国民年金法
老齢基礎年金 合算対象期間A

カラ期間(合算対象期間)が生まれた理由

昔の日本の年金制度は、最初から今のような統一制度ではありませんでした。

  • 会社員 → 厚生年金

  • 自営業 → 国民年金

  • 公務員 → 共済年金

というように、職業ごとに別々の制度でした。

そこで、後に老齢年金を受け取れるようにそれぞれの制度の加入期間をつなぎ合わせて計算する仕組みが作られました。

これを 通算年金制度 といいます。


しかし問題が起きた

当時、会社員の妻(専業主婦)国民年金への加入が任意(入っても入らなくてもよい)でした。

そのため多くの人が 加入していませんでした。


例えば次のような女性です。

  1. 若い頃に会社員として厚生年金に少しだけ加入

  2. 結婚して退職

  3. 専業主婦になり国民年金に入らない

この場合年金記録は若い頃の厚生年金の短い期間だけになります。

すると老齢年金の受給資格期間(当時は長い期間が必要)に届かず無年金(年金がもらえない)になってしまいます。


国の問題意識

日本は「国民皆年金(みんなが年金に入る)」を目標にしていました。

しかし専業主婦が無年金になる人が大量に出る可能性がありました。

これは制度として問題でした。


そこで作られた仕組み

そこで実際には加入していない期間でも

  • 年金額には入れない

  • しかし 受給資格期間には入れる

という仕組みを作りました。

これがカラ期間(合算対象期間)です。


カラ期間のイメージ

 

期間 扱い
厚生年金加入 年金額+資格期間
専業主婦(未加入) 資格期間だけカウント

こうすることで厚生年金の期間+専業主婦期間をつなげて年金を受け取れるようにしたという制度です。


まとめ

カラ期間とは

年金額には反映しないが受給資格期間には入れる期間

目的は

専業主婦などが無年金になるのを防ぐため

年代区分(旧法/新法)

  • 昭和36年4月1日(旧法開始)

  • 昭和61年4月1日(新法開始)

 

区分は次の3つです。

  1. 昭和36年4月1日前

  2. 昭和36年4月1日以後~昭和61年3月31日まで

  3. 昭和61年4月1日以後


合算対象期間(カラ期間)の整理(図のア〜ク)

① 昭和61年4月1日以後(新法)


② 昭和36年4月1日以後~昭和61年3月31日まで(旧法期間内)


③ 昭和36年4月1日前


 

 

まとめ(超短縮)

  • 新法(昭和61年4月~):第2号の「20歳未満・60歳以後」は 合算対象期間(ア)
  • 旧法(昭和36年~昭和61年3月):厚年の「20歳未満・60歳以後」(イ)+配偶者関係(カ・キ)+障害・遺族受給権者関係(ク)

  • 昭和36年より前:通算対象期間(ウ・エ・オ)

合算対象期間ア・イ

 

20歳前や60歳後に会社員だった期間はどう扱うか

 

  合算対象期間

昭和61年4月1日以後の第2号被保険者であった期間のうち、20歳未満及び60歳以後の期間(昭和60年附則8条4項)

厚生年金保険の被保険者であった期間(共済組合の組合員等であった期間を含む)のうち、20歳未満及び60歳以後の期間
(昭和60年附則8条5項6号)

国民年金では、原則として20歳~60歳の40年間(480月)が保険料を納める対象です。

しかし実際には

  • 20歳前に会社員だった

  • 60歳を過ぎても会社員として働いた

という人もいます。

このような期間は年金の受給資格(10年)を満たす計算には入れるが、年金額の計算には入れないという扱いになります。

これを 合算対象期間 といいます。

 


具体的にどんな期間か

 

① 20歳未満の会社員期間

  • 18歳で就職して厚生年金に加入

この期間は

  • 受給資格の期間には入る

  • 年金額の計算には入らない


② 60歳以後の会社員期間

  • 60歳を過ぎても会社で働いて厚生年金に加入

この期間も

  • 受給資格の期間には入る

  • 老齢基礎年金の額には影響しない


なぜこうするのか

老齢基礎年金は最大40年(480月)で計算されます。

もし

  • 20歳前

  • 60歳後

 

の期間まで年金額に入れると40年を超えてしまうので資格期間だけにカウントする仕組みになっています。

 


【ア】と【イ】の違い

実は内容は同じです。

区分 表現
第2号被保険者
厚生年金の被保険者(共済含む)

これは法律の時代の違いです。

昔の法律には「第2号被保険者」という言葉がなかったので代わりに厚生年金の被保険者と書いているだけです。

 


まとめ

20歳前+60歳後の厚生年金

合算対象期間

資格には入るが年金額には入らない

合算対象期間ウ・エ・オ

 

  合算対象期間

昭和36年4月1日前厚生年金保険及び船員保険の被保険者期間昭和36年4月1日以後に公的年金加入期間があり、かつ、昭和36年4月1日以後の被保険者期間とあわせて1年以上の場合に限る)(昭和60年附則8条5項3号、昭和61年措置令14条3項)

昭和36年4月1日前共済組合の組合員期間(昭和36年4月1日以後に引き続いている場合に限り、かつ、資格喪失日までの引き続く期間が1年以上の場合に限る)(昭和61年措置令14条3項、旧通則法4条・6条、旧通則法附則2条)

昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの間通算対象期間を有しない者が、昭和61年4月1日以後に保険料納付済期間または保険料免除期間を有するに至った場合におけるその者の厚生年金保険及び船員保険の被保険者期間のうち、昭和36年4月1日前の期間(昭和61年4月1日以後の被保険者期間とあわせて1年以上の場合に限る)(昭和60年附則8条5項4号、昭和61年措置令14条3項、旧通則法附則2条)
  • 旧国民年金法ができる前の厚生年金保険等の被保険者期間です。国民年金法ができる前の期間を保険料納付済期間に算入することはさすがにできないため、合算対象期間とします。ただし、この規定を適用して老齢基礎年金の受給権を取得する人は現在ほとんどいません。

合算対象期間カ・キ・ク

 

  合算対象期間(昭和60年附則8条5項1号)

厚生年金保険被保険者等の配偶者であったために国民年金の適用を除外されていた者が国民年金に任意加入しなかった期間
20歳以上60歳未満の期間

厚生年金保険等老齢給付等の受給権者の配偶者であったために国民年金の適用を除外されていた者が国民年金に任意加入しなかった期間20歳以上60歳未満の期間

厚生年金保険等の障害給付の受給権者及びその配偶者または遺族給付通算遺族年金を除くの受給権者であったために国民年金の適用を除外されていた者が国民年金に任意加入しなかった期間20歳以上60歳未満の期間
  • この期間が典型的な合算対象期間です。一言で言うと「国民年金に任意加入することができた期間で任意加入しなかった期間」のことです。専業主婦をイメージしてください。

登録支援/有料職業紹介のご相談はこちら

 

お問い合わせはこちらから

芸術家×起業家

 

お     一般社団法人芸商橋
 

               BusinessArtBridge

 

サイト内検索

サイドメニュー