厚生年金保険法
被保険者等

  • 厚生年金保険は、被用者を対象とする社会保険であり、適用事業所に使用される70歳未満の労働者については強制加入が原則となります。
  • 厚生年金保険の被保険者資格は70歳に達したときに喪失します。しかし、在職老齢年金制度は70歳以上の使用される者に対しても適用されるため、70歳以上被用者該当の届出が必要となります(なお、70歳以上被用者期間は、被保険者期間と異なるため、厚生年金保険の保険料は徴収されず、また、年金額にも反映されません)。

 

目 次

  1. 一般の被保険者(当然被保険者)
  2. 適用除外
  3. 当然被保険者の資格喪失
  4. 70歳以上の使用される者(70歳以上被用者)

一般の被保険者(当然被保険者)

 

 

当然被保険者」とは、適用事業所に使用される70歳未満の者であり、その者の厚生年金保険加入の意思の有無を問わず当然に被保険者となるものをいう。(法9条)

  • 船員法に規定する船員とし船舶に乗り組む者も70歳未満であれば被保険者となります
  • 被保険者とされるか否かの判断基準については、健康保険法と同一です。
    • 健康保険と異なり、「船員保険の被保険者適用除外には該当しません
  • 私立学校教職員共済制度の加入者であっても70歳未満の者は当然被保険者となりますこの場合、「第4号厚生年金被保険者となります

適用除外

 

適用事業所に使用される者は、原則として、被保険者となるが、次に掲げる適用除外に該当する者は、被保険者とされない。(法12条)

    適用除外者   例外的な取扱い
1 臨時に使用される者で、日々雇い入れられる者 船舶所有者に使用される船員を除く 1か月を超えた場合
  臨時に使用される者で、2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの 船舶所有者に使用される船員を除く

定めた期間を超えた場合

  • 定めた期間を超えて雇用を継続する場合にはその超えた日から被保険者となります
2 季節的業務に使用される者 船舶所有者に使用される船員を除く 当初から継続して4か月を超える場合
3

臨時的事業の事業所に使用される者

  当初から継続して6か月を超える場合
4

事業所で所在地が一定しないものに使用される者

  • 巡回興行などの所在地が一定しない事業
 

使用期間の長さに関わらず適用除外となります

  • 健康保険と異なり、「船員保険の被保険者適用除外には該当しません
  • 上記1.2.に該当する場合であっても船舶所有者に使用される船員は適用除外とはなりません

 

 参照⇨ 健康保険法における適用除外

当然被保険者の資格喪失

 

当然被保険者は、次のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に被保険者の資格を取得するに至ったとき、または6.に該当するに至ったときは、その日)に、被保険者資格を喪失する。(法14条)

翌日 1.死亡したとき。
2.その事業所または船舶使用されなくなったとき。
3.任意適用事業所の適用取消しの認可があったときなど。
4.適用除外の規定に該当するに至ったとき。
その日 5.上記の事実があった日に更に被保険者の資格を取得するに至ったとき
6.70歳に達したとき
  • 例えば3月31日に入社した者が4月30日に退職した場合には3月31日に資格を取得し5月1日に資格を喪失することになります

70歳以上の使用される者(70歳以上被用者)

 

1  条文(厚生年金保険法27条1項かっこ書)

 

この法律において「70歳以上の使用される者」とは、被保険者であった70歳以上の者であって、適用事業所に使用される者であり、かつ、適用除外に該当しないものをいう。

また、具体的な手続等は厚生年金保険法施行規則10条の4で定められています。

 


 

2  条文の構造

この条文は「70歳以上被用者」の要件を定義しています。
要件は次の3つです。

被保険者であった70歳以上の者
適用事業所に使用される者
適用除外に該当しない者

この3つを満たした人だけが「70歳以上の使用される者(70歳以上被用者)」になります。

 


 

3 「被保険者であった者」という要件の意味

 

ここが重要です。

70歳以上被用者になるには過去に厚生年金の被保険者であったことが必要です。

つまり

  • 一度も厚生年金の被保険者になったことがない人

  • 70歳以降に初めて適用事業所で働き始めた人

 

この要件を満たさないため「70歳以上の使用される者」には該当しません。

 


 

4  なぜこの要件があるのか

 

厚生年金の被保険者資格は70歳到達で喪失します(厚生年金保険法12条)

しかし、70歳以降も働く人がいるため、「被保険者ではないが、働いている元被保険者」を把握する必要があります。

これは主に在職老齢年金の支給調整のためです。

そのため「被保険者であった者」に限定されています。

 


 

5  該当しない例

次のような人は70歳以上被用者に該当しません。

 

① 70歳まで自営業で厚生年金に一度も加入したことがない人

② 70歳を過ぎて初めて会社に就職した人

③ 過去に厚生年金に加入したことがない人

 

これらは「被保険者であった者」ではないため法27条の「70歳以上の使用される者」に該当しません。

 


 

6 まとめ

 

厚生年金保険法27条の「70歳以上の使用される者」とは次のすべてを満たす者です。

  1. 厚生年金の被保険者であった者

  2. 70歳以上

  3. 適用事業所に使用されている

  4. 適用除外に該当しない

 

したがって過去に被保険者でなかった者は、70歳以上で働いていても「70歳以上被用者」には該当しません。

 

 参照 → 高齢任意加入被保険者

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