国民年金法
遺族基礎年金 遺族基礎年金の額

遺族基礎年金は、亡くなった方によって生計を維持されていた**「子のある配偶者」または「子」**に支給されます。

年金額は、定額の**「基本額」**を基礎として、子のある配偶者に支給する場合には、子の人数に応じた加算額を加えて計算します。

遺族基礎年金は、遺族の生活を支えることを目的とした基礎年金であるため、老齢厚生年金や遺族厚生年金のように被保険者期間や報酬額によって基本額が変わる仕組みではありません

 

目次

  1. 遺族基礎年金の額
  2. 増額改定

遺族基礎年金の額

 

「子のある配偶者」に支給する場合

「子のある配偶者」に対する遺族基礎年金の額は、基本額に子の加算額を加えた額となります。(国民年金法38条、39条1項)

遺族基礎年金を配偶者が受給するためには、「子のある配偶者」であることが必要です。

したがって、配偶者に遺族基礎年金が支給される場合には、必ず対象となる子が存在するため、基本額だけではなく子の加算額が加算されます。

 

子のある配偶者の年金額

家族構成 基本額 子の加算額
配偶者+子1人 780,900円×改定率 224,700円×改定率
配偶者+子2人 780,900円×改定率 224,700円×改定率×2
配偶者+子3人 780,900円×改定率 224,700円×改定率×2+74,900円×改定率

子の加算額は、

  • 1人目・2人目:それぞれ224,700円×改定率
  • 3人目以降:1人につき74,900円×改定率

となります。


「子」だけに支給する場合

配偶者がおらず、子が遺族基礎年金を受ける場合には、計算方法が異なります。

子に対する遺族基礎年金の額は、基本額に一定の加算額を加えた額を、遺族基礎年金を受ける子の人数で除して計算します。(国民年金法38条、39条の2第1項)

子の人数 年金額の計算
子1人 780,900円×改定率
子2人配偶者+子1人と同じ 780,900円×改定率+224,700円×改定率
子3人(3人目以降:1人につき74,900円×改定率 780,900円×改定率+224,700円×改定率+74,900円×改定率
子4人 780,900円×改定率+224,700円×改定率+74,900円×改定率×2

このように算出した総額を、受給権を有する子の人数で分けることになります。

例えば、子が4人の場合には、

780,900円+224,700円+74,900円+74,900円

にそれぞれ改定率を反映した額が全体の年金額となり、これを4人で除した額が、それぞれの子に支給されます。

遺族基礎年金の基本額は「定額」

遺族基礎年金の重要な特徴は、亡くなった方の被保険者期間の長さによって基本額が変わらないことです。

基本額は、

780,900円×改定率

であり、老齢基礎年金の「満額」を基礎とする金額です。

したがって、支給要件を満たしている限り、

「何年間保険料を納めていたか」によって遺族基礎年金の基本額が増減するわけではない

という点を押さえておくことが重要です。

増額改定

 

遺族基礎年金の受給権を取得した後に子が増えたからといって、必ず年金額が増えるわけではありません。

増額改定が行われる代表的なケースが、死亡当時に胎児であった子が生まれた場合です。

配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時に胎児であった子が出生したときは、その子について、

  • 受給権取得当時に遺族の範囲に該当していた
  • 配偶者と生計を同じくしていた

ものとみなされます。

その結果、出生した日の属する月の翌月から遺族基礎年金の額が増額改定されます。(国民年金法39条2項)

 

具体例

夫が死亡した時点で、妻に子が1人おり、さらに妻が妊娠していたとします。

夫の死亡時点では、

妻+子1人

として遺族基礎年金が計算されます。

その後、胎児であった第2子が出生すると、

妻+子2人

として計算し直され、出生した月の翌月から第2子に係る加算額が反映されます。


胎児であった子が生まれた場合の請求

被保険者または被保険者であった者の死亡当時に胎児であった子が出生したことによって、妻と子が遺族基礎年金の受給権を取得した場合には、裁定請求書について妻と子が連名しなければなりません。(国民年金法施行規則40条2項)

また、その受給権者が同じ死亡を支給事由とする遺族厚生年金の受給権も有する場合には、遺族基礎年金の裁定請求を遺族厚生年金の裁定請求と併せて行います。(同規則40条5項)


受給権取得後に子と生計を同じくしても増額されない

ここは、増額改定を理解するうえで重要なポイントです。

配偶者に支給される遺族基礎年金の子の加算は、原則として、配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時に遺族の範囲に属し、かつ、配偶者と生計を同じくしていた子を基礎として計算されます。

したがって、受給権を取得した後に、

新たに子と生計を同じくするようになっただけでは、原則として増額改定されません。

例えば、死亡した被保険者によって生計を維持されていなかった子と、夫の死亡後に養子縁組をしたとしても、そのことだけを理由として遺族基礎年金が増額されるわけではありません。

同様に、夫の死亡当時に配偶者と生計を同じくしていなかった子が、その後、配偶者と一緒に生活するようになったとしても、それだけでは増額改定の対象となりません。

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