国民年金法
老齢基礎年金 合算対象期間B

 国民年金制度が発足した当初は、現在のように最初から統一的な制度が整備されていたわけではありません。職域ごとに運営されていた年金制度を、後の老齢年金に向けてつなぎ合わせるために生まれたのが「通算年金制度」です。


 会社員の配偶者である専業主婦は、当時は国民年金への加入が任意であったため、実際に加入した期間(実期間)だけでは老齢年金の受給資格期間を満たせないケースが多く、無年金となる危険性がありました。
 例えば、若い頃に短期間だけ厚生年金保険に加入し、その後結婚退職をして専業主婦として国民年金に任意加入しなかった女性の場合、厚生年金保険の加入期間以外に年金記録が存在しません。制度を「数珠つなぎ」にしても受給資格期間には届かず、結果として無年金となってしまいます。
 「国民皆年金」を掲げていた中で、こうした専業主婦が無年金となる事態は避けるべき課題でした。そこで導入されたのが、いわゆる「カラ期間」です。任意加入しなかった期間を、年金額には反映させないものの、受給資格期間の計算には組み入れることとし、制度上の不公平や無年金の発生を防ぐ仕組みが設けられました。
 つまり、「厚生年金保険の加入期間」と「専業主婦の任意未加入期間」をつなぎ合わせて受給資格期間を確保し、老齢基礎年金の受給権を発生させられるようにしたのです。

合算対象期間(カラ期間)|キーワード別整理(図:ケ〜セ)

 

1)第1号被保険者の適用除外者

 

記号 内容 期間
厚生年金保険等の老齢給付等の受給権者 昭和36年4月~

 

2)昼間学生

 

記号 内容 期間
昼間学生 昭和36年4月~平成3年3月

 

学生は平成3年3月31日までは任意加入平成元1989年当時の加入率はわずか1%でしたそのため任意加入しないときに障害者となるとなにも年金がもらえない学生無年金問題が常に議論されていました

 そのため平成3年4月1日以後は強制加入としその上で現在では学生納付特例として保険料は猶予することができることになりました。

 一言で言うと「国民年金に任意加入することができた期間で任意加入しなかった期間」と捉えることができます。

 

 

 

3)海外在住

 

記号 内容 期間
海外在住期間 昭和36年4月~昭和61年3月
海外在住期間 昭和61年4月~

 

4)国内在住外国人

 

記号 内容 期間
外国人であった期間 昭和36年4月~昭和56年12月

 

昭和50(1975)年にベトナム戦争が終結しました。これによりいわゆるボートピープルによる難民が多数発生し、日本は難民を受け入れる必要が出てきました。

 難民を受け入れる場合、自国民と同様の取扱いをしなければならず、それまでの国民年金においての外国人適用除外の取扱いを昭和57年1月1日から強制加入に改正したという経緯があります。

 

 

 

5)海外在住外国人

 

記号 内容 期間
海外在住の外国人であった期間 昭和36年4月~

 

まとめ

 

合算対象期間ス・セ

 

外国人であった期間に係る合算対象期間昭和36年4月昭和56年12月)とは、次のものである。(昭和60年附則8条5項10号)

 

  合算対象期間

昭和36年5月1日以後日本国籍を取得した者(注)が日本国内に住所を有していた期間のうち国民年金の被保険者とならなかった昭和36年4月1日から昭和昭和56年12月31日までの期間(20歳以上60歳未満の期間に限り、被用者年金制度に加入していた期間を除く)

  • (注)20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者(永住許可を受けた者を含む)に限る
  • どうして昭和36年5月なんですか?
    昭和36年4月以前に日本国籍を取得した場合国民年金法が施行された昭和36年4月の段階ですでに日本人ですので当該外国人に係る合算対象期間の問題は生じないためです
  • 昭和50(1975)年にベトナム戦争が終結しました。これによりいわゆるボートピープルによる難民が多数発生し、日本は難民を受け入れる必要が出てきました。
    難民を受け入れる場合、自国民と同様の取扱いをしなければならず、それまでの国民年金においての外国人適用除外の取扱いを昭和57年1月1日から強制加入に改正したという経緯があります。

 

 

外国人であった期間に係る合算対象期間昭和36年4月日本国籍取得)とは、次のものである。(昭和60年附則8条5項11号)

 

  合算対象期間

昭和36年5月1日以後日本国籍を取得した者(注日本国内に住所を有していなかった期間のうち、昭和36年4月1日から日本国籍を取得した日の前日までの期間(20歳以上60歳未満の期間に限り、被用者年金制度に加入していた期間を除く)

  • (注)20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者(永住許可を受けた者を含む)に限る

現在多いのはこの【セ】です。

 例えば、外国人の女性が30歳で来日し、国民年金の保険料を滞納を続けていました。その後、51歳で厚生年金保険の被保険者と結婚し、日本国籍を取得したとします。この女性は、第3号被保険者の資格を取得しても9年間しか加入できません。では、受給権は発生しないかというとそうではなく来日する前の20歳から30歳までの10年間合算対象期間に組み入れることができ、受給権が発生します

 20~30歳…合算対象期間(10年間)

 30~51歳…第1号被保険者(滞納期間)

 51~60歳…第3号被保険者(9年間)

  • 国民年金制度発足後に日本国籍を取得した外国人が、長期間海外在住であったために受給資格期間を満たせず、無年金となる事態を防ぐために設けられた規定です。

合算対象期間ソ・タ

 

国会議員に係る合算対象期間昭和36年4月昭和55年3月)とは、次のものである。(昭和60年附則8条5項8号)

 

  合算対象期間

昭和36年4月1日以後昭和55年3月31日までの国会議員であったために国民年金に任意加入することができなかった期間(60歳未満の期間

  • 国会議員に係る合算対象期間昭和55年4月~昭和61年3月)とは、次のものである。(昭和60年附則8条5項1号)

 

  合算対象期間

昭和55年4月1日以後昭和61年3月31日までの国会議員であったために民年金に任意加入しなかった期間(60歳未満の期間

「60歳以上であった期間に係るものを除く」と表現されています。国会議員になることができるのは25歳以上なので、「20歳以上60歳未満の期間」とは表現されていません。

合算対象期間チ

 

脱退手当金に係る合算対象期間(昭和36年4月~昭和61年3月)には、次のものがある。(昭和60年附則8条5項7号)

 

  合算対象期間

昭和36年4月1日以後以後昭和61年3月31日前までに厚生年金保険法または船員保険法の規定による脱退手当金の支給を受けた者の当該脱退手当金の計算の基礎となった期間昭和61年4月1日から65歳に達する日の前日までの間に保険料納付済期間または保険料免除期間を有することとなった場合に限る

かつては短期間だけ会社勤めをした女性は、その期間だけでは厚生年金の受給にはつながらなかったため、脱退手当金を受け取って清算払をするのが一般的だった時代がありました。脱退手当金を受け取っているため、この期間は保険料納付済期間からは除かれることになります

 その後、国民年金制度に加入することがなければ特に問題はないのですが、昭和61年4月1日以後、保険料納付済期間や保険料免除期間を有することとなった場合、この期間だけでは受給権を発生させることが難しい人がでてきます。

 そこで、脱退手当金の計算の基礎となった期間合算対象期間として受給権を発生させることとしています。

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