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ソリューション行政書士法人
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「死亡」を給付事由とする給付に「遺族基礎年金」があります。
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者または被保険者であった者が死亡した場合に、その者によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給される年金です。
したがって、支給されるかどうかを判断するときは、
の両方を確認する必要があります。(国民年金法37条、37条の2、附則9条1項)
遺族基礎年金の問題では、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
この順番で判定すると、問題文が長くても整理しやすくなります。
遺族基礎年金は、
死亡者の要件+遺族の要件
の両方が必要です。
死亡者については、
短期要件=保険料納付要件あり
長期要件=25年要件あり
と整理します。
遺族については、
子のある配偶者または子
が基本です。 つまり、
「現役は納付チェック、長期加入者は25年チェック、受け取る側は子がいるかチェック」
と整理すると、制度全体をつかみやすくなります。
目 次
「子の生活保障」を目的とする制度です。
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が死亡した場合に、
制度の中心は、親を失った子の生活の安定を公的に保障することにあります。
そのため、
支給要件に「子がいること」が必須
配偶者自身の年齢や性別は原則として問題とならない
子が成長し要件を満たさなくなると支給が終了
という仕組みになっています。
つまり遺族基礎年金は、子の養育・生活費を社会全体で支えるための年金であり、配偶者への給付はあくまで「子を養育する立場にある者」として位置づけられています。
また、配偶者については性別を問いません。
妻が死亡し、夫が残された場合でも、所定の要件を満たせば夫が遺族基礎年金を受けることができます。
死亡者の要件
遺族基礎年金が支給されるためには、死亡した者が一定の要件に該当していなければなりません。
大きく分けると、
短期要件 と
長期要件
つまり、
現役の被保険者が死亡した場合
と考えると分かりやすくなります。
次のすべてを満たす者が死亡した場合です(法37条2号)。
60歳まで加入していた人について、65歳まで一定範囲で保障を延長する
というイメージです。
この場合も、保険料納付要件が必要です。
一定の公的年金加入期間等を合算して25年以上ある者が死亡した場合です。
対象となる期間は、原則として次のものです。
長期要件では、
保険料納付要件は別途問われません。
その代わり、
原則として25年以上の期間が必要
となります。
| 区分 | 主な対象 | 保険料納付要件 | 必要期間 |
|---|---|---|---|
| ①短期 | 現在の被保険者 | 必要 | 原則不問 |
| ②短期 | 60歳以上65歳未満の元被保険者 | 必要 | 原則不問 |
| ③長期 | 長期間加入していた者 | 不要 | 原則25年以上 |
短期=納付状況を見る
長期=加入期間を見る
さらに短くすると、
「現役は納付、引退は25年」
です。
25年の判定では、
などを合算します。
ただし、
学生納付特例期間・納付猶予期間・合算対象期間だけで25年ある場合
には注意が必要です。
保険料納付済期間または一定の保険料免除期間を全く有しない場合には、単純に25年あるというだけでは足りない場合があります。
したがって、
「25年あれば何でもよい」ではない
という点に注意します。
従来は、
が別々の要件として規定されていました。
改正後はこれらが整理され、
一定の期間が25年以上ある者
という長期要件に一本化されています。
また、
65歳に達した日の属する月以後の厚生年金保険の被保険者期間
についても、一定の範囲で25年要件の判定に含める仕組みとなっています。
障害基礎年金を受給していた者が死亡したというだけでは、遺族基礎年金は支給されません。
つまり、
「障害基礎年金を受けていた」=「遺族基礎年金が出る」
ではありません。
あくまで、死亡した者が法37条等に定める死亡者要件を満たしているかを確認する必要があります。
死亡した人が次のいずれかに該当する必要があります。(厚生年金法58条1項、附則14条1項)
被保険者等要件
(厚生年金保険の被保険者期間の特例)
一定の高齢世代については、旧制度から新制度への移行措置として、
25年より短い厚生年金保険の被保険者期間でも、25年以上あるものとみなす
特例があります。
これは、旧制度では老齢給付の受給資格期間が原則20年であったのに対し、新制度では25年とされたため、その変更による不利益を緩和するために設けられたものです。
代表的な期間は次のとおりです。
| 生年月日 | 厚生年金期間の特例 | 中高齢の短縮特例 |
| 昭和22年4月1日以前 | 20年 | 15年 |
| 昭和22年4月2日~昭和23年4月1日 | 20年 | 16年 |
| 昭和23年4月2日~昭和24年4月1日 | 20年 | 17年 |
| 昭和24年4月2日~昭和25年4月1日 | 20年 | 18年 |
| 昭和25年4月2日~昭和26年4月1日 | 20年 | 19年 |
| 昭和26年4月2日~昭和27年4月1日 | 20年 | ― |
| 昭和27年4月2日~昭和28年4月1日 | 21年 | ― |
| 昭和28年4月2日~昭和29年4月1日 | 22年 | ― |
| 昭和29年4月2日~昭和30年4月1日 | 23年 | ― |
| 昭和30年4月2日~昭和31年4月1日 | 24年 | ― |
| 昭和31年4月2日以後 | ― | ― |
被保険者等要件
(厚生年金保険の中高齢の短縮特例)
一定の中高齢者については、
の第1号厚生年金被保険者期間が一定期間以上ある場合、25年以上あるものとみなす特例があります。
この制度は、旧厚生年金保険法に存在した中高齢者向けの短縮措置を引き継いだものです。
