国民年金法
障害基礎年金 併合認定、障害基礎年金の額

障害基礎年金の「併合認定」とは、2つ以上の障害がある場合にそれらを合わせて一つの等級として認定する仕組みです。

障害基礎年金の年額(新規裁定者)は、障害等級1級で1,039,625円2級で831,700円です。これらは定額で、子の加算がある場合は別途加算されます。 

 

 

3制度の違いを整理

項目 併合認定 職権改定 改定請求
原因 別の傷病による新たな障害 同じ障害の変化 同じ障害の悪化
手続 認定により行われる 厚生労働大臣 本人
古い受給権 消滅する 消滅しない 消滅しない
年金額 新たに一本化して決定 増額・減額 増額のみ
1年ルール なし なし あり(例外あり)
年齢制限 なし なし なし

  • 併合認定別の傷病が加わった場合に行われ、従前の受給権は消滅する。
  • 職権改定同じ障害の程度の変化について、厚生労働大臣が職権で年金額を改定する。
  • 改定請求同じ障害が悪化したときに本人が請求する制度で、原則として前回の認定・診査から1年経過後でなければ請求できません(明らかな増悪の場合を除く)。

目次

  1. 併合認定
  2. 障害基礎年金の額
  3. 子の加算額
  4. 厚生労働大臣による診査による場合(職権改定)
  5. 受給権者からの改定請求による場合

併合認定(法31条)

これは 「新しい障害が加わった」 場合です。

 

イメージ

最初 右眼失明  →  障害基礎年金2級

 ↓
その後 交通事故で左足切断 別の傷病による障害
 ↓
右眼失明 + 左足切断 を合わせて認定します。

これが併合認定


年金は2本もらえる?

もらえません。

例えば

2級(右眼) + 2級(左足)


であっても

2級+2級


を別々には受給できません。

あくまで 1つの障害として認定

 

そのため

従前の障害基礎年金の受給権は消滅

つまり

古い年金  →  消滅 新しい障害年金  →  新たに受給


になります。

年齢制限は?

ありません。

何歳でも併合認定されます。

障害基礎年金の額

 

■結論(まず全体像)

障害基礎年金の額は

① 基本額(2級)+② 等級による調整+③ 加算(子)


■条文ベースの構造

 

■ 【条文①】基本額(国民年金法33条1項)

まずここがスタートです

障害基礎年金の額は
78万900円 × 改定率


■ ポイント

  • 「780,900円」=基準額(満額のベース)
  • 改定率=毎年の調整(物価・賃金)

つまり

老齢基礎年金と同じ“満額ベース”


■等級による違い(条文33条2項)

 

▼ 2級(基準)

そのまま

780,900円 × 改定率


▼ 1級

条文

基準額の125%


■ まとめ

等級 金額
1級 2級の1.25倍
2級 基準額

■ 一言で

2級=満額、1級=1.25倍


子の加算(条文33条の2)

条文構造

子がいる場合
人数に応じて加算


▼ 実務金額(参考)

  • 第1・2子:各 約23万円
  • 第3子以降:約7.8万円

これは「生活保障強化」


■ ⑤ 重要:なぜこういう設計なのか

ここが本質です


■ 障害基礎年金の性格

生活保障(定額)


■ だから

  • 保険料の多寡で金額は変わらない
  • 等級だけで決まる

■ 老齢との違い

制度 決まり方
老齢基礎年金 納付月数で変動
障害基礎年金 等級で固定

■改定率の意味(条文4条系)

条文の趣旨

物価・賃金に応じて調整する


■ だから

毎年

  • 780,900円 → 実際の満額(80万~84万など)

に変わる


■最重要ポイント

① 基準は「780,900円」

② 1級=1.25倍

③ 子の加算あり

④ 納付実績は関係ない


■よくある誤り

❌ 納付期間が長いと増える

増えない(老齢と混同)


❌ 1級は2倍

1.25倍


❌ 金額は固定

改定率で毎年変動


■一言でまとめると

「障害基礎年金=満額ベース(2級)を基準に、1級は1.25倍+子で加算」

子の加算額

 

 

■ 子の加算の基本構造

子どもを扶養している障害基礎年金受給者に上乗せされるお金


■ 対象となる子

以下のどちらか

 

① 18歳到達後、最初の3月31日まで

(=高校卒業までのイメージ)

② 20歳未満で障害等級に該当


■ 「生計維持」要件

ざっくり

一緒に生活していて、収入が多すぎない

具体的には:

  • 年収850万円未満(所得655.5万円未満)

これ超えたら対象外


■ 加算額

※2026時点の水準

 

▼ 子の加算額(年額)

  • 第1子・第2子:各 234,800円
  • 第3子以降:各 78,300円

■ イメージ

  • 子1人 → +234,800円
  • 子2人 → +469,600円
  • 子3人 → +547,900円

3人目から急に下がるのが特徴


■ いつから付く?

 

▼ 原則

受給権発生時に子がいれば加算


▼ 改正(重要)

後から子が生まれてもOK

つまり

  • 途中で子どもができた
    → その時点から加算

■ よくあるパターン

 

▼ ケース①

最初:子1人
→ 後から第2子誕生

第2子も加算される

 

 参照 老齢厚生年金 加給年金 受給権取得時で固定 なお、配偶者に特別加算がつく(夫が若いと金額が高い)


■ 注意点

 

① 配偶者にはつかない

❌ 障害基礎年金 → 配偶者加算なし
障害厚生年金 → 配偶者加算あり


② 20歳前傷病でもつく

ちゃんと加算される


③ 所得制限との関係(重要)

子の加算は守られる(2026改正)


■ まとめ

 

① 子の対象は「18歳年度末」or「障害なら20歳未満」

② 第1・2子:234,800円

  第3子以降:78,300円

③ 後から生まれても加算OK

④ 配偶者加算はない


■ 一言でいうと

「子どもを養ってる人への生活補助」

障害の程度が変わった場合の年金額の改定

厚生労働大臣による診査による場合(職権改定)(法34条1項)

こちらは 新しい障害ではありません。

同じ障害が

重くなったり

軽くなったりした場合です。

 

例えば

精神障害

2級 だった人が

数年後 1級相当 になった。

 

あるいは

1級 だった人が

数年後 2級相当 になった。

 

ケースです。


誰が行う?

厚生労働大臣です。

本人が請求しなくても

診断書

診査

必要なら改定

を行います。

これが 職権改定


いつから新しい額?

ここも頻出です。

例えば

7月20日に改定されたら

支給開始は

8月分から です。

つまり

改定日の属する月の翌月

からです。


年齢制限は?

ありません。

65歳以上でもあります。

 

→ 永久固定/有期認定(具体例・再認定)

障害の程度が変わった場合の年金額の改定

受給権者からの改定請求による場合

 

今度は 本人が

「悪化しました」

と請求する制度です。

例えば

うつ病

急激に悪化

1級相当になった

こんなケースです。


いつでも請求できる?

前回の

  • 受給権取得日
  • 診査日

から 1年以上

経っている必要があります。

これを 1年ルール

と覚えます。


令和8年4月

認定

令和8年10月

「悪くなった」

まだ半年

❌請求できない


令和9年5月

1年以上経過

〇請求可能


例外

ただし

明らかに悪化した場合は

1年待つ必要がありません。

例えば

  • 心臓移植
  • 人工心臓装着
  • 人工呼吸器常時装着
  • 両下肢切断
  • 四肢完全麻痺
  • 両耳100dB以上
  • 両眼の著しい視力障害

などです。

 

これらは 誰が見ても

障害が重くなったことが明らかなので

すぐ請求できます。

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