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ソリューション行政書士法人
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国民年金法に基づく障害基礎年金は、国民年金加入中などに病気やケガをし、法令で定められた障害の状態(1級・2級)になった場合に支給される年金です。
目次
初診日要件
「初診日」とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいう。(法30条1項かっこ書)
「初診日要件」とは、次の通りである。(法30条1項)
| 初診日要件(いずれか) |
|---|
|
障害認定日要件
「障害認定日要件」とは、障害認定日において、その傷病により障害等級(1級または2級)に該当する程度の障害の状態にあることをいう。
(法30条1項)
障害等級1級及び2級に該当する程度の障害の状態とは、次の障害の程度をいう。(法30条2項、令4条の6、令別表)
| 障害等級 | 障害の状態 |
|---|---|
| 障害等級1級 | 原則として、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの (精神の障害を含む) |
| 障害等級2級 | 原則として、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(精神の障害を含む) |
参照 → 傷病(補償)年金の傷病等級
「障害等級1級」とは、他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。
身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないものまたは行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られる人が、1級に相当します。(令和4年4月1日改正障害認定基準)
眼の障害については、「両眼の視力の和」から「良い方の眼の視力」による障害認定基準の変更が行われました(片眼が失明している人にとっては、見えている方の眼がどれだけ機能しているかが重要であるため)。
認定基準の表現では、「両眼の視力がそれぞれ0.03以下のもの」とされていますが、これは、視力の良い方の眼の視力が0.03以下であることを意味しています。(令別表、令和3年10月29日年管発1029第2号)
「障害等級2級」とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害の状態です。
家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯など)はできるが、それ以上の活動はできないものまたは行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られる人が 、2級に相当します。(令和4年4月1日改正障害認定基準)
発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいいます。発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行います(=知的障害の有無にかかわらず、単独で障害年金の対象となります。IQなどではなく、日常生活能力の障害が判断基準です)。発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が「併存」しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定されます。
(令和4年4月1日改正障害認定基準)
参照 → 障害(補償)年金の併合 加重も同じページ
「障害認定日」とは、次の日をいう。(法30条1項かっこ書)
| 障害認定日 |
|---|
|
| 法令 | 給付 | 判定の考え方(治ゆとの関係) |
|---|---|---|
| 労災保険法 | 障害(補償)等給付 | 原則として 「治ゆ(症状固定)」後に判定 ※治っていない(療養中)場合は、 →【原則】休業(補償)等給付 →【1年6か月経過】傷病(補償)等年金 (※1年6か月経過したら、障害(補償)等年金になるわけではない) |
| 国民年金法 厚生年金保険法 | 障害基礎年金/障害厚生年金 | 治ゆを待たずに遅くとも 1年6か月経過(症状固定)した 「障害認定日」で判定 ※治ゆは絶対要件ではない |
障害認定日は、原則として1年6か月を経過した日(または1年6か月の期間内の治った日)ですが、短縮されている症状もあります。
(令和3年10月29日年管発1029第2号)
【短縮されている例(参考)】
「1年6か月を経過する前」に治った場合には、治った日となります。
障害認定日については「年齢要件」は設けられていません。
| 障害の状態が永続的に国民年金法施行令別表または厚生年金保険法施行令別表第1に該当する状態(永久固定)であると認められる場合 | 障害状態の再認定は原則として不要 |
| 障害の状態が永久固定であると認められない場合 | 受給権者等の症状に応じ、障害認定日、事後重症請求に係る請求日または再認定に係る障害状態確認届の提出期限から1年以上5年以内の期間(更新期間)を設定し、更新期間が満了する日の属する年における受給権者等の誕生日の属する月の末日までに受給権者等に障害状態確認届を提出させて、再認定を実施する。 |
| 区分 | 具体例 | 再認定 |
|---|---|---|
| 永久固定 | 手足の切断、人工関節置換、完全な失明など | ・原則不要 |
| 有期認定 | 精神疾患、腎疾患(透析以外)、リハビリ中の脳疾患など | ・1年以上5年以内で更新 ・指定年の「誕生日の属する月の末日」までに「障害状態確認届」を提出 |
障害状態の再認定の更新期間については、原則として、以下の点を参酌しつつ、障害認定医の医学的判断に基づき決定される。
(令和2年10月26日年管管発1026第2号)
|
|
|
保険料納付要件
「保険料納付要件」とは、次のいずれかに該当することをいう。(法30条1項ただし書、昭和60年附則20条1項)
| 保険料納付要件 |
|---|
| (原則) 当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があるときは、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間(学生納付特例期間または納付猶予期間を含む)とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上であること。 |
(特例)
|
特例の場合、例えば、初診日が令和2年8月30日の場合、令和2年6月分までの1年間のうちに保険料の滞納がないかどうかで判断されます。
65歳以上の場合には、原則の保険料納付要件しか認められません。理由は次の通りです。
保険料納付要件は、「初診日の前日」において判断されます。
初診日その日において判断すると、初診を受けた後に駆け込みで保険料を納めることが考えられるためです(逆選択の防止)。
