雇用保険法
求職者給付(基本手当(1))

基本手当とは、求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的とし、被保険者であった人が離職した場合において、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない場合に支給されるものです。

 

目 次

  1. 求職者給付
  2. 就職促進給付

期間の区分と概要(雇用保険)

 

期間 概要
被保険者であった期間 被保険者として雇用されていたすべての期間(在籍期間)
被保険者期間 離職日からさかのぼって1か月ごとに区分し、その区分された期間のうち、賃金支払基礎日数が11日以上ある期間、又は、賃金の支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある期間を1か月として算定する期間(応当日方式)
算定対象期間 被保険者期間を計算するための期間であり、受給資格要件を判定する際における、離職日以前の2年間(原則)をいう。
受給期間 基本手当の支給を受けることができる期間
算定基礎期間

被保険者として雇用された全ての期間(在籍期間)。所定給付日数を決定する際に利用する。

  • 「きゅうふ日数ーきそ期間」
支給要件期間 被保険者として雇用された全ての期間(在籍期間)。教育訓練給付金の受給要件を判定する際に利用する。
 
 

受給資格要件

 

基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間(算定対象期間)に、被保険者期間が通算して12か月以上であったときに支給される。(法13条1項)

 

受給資格要件(原則)
離職の日以前2年間算定対象期間)に、被保険者期間通算して12か月以上であること

同一の事業主に対する被保険者期間である必要はありません

受給資格要件の緩和

 

算定対象期間は、次に定める理由により、引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった期間があるときは、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を当該期間に加算した期間とされる。(法13条1項、則18条)

 

受給資格要件の緩和
  1.  疾病負傷
  2.  事業所の休業
  3.  出産
  4.  事業主の命による外国における勤務
  5.  国と民間企業との間の人事交流に関する法律に基づく交流採用
  6.  これらに準ずる理由であって、管轄公共職業安定所長がやむを得ないと認めるもの

 

受給資格要件の緩和が行われた場合、その加算後の期間4年を超えるときは4年間とされる。(法13条1項かっこ書)

  • 欠勤期間が30日未満である場合には、原則として算定対象期間に加えることができないので、たとえば「15日」の欠勤については加えることができません。
  • 加えることができるのは加算後の期間が最大4年間までです

 

例外として、当該中断した期間が途中で中断した場合であって、次の要件のいずれにも該当する場合は、これらの期間の日数をすべて加算することができる
(行政手引50153)

中断した期間が途中で中断した場合における特例
  1.  離職の日以前2年間または1年間において、受給要件の緩和が認められる理由により賃金の支払を受けることができなかった期間があること。
  2.  同一の理由により賃金の支払を受けることができなかった期間と途中で中断した場合の中断した期間との間が30日未満であること。
  3.  2.の各期間の賃金の支払を受けることができなかった理由は、同一のものが途中で中断したものであると判断できるものであること。

 

受給要件の緩和欠勤が30日以上継続していて断続があってはならないことが原則ですが同一の理由である場合において欠勤の中断が30日未満であるときは加算することができます

 「同一の理由であることが要件ですので、「異なる理由による場合には通算されません


 

被保険者期間などの定義

  • 被保険者であった期間被保険者期間の定義は次の通りである。(行政手引50103)

 

被保険者であった期間  被保険者として雇用されていたすべての期間在籍期間
被保険者期間

 離職日からさかのぼって1か月ごとに区分し、その区分された期間のうち、賃金支払基礎日数11日以上ある期間(注)を1か月として算定する期間(応当日方式

  • (注)離職日が令和2年8月1日以後であって、離職日以前の2年間(特定理由離職者及び特定受給資格者にあっては1年間)に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月(特定理由離職者及び特定受給資格者にあっては6か月に満たない場合は、賃金支払基礎日数が11日以上または賃金の支払の基礎となった労働時間数80時間以上

 

  • 離職日が令和2年8月1日以後であって原則として離職日以前の2年間に賃金支払基礎日数の11日以上の月が12か月に満たない場合は被保険者が離職した日の翌日または喪失応当日の各前日から各前月の喪失応当日までさかのぼった各期間が、「賃金支払基礎日数が11日以上または 賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上であるものを1か月として計算します 
  • 賃金支払基礎日数だけだと勤務日数が少ない人が雇用保険の給付を受けることができないことも想定されるため被保険者期間の算入に当たり賃金支払基礎日数だけでなく労働時間による基準補完的に設定できるようになりました

 

  • 被保険者期間の算定において、1か月未満の端数が生じた場合、当該1か月未満の日数15日以上であり、かつ、当該期間内における賃金支払基礎日数11日以上(離職日が令和2年8月1日以後であって、離職日以前の2年間(特定理由離職者及び特定受給資格者にあっては1年間)に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12か月(特定理由離職者及び特定受給資格者にあっては6か月)に満たない場合は、賃金支払基礎日数が11日以上または賃金の支払の基礎となった労働時間数80時間以上)あるときは、当該期間を被保険者期間の2分の1か月として計算する。(法14条1項ただし書、法14条3項)

 

