国民年金法
給付制限など

国民年金法における給付制限は、社会通念上、年金を支給することが不適当な場合や、第三者から損害賠償を受けられる場合などに、年金の全部または一部を支給しない、あるいは停止する措置です。

 

目次

  1. 絶対的給付制限
  2. 一時差止め
  3. 損害賠償との調整

絶対的給付制限

 

国民年金法における絶対的給付制限(支給されないには次のものがある。(法69条、法71条)

 

 

制限事由 絶対的給付制限
  •  故意に障害を生じさせた者があるとき
  •  故意障害の直接の原因となった事故を生じさせた者があるとき
 当該障害を支給事由とする障害基礎年金全部不支給
  •  被保険者または被保険者であった者故意死亡させた者があるとき
 当該死亡における遺族基礎年金寡婦年金または死亡一時金全部不支給
  •  被保険者または被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金または死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者があるとき
 当該死亡における遺族基礎年金または死亡一時金全部不支給
  •  遺族基礎年金の受給権者他の受給権者故意に死亡させたとき
 遺族基礎年金受給権の消滅

 

  • 労災保険法、国民年金法、厚生年金保険法のいずれの法律においても、絶対的給付制限においては「直接の原因」と、相対的給付制限においては「原因」と表現しています。
  • 遺族基礎年金の受給権が消滅するのは他の受給権者を故意に死亡させたときであり、「故意または過失によってのときではありません

 ⇨ 各法律における絶対的支給制限

一時差止め

 

 

受給権者が、正当な理由がなくて届出をせず、または書類その他の物件を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。(法73条)

 

この規定は、年金を受けている人が必要な手続きをしない場合のペナルティを定めたものです。
ポイントは 「一時差止め」と「支給停止」の違いです。


 

1  一時差止めとは何か

年金の受給者が、

  • 必要な届出をしない

  • 必要な書類を提出しない

といった場合に、年金の支払いを一時的に止めることができる制度です。

ただし条件があります。

「正当な理由がない場合」です。


 

2  具体例

例えば年金では、

  • 現況届

  • 生存確認

  • 収入状況の報告

などを求められることがあります。もし受給者が

  • 届出をしない

  • 書類を出さない

 

場合、国は「状況が確認できないので、とりあえず支払いを止めます」という対応をします。これが 一時差止めです。


 

3  「支給停止」との違い(重要)

 

一時差止め

手続きをすればあとでまとめて支払われる

つまり支払いを保留しているだけ


 

支給停止

法律上の理由でその期間の年金は支払われない

つまりその期間の年金は消滅する


 

4 具体例

 

一時差止め

65歳

届出を出していない

支払いストップ

あとで届出提出

まとめて支給


 

支給停止

例えば

  • 在職老齢年金

  • 刑務所収監

  • 所得制限

などの場合

その期間は最初から支給されない

 

年金の給付制限

 

行為(何をしたか) 年金はどうなるか ポイント 種類
故意に障害の原因を作った 障害基礎年金は支給されない 自分でわざと事故などを起こした 絶対的給付制限
故意に被保険者を死亡させた 遺族基礎年金は支給されない 故意の殺害 絶対的給付制限
本来遺族年金をもらう人を故意に死亡させた 遺族基礎年金は支給されない 不正に受給しようとした 絶対的給付制限
他の受給権者を死亡させた 遺族基礎年金の受給権を失う 受給権そのものが消える 絶対的給付制限
故意の犯罪・重大な過失で事故を起こした 年金の全部または一部が支給されないことがある 必ずではない 相対的給付制限
医師の指示に従わず悪化させた 年金の全部または一部が支給されないことがある 治療拒否など 相対的給付制限
書類提出命令や受診命令に従わない 年金の支給を停止できる 手続きを拒否 支給停止
届出や書類を提出しない 年金の支払いを一時差し止める 後で提出すれば支払われる 一時差止め

損害賠償との調整

 

 

政府は、障害若しくは死亡またはこれらの直接の原因となった事故が第三者の行為によって生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。(法22条1項)

障害若しくは死亡またはこれらの直接の原因となった事故が第三者の行為によって生じた場合において、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、給付を行う責を免かれる。(法22条2項)

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