厚生年金保険法
特別支給の老齢厚生年金 支給要件及び失権

厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある一定の生年月日の者には「特別支給の老齢厚生年金」が支給されます。

 

実務上のイメージ

  • 60歳台前半:特別支給の老齢厚生年金を受給
  • 65歳到達:特別支給の老齢厚生年金の受給権が消滅
  • 65歳到達後:老齢基礎年金+本来の老齢厚生年金へ移行
  • 日本年金機構から送付される「65歳はがき」を提出して手続を行う

なお、近年は請求漏れ防止のため、日本年金機構から65歳到達前に案内が送付される運用となっており、多くの場合は簡略化された手続で受給開始できます。

 

目 次

  1. 支給要件
  2. 失権

支給要件

 

次のすべての要件を満たした人が、生年月日に応じた支給開始年齢に達したときは、特別支給の老齢厚生年金が支給されます。

 

  1. 65歳未満であること
  2. 厚生年金保険等の被保険者期間が1年以上あること
  3. 老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あること
  4. 生年月日に応じた支給開始年齢に達していること

 

  参照 ⇨ 特別支給の老齢厚生年金と本来の老齢厚生年金の比較

 

 

2以上の被保険者種別に加入していた場合

特別支給の老齢厚生年金は、原則として、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あることを支給要件としています。

この「1年以上」の要件を判定する場合に、2以上の被保険者種別に属していた期間があるときは、各種別の被保険者期間を合算します。

例えば、次のように、民間企業と公務員などで加入期間が分かれている場合です。

被保険者の種別 被保険者期間
第1号厚生年金被保険者(民間企業) 8か月
第2号厚生年金被保険者(国家公務員) 6か月
合計 14か月

この場合、それぞれの被保険者期間だけを見ると1年未満ですが、合算すると14か月となるため、「1年以上の被保険者期間」の要件を満たします。

つまり、1年の加入期間が、いずれか一つの被保険者種別だけで完結している必要はありません。

この取扱いは、特別支給の老齢厚生年金の支給要件を判定する際に、2以上の種別に係る被保険者期間を一つの被保険者期間とみなすものです。(厚生年金保険法附則8条、附則20条1項ただし書)

 

注意点

ここで合算するのは、特別支給の老齢厚生年金に必要な「1年以上」の要件を判定するための被保険者期間です。

一方、老齢基礎年金の受給資格期間については、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算して10年以上あることが別途必要です。

失権受給権の消滅

 

特別支給の老齢厚生年金の受給権は、次の場合に消滅します。

  • 受給権者が死亡したとき
  • 65歳に達したとき

特に重要なのは、65歳到達により特別支給の老齢厚生年金は終了するという点です。

 

 

65歳到達後の手続

65歳になると、本来の老齢厚生年金および老齢基礎年金の受給対象となります。

そのため、特別支給の老齢厚生年金を受給していた人であっても、法律上は別の年金として扱われるため、本来は老齢厚生年金の裁定請求が必要となります。

ただし実務上は、日本年金機構から送付される「年金請求書(65歳到達用)」、いわゆる「65歳はがき」を提出することで、簡易な手続により本来の老齢厚生年金へ移行することができます。

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