中高齢になってから厚生年金に加入した人は、老齢年金の受給開始年齢までに通常の受給資格期間を満たすことが難しかったため、特別な短縮措置が設けられていました。
この特例は、
第1号厚生年金被保険者期間
についての特例です。
40歳以後または35歳以後の国民年金の被保険者期間に対する特例ではありません。
| 区分 | 対象者(生年月日など) | 必要な受給資格期間(年数) |
|---|---|---|
| 昭和5年4月1日以前生まれの特例 | 昭和5年4月1日以前生まれ | 21~24年でOK(※大正15年4月2日~昭和22年4月1日生まれの範囲で段階的) |
| 厚生年金保険の被保険者期間の特例 | 昭和31年4月1日以前生まれ(※表中の対象者) 昭和27年4月1日以前生まれ(※段階区分) | 20~24年でOK |
| 中高齢の短縮特例 | 昭和26年4月1日以前生まれ (段階の例:昭和22年4月1日以前など) | 15~19年でOK(※男性40歳以上/女性35歳以上) |
保険料納付要件
短期要件、
については、保険料納付要件を満たしている必要があります。
死亡日の前日において、
死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間
について確認します。
その期間のうち、
を合算した期間が、
被保険者期間の3分の2以上
であることが必要です。
学生納付特例期間や納付猶予期間も、この判定では一定の保険料免除期間として取り扱われます。
一定の死亡については、原則の3分の2要件を満たさなくても、
死亡日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がない
場合には、保険料納付要件を満たすものとして扱われる特例があります。
ただし、この特例には年齢等の要件があります。
原則
全期間の3分の2以上
特例
直近1年間に未納なし
死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間がない場合でも、
死亡日に被保険者である
など所定の要件を満たしていれば、遺族基礎年金が支給される場合があります。
したがって、
「加入して間もないから絶対に出ない」
とは限りません。
たとえば、
障害基礎年金を受給している第1号被保険者
は、一定の場合に国民年金保険料の法定免除の対象となります。
この法定免除期間は、保険料納付要件を判断するときに保険料免除期間として扱われます。
そのため、
保険料を実際に払っていない=納付要件を満たさない
とは限りません。
遺族基礎年金の保険料納付要件では、
第2号被保険者期間は、20歳未満および60歳以後の期間も含めて保険料納付済期間
として扱われます。
これは老齢基礎年金の場合と異なります。
老齢基礎年金
20歳未満・60歳以後の一定の第2号期間
→ 合算対象期間
障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件
20歳未満・60歳以後も
→ 保険料納付済期間
ここは、非常に重要な違いです。
遺族基礎年金の受給権者(遺族)
遺族基礎年金を受けることができるのは、死亡当時、死亡した者によって生計を維持されていた
です。(法37条の2第1項)
配偶者については、
一定の要件を満たす子と生計を同じくしていること
が必要です。
したがって、
子のない配偶者
には、遺族基礎年金は支給されません。
遺族基礎年金における「子」は、原則として次のいずれかです。
18歳に達する日以後の最初の3月31日まで
にあり、かつ、
現に婚姻していない
ことが必要です。
20歳未満 で、
障害等級1級または2級に該当する障害状態
にあり、かつ、
現に婚姻していない
ことが必要です。
当初は障害状態になかった子でも、
18歳年度末までの間に障害等級1級・2級に該当する状態となった
場合には、所定の要件を満たす限り、20歳に達するまで遺族基礎年金の対象となることがあります。
死亡した者との間に法律上の親子関係が必要です。
したがって、
養子縁組をしていない、単なる事実上の子
は、原則として遺族基礎年金上の「子」にはなりません。
遺族基礎年金を受けるためには、死亡当時、
死亡した者によって生計を維持されていた
ことが必要です。
一般に、
などの基準によって判断されます。
保険料納付要件が問題となるのは、
死亡した者 です。
遺族基礎年金を受ける配偶者や子自身について、
国民年金保険料を納めていたかどうか
は、原則として支給要件ではありません。
死亡当時、子がまだ胎児であった場合には特別な取扱いがあります。
その胎児が出生したときは、
将来に向かって
死亡当時、死亡者によって生計を維持されていたものとみなされます。
また、配偶者についても、
将来に向かって
死亡当時、その子と生計を同じくしていたものとみなされます。(法37条の2第2項)
| 対象 | 取扱い |
| 出生した子 | 将来に向かって、死亡当時、生計維持されていたものとみなす |
| 配偶者 | 将来に向かって、死亡当時その子と生計を同じくしていたものとみなす |
出生によって死亡時まで遡って年金が支給される、という意味ではない
点に注意します。
キーワードは、
「将来に向かって」
「子の生活保障」
を中心に設計されている点が特徴です。
| 制度 | 対象となる遺族(要件) | |
|---|---|---|
| 厚生年金保険法 | 遺族厚生年金 | 生計を維持していた遺族(要件あり) ①配偶者(妻)…要件:不問 ①配偶者(夫)…夫・父母・祖父母は 55歳以上 ①子 ②父母 ③孫 ④祖父母…子・孫は 18歳年度末まで(※一定の障害がある場合は20歳未満) ※「現に婚姻していない」等の要件が付く場合がある (※「兄弟姉妹」は×) |
| 国民年金法 | 遺族基礎年金 | ①配偶者:生計を維持していた+下記の要件を満たす子と生計を同じくする ②子:生計を維持していた 子の要件:18歳年度末まで、または 20歳未満で障害状態(障害等級1級・2級相当)にあり、かつ 現に婚姻していない |
| 寡婦年金 | ①妻:
※支給は 60歳到達日の属する月の翌月から | |
| 死亡一時金 | ①生計を同じくしていた遺族:配偶者 → 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹 | |
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