雇用保険法
総則

雇用保険法は雇用に関する総合的な保険制度である

目次

  1. 目的
  2. 管掌
  3. 失業の定義

目的

雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合必要な給付を行うほか、労働者自ら職業に関する教育訓練を受けた場合並びに労働者が子を養育するための休業及び所定労働時間を短縮することによる就業をした場合必要な給付を行うことにより、労働者生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者職業の安定に資するため、失業の予防雇用状態の是正及び雇用機会の増大労働者能力の開発及び向上その他労働者福祉の増進を図ることを目的とする。(法1条)

 

 

雇用保険法(法1条)の構成

法1条の柱(目的となる状況・事由) 対応する制度・事業
① 労働者の失業 求職者給付、就職促進給付
② 雇用の継続が困難となる事由が生じた 雇用継続給付
③ 自ら職業に関する教育訓練を受けた 教育訓練給付
④ 子を養育するための休業・所定労働時間を短縮することによる就業 育児休業等給付
⑤ 失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上 雇用安定事業(※能力開発は次項とも関連)
⑥ 能力の開発及び向上 能力開発事業

雇用保険法の前身である失業保険法昭和22年12月1日公布昭和22年11月1日からさかのぼって施行されその後雇用保険法に全面改正されています昭和49年12月28日公布昭和50年4月1日から施行)。

 

 

雇用保険法の目的(雇用の安定/職業の安定)

区分 内容
雇用保険法(雇用の安定【個人の安定】) 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合又は労働者が子を養育するための休業及び所定労働時間を短縮することにより就業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。(法1条)
教育訓練給付金(法60条の2) 教育訓練給付金は、教育訓練を受けた被保険者に対して、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合において、支給要件期間が3年以上であるときに、支給する。
職業安定・能力開発の趣旨(職業の安定【全体の安定】)(法64条の2) 雇用安定事業及び能力開発事業は、被保険者等の職業の安定を図るため、労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする。(法64条の2)

 

 

各法律の目的(雇用の安定/職業の安定)

 

法律 雇用の安定(個人の安定) 職業の安定(全体の安定)
労働施策総合推進法 雇用の安定及び職業生活の充実(労働生産性の向上促進、能力発揮の機会確保)により図る(法1条) 職業の安定・経済的社会的地位の向上を図り、経済及び社会の発展並びに完全雇用の達成に資する(法1条)
障害者雇用促進法 事業主は、障害者の雇用に関し、その能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与える等により、適正な雇用管理・能力開発及び向上を図り、雇用の安定を図るよう努めなければならない(法5条) この法律は、(中略)もって障害者の職業の安定を図ることを目的とする(法1条)
高年齢者雇用安定法 この法律は、(中略)もって高年齢者等の職業の安定その他福祉の増進を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする(法1条)
職業能力開発促進法 この法律は、(中略)もって職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする(法1条)
職業安定法 この法律は、(中略)もって職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする(法1条)
労働者派遣法 この法律は、(中略)もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする(法1条)

雇用保険は、法1条の目的を達成するため、失業等給付及び育児休業給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる。(法3条)

 

雇用保険事業

 

失業等給付

求職者給付
(失業)

就職促進給付
(失業)

教育訓練給付
(教育訓練の受講)

雇用継続給付
(雇用の継続が困難)

育児休業等給付
(育児休業等
 
雇用保険二事業

雇用安定事業
(失業の予防等)

能力開発事業
(能力の開発等)

管掌

 

雇用保険は、政府が管掌する。(法2条1項)

雇用保険法に定める厚生労働大臣の権限は、その一部都道府県労働局長に委任することができる。(法81条1項)

都道府県労働局長に委任された権限は、公共職業安定所長に委任することができる。(法81条2項)

雇用保険の事務の一部は、都道府県知事が行うこととすることができる。(法2条2項)

能力開発事業のうち職業能力開発促進法に規定する計画に基づく職業訓練を行う事業主及び職業訓練の推進のための活動を行う同法13条(認定職業訓練の実施)に規定する事業主等に対する助成の事業の実施に関する事務は、都道府県知事が行うこととする。(令1条1項)