したがって、「初診日以後」に、さかのぼって保険料を納付したり、さかのぼって申請免除の承認を受けたりしたとしても、保険料納付要件を満たしたことにはなりません。
| 給付 | 保険料納付要件(概要) | 判定の基準となる時点 | |
|---|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 当該傷病に係る初診日の前日において、初診日の属する月の「前々月」までに被保険者期間があるときは、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間+保険料免除期間(学生納付特例期間又は納付猶予期間を含む)を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上であること。 | 初診日の前日 | 支払った割合
|
| 遺族基礎年金 | 死亡日の前日において、死亡日の属する月の「前々月」までに被保険者期間があるときは、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間+保険料免除期間(学生納付特例期間又は納付猶予期間を含む)を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上であること。 | 死亡日の前日 | |
| 寡婦年金 | 死亡日の前日において、死亡日の属する月の「前月」までの第1号被保険者としての被保険者期間(保険料納付済期間+保険料免除期間)を合算した期間が10年以上であって、さらに、保険料納付済期間又は学生納付特例期間・納付猶予期間以外の保険料免除期間を1か月以上有する者であること。 | 死亡日の前日 | 支払った実績
|
「初診日の属する月の前々月」なのは、国民年金の保険料の納付期限は翌月末日であり、この納付期限を経過しているものを判断対象としているためです(寡婦年金と比較)。
第2号被保険者としての被保険者期間は、障害基礎年金の保険料納付要件においては、20歳未満及び60歳以後の期間も含めて、保険料納付済期間となります(老齢基礎年金の場合は、合算対象期間となります)。
「厚生年金保険の第3種被保険者(坑内員・船員)であった期間の特例」は保険料納付要件には、適用されません。
(×)老齢基礎年金の額の計算
(×)障害基礎年金の保険料納付要件
(×)遺族基礎年金の保険料納付要件
初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がない者については、保険料納付要件は問われません。「被保険者期間がない者には障害基礎年金が支給されない」わけではありません。
「20歳未満の者」であっても、第2号被保険者である場合には、被保険者期間を有するため、保険料納付要件が問われることとなります
(なお、20歳未満の国民年金の被保険者期間には第2号被保険者としての被保険者期間しか存在しないため、一般的に、そのすべてが保険料納付済期間となります)。
事後重症による障害基礎年金
障害認定日に障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、65歳に達する日の前日までに、その傷病により障害等級(1級及び2級)に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その期間内に「事後重症による障害基礎年金」の支給を請求することができる。
(法30条の2第1項)
| 具体例 |
|---|
|
事後重症による障害基礎年金は、請求した日の属する月の翌月から支給される。
一般的な障害基礎年金の場合、
そのいずれの要件もクリアーしたときに受給権が発生します。
「事後重症による障害基礎年金」の場合は、
障害認定日において障害等級に該当しなかったときにおいて、その後障害の程度が増悪したようなケースが該当します。
事後重症による障害基礎年金は、本人の「請求」により受給権が発生する、請求年金です。
事後重症による障害基礎年金は、「65歳に達する日の前日」までに請求をする必要があります。
基準障害による障害基礎年金(はじめて2級)
すでに障害の状態(障害等級1級または2級に該当しない状態)にある者が、新たに発生した傷病(基準傷病)に係る障害認定日から65歳に達する日の前日までの間に、基準傷病による障害(基準障害)とすでに有していた障害とを併合した障害の程度が、初めて2級以上に該当した場合には、基準傷病の初診日の前日において保険料納付などの要件を満たしていることを条件として、「基準障害による障害基礎年金」が支給される。
(法30条の3第1項・2項)
基準障害による障害基礎年金は、当該障害基礎年金の請求があった月の翌月から実際に年金の支給が始められる。(法30条の3第3項)
「基準障害による障害基礎年金」が支給されます。
| 論点① | 初診日要件や保険料納付要件は、「後発(基準)障害」において満たしている必要があります。「先発障害」においてではありません。 |
|---|---|
| 論点② | 「請求」によって受給権が発生するのではありません。 |
| 論点③ | 実際の年金の支給は、「請求月の翌月」から始められます。「受給権が発生した」ときからではありません。 |
| 論点④ | 併合して障害等級2級以上に該当するのは、「65歳に達する日の前日」まででなくてはいけません。「65歳以後でもいい」わけではありません |
| 論点⑤ | 請求行為そのものは、「65歳以後」であっても行うことができます。「65歳以後」は行うことができないわけではありません。 |
| 項目 | 事後重症による障害基礎年金 | 基準障害による障害基礎年金 |
|---|---|---|
| 1・2級に該当 | 65歳前 | 65歳前 |
| 受給権の発生 | 請求時点(請求年金) | 障害の状態に該当するに至ったとき |
| 請求 | 65歳前 | 65歳以後においても可能 |
| 実際の支給開始 | 請求月の翌月から | 請求月の翌月から |
事後重症との大きな違いは、「請求年金」ではないところです。しかし、請求があった月の翌月からしか支給されません。
「初診日要件」「保険料納付要件」は、「基準障害(後発障害)」についてのみ問われます。
20歳前の傷病による障害基礎年金
初診日において20歳未満であった者が20歳に達したとき(障害認定日が20歳に達した日後であるときは障害認定日)において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に「20歳前の傷病による障害基礎年金」が支給される。(法30条の4第1項)
20歳前の傷病による障害基礎年金にも、「事後重症」制度は設けられています。
したがって、初診日が20歳未満であって、20歳に達したとき(または障害認定日)に障害等級に該当する程度の障害の状態になくても、その後65歳に達する日の前日までに障害等級に該当するようになれば、請求により、「20歳前の傷病による障害基礎年金」の支給が受けられます。
(法30条の4第2項)
20歳前に初診日がある場合、必ず「20歳前傷病による障害基礎年金」が支給されるわけではありません。
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