労災保険法
保険給付の種類など

労災保険法には、業務災害に関する保険給付、通勤災害に関する保険給付、複数業務要因災害に関する保険給付及び二次健康診断等給付があります。



目 次

  1. 保険給付の種類
  2. 労働基準法の災害補償との関係
  3. 労働基準法に規定する事業主の「災害補償責任」との関係

 

保険給付の種類

 

  • 労災保険法による業務災害に関する保険給付」は、次の通りである。(法12条の8第1項)

 

業務災害に関する保険給付 具体的な保険給付
 傷病負傷疾病)に関する保険給付
  →傷病の治ゆ前において行われるもの
療養補償給付
休業補償給付
傷病補償年金
 障害に関する保険給付
  →傷病の治ゆ後において行われるもの 
障害補償給付
 介護に関する保険給付
  →傷病の治ゆ前治ゆ後を問わず行われるもの
介護補償給付
 死亡に関する保険給付
  →労働者が死亡した場合に行われるもの
遺族補償給付
葬祭料

 

  •  労災保険法による通勤災害に関する保険給付」は、次の通りである。(法21条)

 

通勤災害に関する保険給付 具体的な保険給付
 通勤災害に関する保険給付は、業務災害に関する保険給付に準じているため、保険給付の内容はほぼ同じである。 療養給付
休業給付
障害給付
遺族給付
葬祭給付
傷病年金
介護給付

 

  •  2021改正労災保険法による複数業務要因災害に関する保険給付」は、次の通りである。(法20条の2)

 

複数業務要因災害に関する保険給付 具体的な保険給付
 複数業務要因災害に関する保険給付 複数事業労働者療養給付
複数事業労働者休業給付
複数事業労働者障害給付
複数事業労働者遺族給付
複数事業労働者葬祭給付
複数事業労働者傷病年金
複数事業労働者介護給付

 

  •  労災保険法による業務災害複数業務要因災害及び通勤災害に関する保険給付以外の保険給付」は、次の通りである。(法26条1項)

 

二次健康診断等給付 具体的な保険給付
 労働安全衛生法に基づいて行われる「一次健康診断」において、業務上の脳心臓疾患に関連する一定の項目に異常の所見がある場合に行われる、業務上の事由による脳及び心臓疾患の発生を予防するための保険給付 二次健康診断等給付
 

労働基準法の災害補償との関係

 

業務災害に関する保険給付傷病補償年金及び介護補償給付除く)は、「労働基準法に規定する災害補償の事由または「船員法に規定する災害補償の事由(労働基準法に規定する災害補償の事由に相当する部分に限る)が生じた場合に、補償を受けるべき労働者若しくは遺族または葬祭を行う者に対し、その請求に基づいて行われる。(法12条の8第2項)

  • 12条の8かっこ書きで傷病補償年金及び介護補償給付が除かれているのは労働基準法及び船員法の規定に基づかない労災保険法独自の保険給付であるためです
    なお傷病補償年金が除かれているのは、「請求によらないためでもあります

労災保険法の保険給付のうち、「労働基準法及び船員法に規定する災害補償の事由が生じた場合に支給されるものは、療養補償給付休業補償給付障害補償給付遺族補償給付及び葬祭料である。(労働基準法75条~77条、労働基準法79条、労働基準法80条、船員法89条1項、船員法91条1項、船員法92条、船員法93条、船員法94条)

  • 通勤災害に関する保険給付は労働基準法の災害補償責任に基づいて支給されるものではありませんこのため業務災害に関する保険給付と異なり通勤災害に関する保険給付の名称には、「補償という文字は使用されていません
  • 労災保険法の保険給付は原則として被災者からの請求に基づき行われますその後に引き続いて生じる事由に係る保険給付についても同様に請求に基づいて行われます

労働基準法に規定する事業主の「災害補償責任」との関係

 

労働基準法に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法または厚生労働省令で指定する法令に基づいて労働基準法の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は補償の責を免れる。(労働基準法84条1項)

  • 労働基準法に規定する災害補償の事由について労災保険法に基づいて災害補償に相当する給付が行なわれた場合においては使用者は労働基準法上の補償の責を免れます(例えば、労災保険の遺族補償一時金の受給権者に対しては、使用者が労働基準法の遺族補償である平均賃金の1,000日分を支給する必要はありません)

複数業務要因災害に関する保険給付は、それぞれの就業先の業務上の負荷のみでは業務と疾病などとの間に因果関係が認められないことから、いずれの就業先も労働基準法上の災害補償責任は負わない。(令和2年8月21日基発0821第1号)

  • したがって、複数事業労働者休業給付について、待期の3日間について、業務上の傷病による休業の場合と異なり、各事業主に労働基準法76条による休業補償を行う義務はありません
  • 複数事業労働者に係る業務災害」については、従来通り災害発生事業場が労働基準法に基づく災害補償責任を負います。

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