規定により、保険給付を行うことができる

整備法18条の2
1 政府は、当分の間、事業主の申請により、当該事業主の事業についての労災保険に係る保険関係の成立前に発生した雇用保険法等の一部を改正する法律(以下「令和2年改正法」という。)第2条の規定による改正後の労災保険法(以下「改正後労災保険法」という。)第7条第1項第2号に規定する複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする負傷又は疾病(令和2年改正法附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日以後に発生する負傷又は疾病に限る。)につき療養を必要とすると認められる複数事業労働者に関しても、当該負傷又は疾病が労災保険に係る保険関係の成立後に発生したものとみなして、改正後労災保険法第3章第1節及び第2節の2の規定により保険給付を行うことができる

整備法19条
1 政府は、第18条第1項若しくは第2項又は前条第1項若しくは第2項の規定により保険給付を行うこととなった場合には、厚生労働省令で定める期間、当該事業主から、労働保険料のほか、特別保険料を徴収する

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