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ソリューション行政書士法人
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この章は、健康保険法との比較で押さえるとかなり覚えやすいです。
目的
国民健康保険法の目的は、
国民健康保険事業の健全な運営を確保し、社会保障及び国民保健の向上に寄与すること です。
「全国民に給付する制度」ではなく、国民健康保険の被保険者に給付する制度です。
国民健康保険法56条
被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡について、他の法令により医療に関する給付が行われるときは、その限度において国民健康保険の給付は行わない。
この条文は他の制度で医療給付が行われる場合は、国民健康保険の給付は行わないというルールを定めています。
つまり 医療給付の二重給付を防ぐための規定 です。
業務中や通勤中の事故は労災保険が優先されます。
労災保険では
療養補償給付(業務災害)
療養給付(通勤災害)
などの医療給付があります。
そのため労災保険の給付を受けられる場合国民健康保険は
療養の給付を行いません。
日本の社会保険は優先関係があります。
業務上の事故
→ 労災保険
業務外の病気・けが
→ 医療保険(国保・健保)
という役割分担です。
したがって業務災害で労災保険が使える場合は国民健康保険は使えません。
| 原因 | 適用制度 |
|---|---|
| 業務災害 | 労災保険 |
| 業務外の病気・けが | 健康保険・国保 |
給付の対象は国民健康保険の被保険者だけです。
| 健康保険法 | 国民健康保険法 | |
|---|---|---|
| 単位 | 事業所単位 | 地域単位 |
| 保険者 | 全国健康保険協会・健康保険組合 | 都道府県及び市町村・国民健康保険組合 |
| 保険事故 | 疾病、負傷、死亡、出産(業務災害を除く) | 疾病、負傷、死亡、出産(業務上外を問わない) |
| 被保険者 |
| 被保険者 |
| 被扶養者 | あり | なし |
| 傷病手当金 出産手当金 | 法定給付 | 任意給付 |
| 業務上災害 | 原則対象外 | 業務上外を問わない |
国民健康保険の構造的課題としては、
が挙げられ、制度改革が進められています。
国民健康保険組合
このうち国民健康保険組合(国保組合)は、同じ職業・業種に属する者が、自主的に医療保険制度を運営するために設立する保険者です。
たとえば、医師、歯科医師、建設業、理美容業など、同業者による相互扶助を基礎として運営される公的医療保険がこれに当たります。
国保組合は、職業ごとの実情に応じた柔軟な医療保険運営を可能にするために設けられています。
市町村国保が地域単位で運営されるのに対し、国保組合は職業単位で運営される点に特徴があります。
これは、同じ職業集団であれば、
所得構造が似ている
働き方が似ている
疾病リスクや生活実態に一定の共通性がある
組織的に管理しやすい
といった事情があるためです。
そのため、国保組合では、業種の実情に応じた保険料設計や付加給付など、比較的柔軟な制度設計が可能です。
国保組合には、次のような実務上の特徴があります。
市町村国保に比べて、
所得比例ではなく定額制に近い設計
業種の実情を反映した保険料体系
などを採用しやすいという特徴があります。
国保組合は、法定給付に加えて、
独自の付加給付
医療費補助の上乗せ
健康診断や予防事業
などを設けることができます。
単なる保険者にとどまらず、
健康管理
福利厚生
業界全体の相互扶助
という機能も担います。
国民健康保険には、健康保険法のような「被扶養者」の制度はありません。
そのため、原則として、家族もそれぞれ被保険者になります。
もっとも、国民健康保険組合については例外的な特徴があります。
国民健康保険組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができます(国民健康保険法19条2項)。
これは、国保組合では、組合員の家族を一律・包括的に当然加入させるとは限らないという意味です。
つまり、
市町村国保では、世帯単位で家族も広く被保険者となるのが基本
これに対し国保組合では、規約によって家族の取扱いを調整できる
という違いがあります。
したがって、国保には被扶養者がないという原則は維持されるものの、国保組合では、組合員の世帯員を当然にすべて被保険者にする必要はない点が重要です。
ポイント
国保には原則として被扶養者はない
家族もそれぞれ被保険者になるのが基本
ただし、国保組合では規約により、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる
そのため、国保組合は家族の加入範囲に一定の柔軟性がある
国民健康保険組合を設立するには、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可が必要です。
設立申請の要件は、
15人以上の発起人
組合員となるべき者300人以上の同意
です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 保険者 | 国民健康保険組合 |
