国民年金法
老齢基礎年金の額(基本年金額)

(いちばん大事な軸)

老齢基礎年金は、

「満額(約78万円)」をベースに、加入状況に応じて減額する仕組み

です(=フルペンション方式)。

つまり、

  • 40年(480か月)きっちり納めた → 満額
  • 途中で免除や未納がある → その分だけ減る

 

目次

  1. 基本年金額(原則)
  2. 基本年金額(免除期間及び未納期間を有する場合)

基本年金額(原則)

 

老齢基礎年金の額は、780,900円改定率を乗じて得た額である。(法27条)

老齢基礎年金の額50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。(法27条かっこ書)

 

老齢基礎年金の額
 (老齢基礎年金の額)=(780,900円)×(改定率

 

老齢基礎年金の額は、20歳から60歳までの40年間(480カ月)、その全期間保険料を納付した場合に、満額である「780,900円×改定率」が支給される、いわゆる「フルペンション(減額)方式」を採っています。

 

 老齢基礎年金の満額の推移

 

■重要な前提(ここがポイント)

齢基礎年金の満額は、年齢区分によって2種類の金額が生じることがあります。

 

① 新規裁定者

67歳以下の受給権者

→ 原則として賃金の変動を基準として改定

 

② 既裁定者

68歳到達年度以後の受給権者

→ 原則として物価の変動を基準として改定

 

区分 意味 年金額改定の基本 正確な定義
新規裁定者  67歳以下の受給権者 原則として賃金変動を基準 文字どおり新たに年金の裁定を受ける者ですが、年金額の改定ルール上は、実務では通常、67歳以下の受給権者として整理されます。厚生労働省も「新規裁定者(67歳以下の方)」と表現しています。
既裁定者 68歳到達年度以後の受給権者 原則として物価変動を基準 すでに公的年金を受け取っている者をいい、年金額の改定ルール上は、68歳到達年度以後の受給権者として扱われます。日本年金機構も「既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)」と明記しています。

 

■  なぜズレるのか

マクロ経済スライド+改定方式の違い

ざっくり

  • 新規裁定者 → 賃金ベース
  • 既裁定者 → 物価ベース マクロ経済スライド(抑制) がかかる

 

■ イメージで覚える

  • 新規裁定者 → 「今の現役世代の水準」
  • 既裁定者 → 「インフレに合わせて少しずつ調整」

なお、「賃金に連動」「物価に連動」はあくまで基本形です。実際の改定では、賃金と物価の動きの組合せやマクロ経済スライドによる調整が入るため、常に単純に「新規裁定者=賃金上昇率そのまま」「既裁定者=物価上昇率そのまま」になるわけではありません。

 

  令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度 令和7年度 令和8年度
新規裁定者 781,700円 780,900円 777,800円 795,000円 816,000円 831,700円 847,296円
既裁定者       792,600円 804,200円 約816,000円 844,896円
  • 新規裁定者…(780,900円)×(改定率1.065)=831,658.5→831,700円(100円未満四捨五入)
  • 齢基礎年金には、「配偶者がいることによる加算は行われません

   参照 老齢厚生年金 加給年金 老齢厚生年金に付く“家族手当” 扶養している配偶者(妻)や子がいる場合に上乗せ

基本年金額(免除期間及び未納期間を有する場合)

 

■ 「月数」がそのまま使えない理由

納付済はいいんですが、免除期間は“満額扱いじゃない”ので、割合をかけて換算します。

 

平成21年4月以後(重要)

区分 年金への反映割合
納付済 1
1/4免除 7/8
半額免除 3/4
3/4免除 5/8
全額免除 1/2

要するに「払った分+国庫負担分」を合計した割合

 


まず「全額納付した1か月」を考える

 

現在の制度では、老齢基礎年金の財源は大まかに、

本人が納める保険料 1/2 + 国庫負担 1/2

という構造になっています。

そこで、全額納付した1か月の年金額への反映を、分かりやすく8コマ=満額としてみます。

財源 コマ
本人の保険料に対応する部分 4
国庫負担に対応する部分 4
合計 8

つまり、 本人4 + 国4 = 8/8

なので、全額納付ならその月は100%年金額に反映されます。


では「半額免除」だと?

 

半額免除は、

本来払うべき保険料の半分を本人が払う 制度です。

全額納付なら本人負担に対応する部分は「4コマ」でした。

その半分だけ払うので、

本人分:4 × 1/2 = 2コマ

になります。

一方、国庫負担に対応する4コマは残ります。

したがって、

本人2コマ + 国4コマ = 6コマ

満額は8コマなので、

6/8=3/4

となります。

だから、半額免除された1か月は、満額納付した1か月の「3/4」として年金額に反映される

ということです。


免除割合を全部並べると分かりやすい

 

現在の国庫負担割合を前提にすると、こうなります。

保険料の状態 本人分 国庫負担分 合計 年金額への反映
全額納付 4 4 8 8/8=1
1/4免除(3/4納付) 3 4 7 7/8
半額免除(1/2納付) 2 4 6 6/8=3/4
3/4免除(1/4納付) 1 4 5 5/8
全額免除 0 4 4 4/8=1/2

ここから、

7/8、3/4、5/8、1/2

という一見中途半端な数字が出てきます。


■ 平成21年4月で区切られる理由

ここ、超重要。

  • ~平成21年3月:国庫負担 1/3
  • 平成21年4月~:国庫負担 1/2

だから「同じ免除でも価値が違う」

例:

  • 昔の全額免除 → 1/3
  • 今の全額免除 → 1/2

■ 未納・猶予の扱い

これはシンプル:

  • 未納 → 0(完全に無視)
  • 学生特例・納付猶予 → 追納しない限り0

「あとで払えば復活する枠」

 


■ まとめ

覚えるべき本質はこれだけです:

 

① 480か月が満額

② 免除は「割合で減る」

③ 平成21年で割合が変わる

④ 未納・猶予は基本0

 

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