雇用保険に関する一定の事務のうち、都道府県知事が行う事務は、適用事業の事業所の所在地を管轄する都道府県知事が行う。(則1条3項)

雇用保険に関する事務のうち、公共職業安定所長が行う事務は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、適用事業の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長(一部を除く)が行う。(則1条5項)

教育訓練給付金に関する事務は、教育訓練給付対象者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所長が行う。(則1条5項1号)

 

  • 都道府県が処理することとされている事務地方自治法に規定する第1号法定受託事務に該当します
  • 第1号法定受託事務とは本来国の役割である事務を地方公共団体が請け負うと政令で定められたものをいいます国が取り扱うよりもより身近な地方公共団体が事務を担当した方が住民にとって利益になる場合に利用される制度です
    なおかつては地方公共団体を国の機関と扱ったうえで国から処理を委任された事務を機関委任事務と呼んでいました地方公共団体が国の出先機関にすぎない地位に置かれていたためですがこれが地方自治法改正により廃止され国の直接執行事務自治事務法定受託事務へ再編成された経緯があります

  • 都道府県知事に委任をするのは、「能力開発事業の一部であり、「雇用安定事業の一部ではありません

 

雇用保険法の中には公共職業安定所について

  1. 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所
  2. その者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所の2種類の表現があります

 雇用保険法施行規則の中では後者を管轄公共職業安定所とも表現しています

 

失業の定義

  • 失業」とは、被保険者離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にあることをいう。
  • 労働の意思」とは、就職しようとする積極的な意思をいう。
  • 労働の能力」とは、労働雇用労働に従事し、その対価を得て自己の生活に資し得る精神的肉体的及び環境上の能力をいう。
  • 職業に就くことができない状態」とは、公共職業安定所が受給資格者の求職の申込みに応じて最大の努力をしたが、就職させることができず、また、本人の努力によっても就職できない状態をいう。
  定義
離職 被保険者について、事業主との雇用関係が終了することをいう。
失業 被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。
労働の意思

就職しようとする積極的な意思をいう。

  • 自己の労働力を提供して雇用労働者として就職しようとする積極的な意思をいいます自営業の開業を希望するような非雇用労働へ就くことのみを希望する者は労働の意思を有するものとは取り扱いません
労働の能力 労働(雇用労働)に従事し、その対価を得て自己の生活に資し得る精神的・肉体的及び環境上の能力をいう。
職業に就くことができない状態 公共職業安定所が受給資格者の求職の申込みに応じて最大の努力をしたが、就職させることができず、又、本人の努力によっても就職できない状態をいう。
  • 内職自営及び任意的な就労などの非雇用労働へ就くことのみを希望している者は、労働の意思を有する者として扱うことはできない。ただし、求職活動と並行して創業の準備・検討を行う場合にあっては、その者が自営の準備に専念するものではなく、安定所の職業紹介に応じられる場合には、労働の意思を有する者と扱うことが可能である。
  • 自営業の開業に先行する準備行為であって事務所の設営など開業に向けた継続的性質を有するものを開始した場合は、原則として、自営の準備に専念しているものと取り扱う。一方で、事業許可取得のための申請手続、事務所賃借のための契約手続などの諸手続(当該諸手続のための書類の作成などの事実行為を含む)を行っているに過ぎないような場合は、その行為が求職活動の継続と両立しないようなものでないかどうかについて、個別具体的な事情を勘案して判断する。
  • 求職条件として短時間就労のみを希望する者については、雇用保険の被保険者となり得る求職条件を希望する者に限り労働の意思を有するものとして扱う。なお、自己の都合により退職し、短時間労働者に該当する被保険者となるような求職条件のみを希望する受給資格者については、妊娠、出産、育児、老病者の看護その他家事または家業の手伝い、加齢などによる当人の肉体的能力の減退などが退職の原因となっていることが比較的多いので、このことに十分留意の上、慎重な判断を行う。
    • 公共職業安定所に出頭して求職の申込みを行うのはもちろんのこと受給資格者自らも積極的に求職活動を行っている場合に労働の意思ありとされます

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