健康保険法
指定の拒否

厚生労働大臣は、保険医療機関または保険薬局の申請があった場合において、その指定をしないことができる。(法65条3項)

 

目 次

  1. 指定の拒否
  2. 指定拒否の手続
給付担当機関 

保険医療機関または保険薬局の指定・指定取消

 

① 指定の基本構造

まずスタートはここです。

申請主義

  • 病院・診療所・薬局の開設者の申請によって指定される(法65条1項)

つまり:
勝手に指定されることはない


② 誰が指定するのか

厚生労働大臣

(実務上は地方厚生局長に委任されているが、試験上は「大臣」でOK)


③ 諮問が必要(超重要)

指定・取消のどちらも:

地方社会保険医療協議会に諮問する

これが最重要ポイントです。


④ なぜ地方の協議会なのか

理由は:

個別の医療機関の適否を判断する必要があるため

  • 設備は適切か
  • 運営に問題はないか
  • 不正はないか

地域事情を踏まえた判断が必要


⑤ 指定取消の場合(手続)

ここは行政法との横断ポイント。

聴聞が必要(行政手続法13条)

理由:

  • 不利益処分だから

⑥ 「指定」と「取消」の共通点

両方とも

  • 地方社会保険医療協議会に諮問する

⑦ 他の審議会との違い(整理が超重要)

 

■ 地方社会保険医療協議会

個別案件(ローカル)

  • 指定・取消
  • 登録取消など

■ 中央社会保険医療協議会(中医協)

医療制度の中身(全国一律)

  • 診療報酬
  • 療養の給付の内容
  • 医療のルール

■ 社会保障審議会

制度の大枠(政策レベル)

  • 保険料率
  • 制度改正

⑧ イメージで覚える

  • 地方社保医療協議会 → 個別の病院を見る
  • 中医協 → 医療のルールを決める
  • 社会保障審議会 → 制度全体を考える

⑨ まとめ

この論点の鉄板ポイント:

  • 指定は申請主義
  • 指定・取消ともに地方社会保険医療協議会に諮問
  • 取消は聴聞が必要

⑩ 一言でまとめ

指定・取消は「個別判断」だから地方協議会+取消は聴聞付き

 

保険医療機関または保険薬局の指定は、病院若しくは診療所または薬局開設者の申請により行われる。(法65条1項)

厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするときは、地方社会保険医療協議会に諮問するものとする。(法82条2項)

  • なお、「指定の取消が行われる場合には行政手続法に基づいて聴聞の手続が執られます
    (行政手続法13条1項イ)
諮問機関 役割
社会保障審議会
  1. 標準報酬月額等級の弾力的調整に係る政令の制定又は改定
  2. 厚生労働大臣による都道府県単位保険料率の変更
制度の根幹に係る事項
中央社会保険医療協議会
  1. 保険医又は保険薬剤師の責務に関する定め(法72条1項)、保険医療機関又は保険薬局の責務に関する定め(法70条1項・3項)
  2. 評価療養又は選定療養の定め
  3. 療養の給付に要する費用の算定方法に関する定め
  4. 指定訪問看護の事業の運営に関する基準 など

医療全体に係る事項

(全国一律の事項)

地方社会保険医療協議会
  1. 保険医療機関・保険薬局指定及び指定の取消し
  2. 保険医療機関・保険薬局指定の拒否
  3. 保険医・保険薬剤師の登録の取消し
  4. 保険医・保険薬剤師の登録の拒否

地方の判断が要求される事項

(個別の医療機関・医師に関する事項)

指定の拒否

 

厚生労働大臣は、保険医療機関または保険薬局の申請があった場合において、次のいずれかに該当するときは、その指定をしないことができる。(法65条3項

 

1 取消し歴 当該申請に係る病院若しくは診療所または薬局が、健康保険法の規定により保険医療機関または保険薬局に係る指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるとき。
2 重ねての指導歴 当該申請に係る病院若しくは診療所または薬局が、保険給付に関し診療または調剤の内容の適切さを欠くおそれがあるとして重ねて厚生労働大臣の指導を受けたものであるとき。
3 保険医療関係法における罰金歴 当該申請に係る病院若しくは診療所または薬局の開設者または管理者が、健康保険法その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わりまたは執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
4 重大な罰則歴 当該申請に係る病院若しくは診療所または薬局の開設者または管理者が、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わりまたは執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
5 社会保険料の滞納歴 当該申請に係る病院若しくは診療所または薬局の開設者または管理者が、社会保険各法の定めるところにより納付義務を負う社会保険料について、当該申請をした日の前日までに、滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から正当な理由なく3か月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料のすべてを引き続き滞納している者であるとき。
6 その他 前各号のほか、当該申請に係る病院若しくは診療所または薬局が、保険医療機関または保険薬局として著しく不適当と認められるものであるとき。
  • 1.については、「安田病院事件という悪質な不正請求事件により2年から5年に延長された経緯があります他法における指定制度の中でも最も厳しい規定になっています
  • 罰金刑で指定拒否を受ける上記3.のは、「健康保険法その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定による場合です他の法律における罰金刑を理由に指定拒否されることはありません

 

厚生労働大臣は、保険医療機関または保険薬局指定または指定訪問看護事業者指定に関し必要があると認めるときは、当該指定に係る開設者若しくは管理者または申請者社会保険料の納付状況につき、当該社会保険料を徴収する者に対し必要な書類の閲覧または資料の提供を求めることができる。(法199条2項)

 

厚生労働大臣は、病院または診療所について保険医療機関または保険薬局の指定の申請があった場合において、次のいずれかに該当するときは、その申請に係る病床の全部または一部を除いて、指定を行うことができる。(法65条4項

1 人員配置の不備 当該病院又は診療所の医師、歯科医師、看護師その他の従業者の人員が、医療法に規定する厚生労働省令で定める員数及び厚生労働省令で定める基準を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した員数を満たしていないとき。
2 地域における病床過剰 当該申請に係る病床の種別に応じ、医療法に規定する地域における保険医療機関の病床数が、その指定により医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合(その数を既に超えている場合を含む)であって、当該病院又は診療所の開設者又は管理者が都道府県知事の勧告を受けこれに従わないとき。
3 構想区域における病床過剰 医療法に規定する構想区域における保険医療機関の病床数が、当該申請に係る指定により医療計画において定める将来の病床数の必要量を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合(その数を既に超えている場合を含む)であって、当該病院又は診療所の開設者又は管理者が都道府県知事の勧告を受けこれに従わないとき。
4 その他不適当事由 その他適正な医療の効率的な提供を図る観点から、当該病院又は診療所の病床の利用に関し、保険医療機関として著しく不適当なところがあると認められるとき。

施設全体に問題が及ぶ場合は、法65条3項(指定拒否)で指定を行わず、問題が一部病床に限られている場合には、法65条4項が適用されます。

指定拒否の手続

厚生労働大臣は、保険医療機関に係る指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む)を行おうとするとき、または保険薬局に係る指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。

(法67条)

  • 議を経なければならないとは、「議決に従わなければならないという意味です

 

厚生労働大臣は、保険医療機関に係る指定をしないこととするとき、若しくはその申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む)を行おうとするとき、若しくは保険薬局に係る指定をしないこととするとき、当該医療機関または薬局の開設者に対し、弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ書面で、弁明をすべき日時、場所及びその事由を通知しなければならない。(法83条)

指定の辞退

 

保険医療機関または保険薬局は、1か月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。(法79条1項)

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