| 認可権者 | 都道府県知事 |
| 発起人 | 15人以上 |
| 同意要件 | 組合員となるべき者300人以上 |
国民健康保険組合は、
同業者による相互扶助を基礎とする、自主運営型の公的医療保険
です。
市町村国保と比べると、
地域単位ではなく職業単位
保険料や給付設計に柔軟性がある
規約により家族を包括して被保険者としないことができる
という点に特徴があります。
特に実務では、
「国保には被扶養者がない」
という原則とあわせて、
「ただし、国民健康保険組合では、規約により組合員の世帯員を包括して被保険者としないことができる」
という例外的な取扱いを押さえておくことが重要です。
国民健康保険組合の設立
設立認可は、
主たる事務所の所在地の都道府県知事 です。
設立申請は、
15人以上の発起人 + 300人以上の同意 です。
| 区分 | 法律 | 認可 | 人数要件 | 同意要件 | 発起人要件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 健康保険組合 | 健康保険法 | 厚生労働大臣 | 単独700人 共同3,000人 | 被保険者の2分の1以上の同意 | ― |
| 国民健康保険組合 | 国民健康保険法 | 都道府県知事 | ― | 組合員となるべき者300人以上の同意 | 15人以上 |
| 国民健康保険団体連合会 | 国民健康保険法 | 都道府県知事 | ― | ― | ― |
都道府県知事認可は「国保」系のみ
700人 → 健康保険組合(単独)
1,000人 → 地域型国民年金基金
3,000人 → 健保(共同)/職能型国民年金基金
発起人15人 → 国保組合・職能型基金
連合会系は「構成団体数」が基準(2基金/20事業主)
被保険者
都道府県の区域内に住所を有する者は、原則として国民健康保険の被保険者になります。
ポイントは、
未成年者も被保険者になる
被扶養者という概念はない
という点です。
国民健康保険は、都道府県単位で運営されています。
そのため、被保険者は都道府県の区域内に住所を有した日に資格を取得し、都道府県の区域内に住所を有しなくなった日の翌日(他の都道府県へ転出した場合はその日)に資格を喪失します。
したがって、同じ都道府県内で市区町村をまたいで転居した場合(例:東京都○○区から△△区へ転居、大阪府A市からB市へ転居)は、引き続き同じ都道府県内に住所を有しているため、
つまり、被保険者資格は継続したままとなります。もっとも、保険者である市区町村が変わるため、転入・転出に伴う届出や資格確認書(または資格情報)の変更などの手続きは必要になります。
生活保護を受給することになった場合、国民健康保険料が免除されるわけではありません。
国民健康保険法では、生活保護法による保護を受けている世帯(保護停止中の世帯を除く)に属する者は、国民健康保険の適用除外とされています。(国民健康保険法6条9号)
そのため、生活保護の開始により適用除外に該当した者は、保護開始日から国民健康保険の被保険者資格を喪失します。(国民健康保険法8条2項)
これは、生活保護受給者は医療扶助により医療を受けるため、国民健康保険による給付を受ける必要がないためです。
保険給付
ここはかなり重要です。
必ず行う給付です。
代表例:
原則として行うが、特別な理由があれば行わないこともできる給付です。
ここで注意するのは、国保では健康保険のような「埋葬料」ではなく、葬祭費・葬祭の給付という表現が出る点です。
実施するかどうかが任意の給付です。
健康保険では傷病手当金・出産手当金は法定給付ですが、国保では任意給付です。
国民健康保険は「最後の拠り所」なので、他の制度で給付を受けられる場合、その範囲では国保の給付は行われません。
たとえば、
などが優先されます。
不服申立て
不服申立ては、
国民健康保険審査会
に審査請求します。
各都道府県に置かれます。 そして、
一審制 です。
なお、市町村及び国民健康保険組合の委託を受けて診療報酬請求書の審査を行うため、都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会(その区域内の都道府県若しくは市町村又は国民健康保険組合の3分の2以上が加入しないものを除く)に、国民健康保険診療報酬審査委員会が置かれています(国民健康保険法87条1項)
国保
後期高齢者
介護
健康保険・年金系 → 社会保険審査官
社会保険審査会(上級審)
審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して「3か月以内」に、文書または口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。(法99条)
審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなされる。(法91条2項)
処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。(法103条)
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