賃金総額の特例

賃金総額とは実際に支払った賃金の合計


でも 建設業では賃金総額が分からないことが多いので、請負金額から賃金総額を推計する

林業などでも

  • 日雇い的
  • 出来高・季節変動が大きい

正確に賃金を把握できない

 

労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、

  1. 請負による建設の事業
  2. 立木の伐採の事業
  3. 林業の事業(2.を除く)
  4. 水産動植物の採捕または養殖の事業であって

​かつ、賃金総額を正確に算定することが困難な事業については、「賃金総額の特例」が認められている。(則12条)

賃金総額の特例①(請負による建設の事業)

建設業では

  • 下請が多い
  • 工事ごとに労働者が変わる
  • 実際の賃金集計が困難

という事情があります。


例えば

建設会社A

↓

下請B

↓

下請C

↓

職人D

という構造だと、

正確な賃金総額の把握が難しいことがあります。


そこで

実際の賃金総額の代わりに

請負金額から推定する

方法が認められています。


計算式

まず賃金総額を推定します。

賃金総額 = 請負金額  ×  労務費率


 

その後

一般保険料 = 賃金総額  ×  一般保険料率


となります。

具体例

請負金額

1,000万円


労務費率

23%


すると

賃金総額 =1,000万円×23% =230万円


 

保険料率

10/1000

なら

230万円×10/1000 =23,000円


となります。

労務費率とは

簡単に言うと

「この業種なら請負金額の何%くらいが人件費だろう」

という推定割合です。


例えば

建築事業

↓

23%

など

業種ごとに決められています。


消費税は含めない


平成27年以降

請負金額は

消費税等相当額を除く

つまり 税抜金額

で計算します。


例

工事代

1,100万円(税込)


消費税

100万円


請負金額

1,000万円

として計算


材料を支給された場合

注文者が

  • 鉄骨
  • セメント
  • 木材

などを支給した場合


請負代金には入っていなくても

実質的には工事価値の一部です。


そのため

請負金額 + 支給材料の価額


で計算します。

例

請負代金

1,000万円


支給材料

200万円


請負金額

1,200万円

として計算


機械を貸与された場合

同様に

クレーン

ショベルカー

などを貸与された場合


損料相当額

を加算します。


例

請負代金

1,000万円


クレーン使用料相当

100万円


請負金額

1,100万円

として計算


機械の組立・据付工事の特例


例えば

工場設備

1億円


据付工事

500万円


契約書上

1億500万円

になっている場合があります。


しかし

組立業者が行う仕事は

据付作業です。


機械そのものの値段は

労働者の賃金と関係ありません。


そのため

請負金額 - 機械装置の価額


で計算します。

例

契約総額

1億500万円


機械代

1億円


請負金額

500万円

として計算


なぜ控除するのか

例えば

同じ据付作業でも


高級機械

1億円


安価な機械

100万円


で請負金額が変わると

保険料も大きく変わってしまいます。


しかし作業員の人数や賃金は

ほとんど変わりません。


そこで

機械そのものの価額は除外

することになっています。


まとめ

 

建設業の賃金総額特例

賃金総額 =請負金額×労務費率

 

請負金額

✅ 税抜価格


加算するもの

  • 支給材料の価額
  • 貸与機械の損料相当額

控除するもの

  • 組立・据付工事における機械装置の価額

覚え方

「材料や機械をもらったら足す、据付対象の機械そのものは引く」

と覚えると整理しやすいです。

 

立木の伐採の事業

計算方法

1㎥あたりの労務費 × 材積(体積)


つまり

  • 「どれだけ木を切ったか」で計算

なぜ分かれているのか(理解ポイント)

 

✔ 造林・炭焼きなど

  • 作業がバラバラ
  • 人数や日数で管理しやすい

→ 日数ベース


✔ 伐採

  • 成果が明確(木の量)
  • 出来高管理がしやすい

→ 体積ベース


 

まとめ(超重要)

区分 計算方法
造林・炭など 平均賃金 × 日数
立木の伐採 労務費単価 × 材積

 

 

よくある誤り

  • ❌ 林業は全部同じ計算
    → 違う(伐採だけ別)
  • ❌ 伐採も日数で計算
    → 違う(体積)
  • ❌ 平均賃金は実際の賃金
    → 違う(みなし額)

一発暗記フレーズ

「林業は日数、伐採は体積」

賃金総額の特例③(林業の事業(立木の伐採の事業を除く)及び水産業)

 

林業(※立木伐採を除く)

対象:

  • 造林
  • 木炭・薪の生産
  • その他の林業(ただし伐採以外)

✔ 計算方法

平均賃金 × 総暦日数(使用期間)


つまり

  • 「1日いくらとみなす」×「何日使ったか」

ポイント
実際の賃金ではなく“みなし計算”

登録支援/有料職業紹介のご相談はこちら

 

お問い合わせはこちらから

芸術家×起業家

 

お     一般社団法人芸商橋
 

               BusinessArtBridge

 

サイト内検索

サイドメニュー