一般保険料の算定の基礎となる「賃金総額」

一般保険料の算定の基礎となる「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額をいう。(法11条2項)

  • 賃金総額とは現実に支払った賃金額を意味するのではなくその保険年度の末日または保険関係が消滅した日までに支払いが確定した賃金をいいます
    (昭和24年10月5日基災収5178号)
  • 日雇労働被保険者に対する賃金も一般保険料の算定の基礎となる賃金総額に含まれます

目 次

  1. 賃金総額
  2. 各法律における「現物給与」「祝金等」
  3. 退職金

賃金総額

一般保険料の算定の基礎となる「賃金総額」に該当するかどうかについては、次の通りである。

賃金に該当する 賃金に該当しない
  •  休業手当
  •  会社が負担する労働保険料や社会保険料の被保険者負担分の負担額
    • 社会保険料所得税等の労働者負担分を、労働協約等の定めにより事業主が負担した場合、その労働者負担分に相当する額
  •  年次有給休暇日の給与
  •  住宅手当 
  •  通勤手当通勤定期券
  •  日直宿直手当
  •  単身赴任手当
  •  労働基準法の規定に基づく休業補償は、平均賃金の100分の60を超えて事業主から支給される額を含め、賃金総額の算定基礎となる賃金には該当しない
    • 休業補償は労基法第76条で平均賃金の100分の60と限定されているが、これは法1条の規定により最低の基準と考えるべきで、事業場で休業補償として平均賃金の100分の60を超える制度を設けている場合は、その全額を休業補償と見るべきである。(昭和25年12月27日基収3432号)

  •  傷病手当金
  •  傷病手当金に付加して支給される給付額
  •  チップ集計後再配分されたものを除く
  •  解雇予告手当
  •  任意的なもの恩恵的なもの実費弁償的なもの
    • 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金及び災害見舞金については、支給事由が明確な場合であっても、賃金総額の算定基礎となる賃金には該当しない。(昭和25年2月16日基発127号)

  •  会社が負担する生命保険の掛金
  •  会社が負担する財産形成貯蓄などのための奨励金
  •  実費相当額が賃金から徴収される場合の食事の利益
  •  作業衣の支給費用
    (現物給与に代えて被服費相当額が現金で支給される場合を含む)
  •  住居の利益均衡手当が支給されない場合

退職金

退職金原則として支給要件が明確な場合であっても賃金総額には算入されません

退職時に支払われるもの 賃金総額に算入しない 退職を事由として支払われる退職金であって、退職時に支払われるものまたは事業主の都合などにより退職前に一時金として支払われるものについては、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入しない
(平成15年10月1日基徴発1001001号)
事業主の都合などにより退職前に一時金として支払われるもの
前払退職金 賃金総額に算入 労働者の在職中に、退職金相当額の全部または一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合には、労働の対償としての性格が明確であり、労働者の通常の生計に充てられる経常的な収入としての意義を有することから、賃金総額の算定基礎となる賃金に該当する。(平成15年10月1日基徴発1001001号)

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