健康保険法
療養担当者

健康保険法における療養担当者とは、健康保険の診療または調剤に従事する保険医(医師、歯科医師)および保険薬剤師を指します。

 

まずは次の表を暗記すると整理しやすいです。

区分 利用者 開放性
保険医療機関 全被保険者 開放型
保険者指定病院 特定保険者のみ 閉鎖型
組合直営病院 組合員のみ 閉鎖型

頻出ポイントは次の4つです。

  1. 保険医療機関は患者を選べない
  2. 自由選択主義だが実際は制限的自由選択主義
  3. 病院=20床以上、診療所=19床以下
  4. 組合直営病院は原則として一部負担金を徴収しない

 

特に「保険医療機関は一部の保険者の被保険者だけを診療できない」という論点は重要ポイントです。

 

目 次

  1. 保険医療機関または保険薬局
  2. 保険医療機関と診療対象、一部負担金について

保険医療機関または保険薬局

健康保険では、被保険者が療養の給付を受けるためには、

「自己の選定する保険医療機関等」

で受診することが原則です(法63条3項)。

この「自己の選定する」という表現から、健康保険制度は自由選択主義を採用していると説明されます。

もっとも、すべての医療機関を自由に選べるわけではないため、実際には

制限的自由選択主義

と理解するのが正確です。


保険医療機関等の3類型

試験ではまずこの3つを区別することが重要です。

区分 内容 利用対象
保険医療機関・保険薬局 厚生労働大臣の指定を受けた病院・診療所・薬局 すべての被保険者
保険者指定病院等(事業主医局) 特定保険者の被保険者向け施設 特定保険者の被保険者
組合直営病院等 健康保険組合が自ら開設 当該組合の被保険者

 

 

保険医療機関と診療対象、一部負担金について

 

① 保険医療機関・保険薬局

 

定義

厚生労働大臣の指定を受けた

  • 病院
  • 診療所
  • 薬局

です。

一般的な病院やクリニックのほとんどがこれに該当します。


特徴

最大の特徴は

患者を選べない

ことです。

つまり、

  • 協会けんぽ
  • 健保組合
  • 共済組合

などの区別なく、

すべての被保険者・被扶養者を診療しなければなりません。

重要

保険医療機関は

「一部の保険者の被保険者だけを診療する」

ことはできません。

例えば、

「A社の社員だけ診察します」

という保険医療機関は認められません。

昭和32年通達でも明示されています。


② 保険者指定病院等(事業主医局)

 

定義

特定の保険者の被保険者を対象に診療を行う病院・診療所・薬局で、

その保険者が指定したものです。


イメージ

昔の大企業にあった

○○会社診療所

のようなものです。


利用者

利用できるのは

  • 従業員
  • 被扶養者

などに限定されます。


性格

保険医療機関が「開放型」なのに対し、

事業主医局は

「閉鎖型」

です。

一部負担金

通常は徴収します。

ただし、

保険者の規約によって

  • 減額
  • 免除

が可能です。


③ 組合直営病院等

 

定義

健康保険組合が自ら開設する

  • 病院
  • 診療所
  • 薬局

です。


イメージ

  • ○○健康保険組合病院

など


利用対象

その健康保険組合の

  • 被保険者
  • 被扶養者

に限定されます。


一部負担金

原則として

徴収しません

(保険者が自ら療養の給付を行うため)。

ただし、

規約によって徴収することも可能です。


一部負担金の整理

試験ではよく比較されます。

医療機関 一部負担金
保険医療機関 ○徴収
保険者指定病院 ○徴収(減免可)
組合直営病院 ×徴収しない(規約で徴収可)

病院と診療所の違い

数字が頻出です。

 

病院

20床以上

の病床を有する施設


診療所

  • 病床なし
  • 19床以下

の施設


覚え方

20床以上=病院

19床以下=診療所


特定機能病院・地域医療支援病院・臨床研究中核病院

健康保険法では頻繁に登場します。


特定機能病院

キーワード

  • 高度医療
  • 研究
  • 研修

  • 大学病院
  • がんセンター

など

 

病床数

400床以上

 

関連論点

紹介状なし受診時の選定療養


地域医療支援病院

キーワード

  • 紹介患者中心
  • 地域連携
  • 医療機器共同利用

 

病床数

200床以上

 

関連論点

紹介状なし受診時の選定療養


臨床研究中核病院

キーワード

  • 臨床研究
  • 患者申出療養

 

病床数

400床以上

 

代表例

  • 東大病院
  • 国立がん研究センター

など


保険医療機関でない病院との違い

美容整形や一部の自由診療専門クリニックは、

そもそも

保険医療機関の指定を受けていない

ことがあります。

この場合、

健康保険による療養の給付は行われず、

全額自己負担になります。

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