国民年金法
障害基礎年金 支給停止及び失権

障害基礎年金の「支給停止」と「失権」は、どちらも年金が受け取れなくなる状態ですが、その意味合いは大きく異なります。支給停止は一時的なもので、条件が解消されれば再開されますが、失権は受給権そのものが消滅するため、原則として年金を再び受給することはできません。 

目次

  1. 障害補償による支給停止
  2. 障害の程度による支給停止
    1. 20歳前の傷病による障害基礎年金の支給停止①
    2. 20歳前の傷病による障害基礎年金の支給停止②
  3. 失権

障害補償による支給停止

 

障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給が停止される。(法36条1項)

  • 労働基準法に規定されている「障害補償」には、「6年間の分割補償」が認められていました
    (使用者は、支払能力のあることを証明し、補償を受けるべき者の同意を得た場合においては、労働基準法77条または同法79条の規定による補償に替え、平均賃金に別表第3に定める日数を乗じて得た金額を、
    6年にわたり毎年補償することができる(労働基準法82条))。
     この期間については、障害基礎年金はその支給が停止されます。

 

障害関係(調整率)

  障害厚生年金 障害基礎年金 障害厚生年金+障害基礎年金
休業(補償)給付/傷病(補償)年金/複数事業労働者傷病年金 0.88 0.88 0.73
障害(補償)年金/複数事業労働者障害年金 0.83 0.88 0.73

 

遺族関係(調整率)

  遺族厚生年金 遺族基礎年金 遺族厚生年金+遺族基礎年金
遺族(補償)年金/複数事業労働者遺族年金 0.84 0.88 0.80

① 労災保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときは
② 
障害基礎年金20歳前の傷病による障害基礎年金を除くは支給停止されず
① 
障害補償年金が減額調整されます

刑事施設労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときであっても支給は停止されません刑事施設などに拘禁などされているときに支給停止される20歳前の傷病による障害基礎年金とのひっかけに注意をしてください

障害の程度による支給停止

 

障害基礎年金は、受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間」、その支給が停止される。(法36条2項)

  • 障害基礎年金の受給権は2級よりも軽くなってもいきなり失権とはなりません。「支給停止されます

 

 

20歳前の傷病による障害基礎年金の支給停止①

 

20歳前の傷病による障害基礎年金は、次のいずれかに該当するときは、その該当する期間、その支給が停止される。(法36条の2第1項)

  • 全く基礎年金を払っていない

 

  支給停止となる事由 内容  
1 他制度の年金の受給 恩給法に基づく年金たる給付、労災保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき

年金たる給付が、その全額につき支給停止されているときは、原則として、障害基礎年金は支給停止されません。(法36条の2第2項)

恩給法に基づく年金たる給付には、「増加恩給」は該当しないため、障害基礎年金は支給停止されません。(法36条の2第5項)

2 刑事施設への拘禁 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき

刑事施設などに拘禁されている場合であっても刑が確定する前のいわゆる未決勾留者については支給停止は行われません
(則34条の4)

障害者福祉施設に入所しても支給停止されることはありません

3 少年院等への収容 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき  
4 国内居住でなくなったとき 日本国内に住所を有しないとき 20歳前の傷病による障害基礎年金以外についてはたとえ日本国内に住所を有しない場合であっても支給は停止されません
日本国籍を有しなくなった場合であっても支給は停止されません
 
  • 20歳前傷病による障害基礎年金の場合保険料を納付していないため原則的な支給停止要件に加えて特有の支給停止要件が規定されています
  • 一般的な障害基礎年金と労災保険法の保険給付が重複する場合には原則として労災保険の側が減額調整されます

     ただし20歳前の傷病による障害基礎年金については福祉的な年金であるため20歳前の傷病による障害基礎年金が支給停止されます

 

 

 
 

20歳前の傷病による障害基礎年金の支給停止②

 

  • 20歳前の傷病による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部または2分の1に相当する部分の支給が停止される。(法36条の3第1項)
  • 2026改正 子の加算額が加算された障害基礎年金について2分の1の支給停止をするときは、「障害基礎年金の額から加算額を控除した額の2分の1支給停止される。(法36条の3第1項かっこ書)
前年の本人所得額 支給内容
4,794,000円超 全額停止
3,761,000円超~4,794,000円以下 2分の1の年金額停止
3,761,000円以下 全額支給
 

 

2026改正単身者の場合前年の所得が3,761,000円まで全額支給され3,761,000円を超え4,794,000円以下であるときは、「2分の1が支給停止され4,794,000円を超えるときは、「全額が支給停止されます。(令5条の4、令6条)

扶養親族等がいる場合扶養親族等特定年齢扶養親族にあっては控除対象扶養親族に限る1人につき所得制限額が38万円加算されます
(令5条の4第1項)

  • 20歳前の傷病による障害基礎年金以外については所得による支給停止の規定は設けられていません20歳前の第2号被保険者期間中に初診日のある障害基礎年金は一般的な障害基礎年金に該当するため支給停止されません
  • 受給権者の所得で判断されます

失権

 

障害基礎年金の受給権は、次のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。(法35条)

 

失権事由
  1.  受給権者が死亡したとき
  2.  受給権者の障害の程度が軽減し、厚生年金保険法の規定による障害等級3級にも該当しなくなった場合であって、
    1. そのまま障害等級3級にも該当することなく65歳に達したときまたは
    2. 3年を経過したときの いずれか遅い方が到達したとき
  3.  併合認定により、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したとき

 参照 → 障害の程度による支給停止

 

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