  •  被保険者期間の計算方法をまとめると次の通りになる。(行政手引50103)
原則
  •  離職日からさかのぼって1か月ごとに区分し、その区分された期間のうち、賃金支払基礎日数11日以上あるものを被保険者期間1か月」として算定する。
  •  区分した期間において1か月未満の端数が生じた場合、当該1か月未満の日数が15日以上であり、かつ、当該期間内における賃金支払基礎日数11日以上あるときは、当該期間を被保険者期間の「2分の1か月」として算定する。
特例
(離職日が令和2年8月1日以後)
  •  算定対象期間中の被保険者期間が12か月(特定理由離職者及び特定受給資格者にあっては6か月)に満たない場合には、1か月ごとに区分した期間のうち、賃金支払基礎日数11日以上または賃金の支払の基礎となった労働時間数80時間以上あるもの被保険者期間1か月」として算定する。
  •  区分した期間において1か月未満の端数が生じた場合、当該1か月未満の日数が15日以上であり、かつ、当該期間内における賃金支払基礎日数が11日以上または賃金の支払の基礎となった労働時間数80時間以上あるもの被保険者期間の「2分の1か月」として算定する。

 

賃金支払基礎日数により計算された被保険者期間が12か月特定理由離職者及び特定受給資格者にあっては、6か月に満たない場合には賃金支払基礎時間による特例が認められています

 

原則

  1. 4月1日入社、離職日を9月25日(喪失日9月26日)とします。
  2. 資格喪失の日の前日(離職日)からさかのぼって1か月ごとに区切っていきます(①8/26~9/25、、、、⑤4/26~5/25)
  3. 各期間それぞれ賃金支払基礎日数が11日あれば、5か月が被保険者期間となります。
  4. 次に、端数の部分を考えます。4月1日から4月25日は、日数が15日以上あるため、原則として、賃金支払基礎日数が11日以上あれば、1/2か月の被保険者期間となります。
  5. したがって、被保険者期間は、「5.5か月」となります。

 

特定受給資格者(算定対象期間に被保険者期間が通算6か月以上必要)のケースで説明をします。

  1.  原則の考え方すなわち賃金支払基礎日数をもとに判断すると被保険者期間は3.5か月1/1~1/252/26~3/254/26~5/255/26~6/25)」となり要件を満たしていません
  2.  このような場合には賃金支払基礎時間を補完的に使い被保険者期間を判断していきますそうすると1/262/25 (8日出勤80時間就労)3/264/25(10日出勤80時間就労) 7/268/25 (9日出勤80時間就労) 3か月も被保険者期間となるため通算して6.5か月となり受給資格要件を満たしたことになります

 

家族手当住宅手当などの支給が1か月分ある場合でも、本給が11日分未満しか支給されないときは、その月は被保険者期間には算入されない。(行政手引50103)

 

二重に被保険者資格を取得していた被保険者

  1. 一の事業主の適用事業から離職し、
  2. その前後に他の事業主の適用事業から離職した場合は、被保険者期間として計算する月は、後の方の離職の日に係る算定対象期間について算定する。(行政手引50103)
  • 複数の会社で同時に雇用されていた人が複数の会社を辞めた場合、被保険者期間を計算するときには、「最後に辞めた会社(一番新しい離職日)」を基準として、受給資格の有無が判断されます。

雇用保険は、マルチ高年齢被保険者を除き、2以上の事業所で加入することはできないため、同じ期間について複数の事業所の被保険者期間を二重にカウントすることはありません。(東京ハローワーク被保険者に関するQ&A(Q6))

被保険者であった期間から除外する期間

 

最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が受給資格高年齢受給資格または特例受給資格を取得したことがある場合には、当該受給資格高年齢受給資格または特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間は、被保険者期間には含まれない。(法14条2項1号)

受給資格の取得とは公共職業安定所長が基本手当の支給を受けることができる資格を有すると認定する(=受給資格者証が交付されることをいいます一度この受給資格が確定するとその資格の決定を受けた離職日以前の被保険者期間は次に失業した場合の新たな受給資格の算定には使用できません(=受給資格がリセットされる)。これは実際に基本手当高年齢求職者給付金または特例一時金を受給したかどうかは問いません。(法13条1項、行政手引50102、50103)

最新の離職票に係る被保険者となった日前に当該被保険者が受給資格高年齢受給資格または特例受給資格の決定を受けたことがある場合における当該受給資格高年齢受給資格または特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間被保険者であった期間に含めません。(行政手引50103)

被保険者となったことの確認があった日の2年前の日前における被保険者であった期間は、被保険者であった期間含まれない。(法14条2項2号)

被保険者資格を取得した日が、被保険者資格の取得の確認が行われた日の2年前の日より前であるときは、被保険者資格の取得の確認が行われた日の2年前の日がその者の被保険者資格の取得の日とみなされる。(行政手引20502)

被保険者資格の取扱いについてさかのぼって確認があった場合においては最大限2年」が被保険者であった期間となります。(行政手引50103)

2026改正被保険者が教育訓練休暇給付金の支給を受けたことがある場合には、教育訓練休暇給付金に係る休暇開始日前における被保険者であった期間は、被保険者であった期間含まれない。(法14条2項3号)

  • 2026改正教育訓練休暇給付金の支給を受けた場合休暇開始日より前の被保険者期間や雇用保険に加入していた期間はリセットされ通算できなくなりますそのため一定期間は基本手当などを原則受給できなくなります

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