労災保険法 
目的等

労災保険法においては、労働者を使用する事業適用事業とする。(法3条1項)

 

目 次

  1. 官公署に対する適用
  2. 労働法令の国及び公共団体についての適用
  3. 外国人労働者
  4. 暫定任意適用事業

官公署に対する適用

 

国の直営事業及び官公署の事業労働基準法別表第1に掲げる事業を除くについては、労災保険法は適用されない。(法3条2項)

国の直営事業とは国費により国自ら直接に行う事業をいいます。かつては、国鉄、電々公社、郵便、印刷局、煙草専売局、塩専売局等がありましたが、現在では該当するものはありません。(昭和23年8月4日基収2465号)

官公署の事業労働基準法別表第1に掲げる事業を除く)」とは、非現業の官公署をいう。(昭和23年8月4日基収2465号)

  • どうして国の直営事業及び官公署の事業が適用除外なのかというと国家公務員災害補償法方公務員災害補償法が適用されるためです

地方公務員のうち「現業の非常勤職員」については、労災保険法の適用がある。(地方公務員災害補償法2条1項1号、地方公務員災害補償法67条2項)

都道府県市町村の現業部門については労災保険法では適用除外とはされていませんが常勤職員については地方公務員災害補償法の規定によって適用除外とされているため結果的に地方公務員のうち現業の非常勤職員については労災保険法が適用されます
(昭和23年12月17日基収3836号、地方公務員災害補償法67条2項)。

地方公務員の現業の非常勤職員には、「市の経営する水道事業の非常勤職員などが該当します。(昭和27年8月9日基収3670号)​

行政執行法人独立行政法人国立印刷局独立行政法人造幣局など)には国家公務員災害補償法が適用されるため、労災保険法は適用されず行政執行法人以外の独立行政法人には労災保険法が適用される。(独立行政法人通則法59条)

 
 
  身分 労働基準法 労災保険法 雇用保険法 健康保険法 厚生年金保険法
現業 非現業
一般職の国家公務員   適用除外

適用除外

  • 国の直営事業

適用除外

  • 官公署の事業

(現業を除く)

退職給付の内容が求職者給付・就職促進給付の内容を超える者は適用除外

  • 国等 
    → 承認不要
  • 都道府県等 
    → 大臣の承認
  • 市町村等 
    → 局長の承認

適用

  • ただし、給付・保険料徴収は行われない
適用
一般職の地方公務員   一部適用 非常勤職員のみ適用

適用除外

  • 官公署の事業

(現業を除く)

独立行政法人 行政執行法人の職員 国家公務員型 適用 適用除外
中期目標管理法人の職員 非公務員型 適用 適用 適用 適用 適用
国立研究開発法人の職員 非公務員型

適用労働者

  • 労災保険法の適用を受ける労働者を適用労働者」という。
  • 労災保険法上の労働者とは、労働基準法上の労働者であるとされている。
    • 労災保険法では、「労働者の定義は明文化されていませんしかし労働基準法と時を同じくして発足した経緯から労働基準法9条の労働者と同一のものであると解されています
  • 労働者であるかどうかは「使用される」者であるかどうか、その対償として「賃金」が支払われるかどうかによって判断される。いわゆる、アルバイトパートタイマー試用期間中の者臨時雇用者日雇労働者季節雇用労働者等であっても名称の如何を問わず労働関係が認められる限り労働者とされる
    • 試の使用期間中の労働者であっても雇入れの日から労災保険法が適用されます

外国人労働者

 

外国人労働者にも、労災保険法の適用があり、国籍の如何を問わない。(昭和43年10月9日基収4194号、平成11年3月31日基発168号)

入管法による在留資格又は就労資格を有しない外国人労働者(不法就労外国人であっても、労働基準法9条に規定する労働者に該当すれば、労災保険法が適用される。(昭和43年10月9日基収4194号、平成11年3月31日基発168号)

技能実習生として就労する外国人は、入国1年目から労働者として労災保険法における労働者として、労災保険法の適用を受ける。(平成29年10月27日基発1027第52号)

実習実施者が暫定任意適用事業に該当する場合を除き技能実習生に対しても労災保険法が強制適用されます
なお、暫定任意適用事業であっても、労災保険に係る保険関係の成立又はこれに類する措置(労災保険の代替措置として民間の任意保険への加入)を講ずることが求められています。(技能実習制度運用要領第4章)

 参照 ⇨ 国民健康保険と技能実習における外国人第1号被保険者

暫定任意適用事業

 

農林の事業、畜産養蚕又は水産の事業(都道府県市町村その他これらに準ずるものの事業法人である事業主の事業及び船員法1条に規定する船員を使用して行う船舶所有者の事業除く)であって、常時5人未満の労働者を使用する事業は、一定の事業を除き、当分の間、任意適用事業暫定任意適用事業)となる。(昭和44年附則12条、整備政令17条、昭和50年労告35号)

 

事業の種類 暫定任意適用事業の要件
 農業畜産養蚕の事業)  常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業
 ただし、次の事業は除く
  1.  一定の危険又は有害な作業を主として行う事業(毒劇薬・毒劇物等の取扱い、危険又は有害なガスの取扱い、重量物の取扱い等の作業を主として行う事業)
  2.  農業関係特別加入をしている事業主が行う事業
 林業

 労働者を常時には使用せず
  かつ
 1年以内の期間において使用労働者延人数300人未満である個人経営の事業

  • 例えば11月から3月までの5箇月間1箇月の稼働日数は20日とします1日2人の労働者を使用した場合2人×20日×5箇月延人数は200人となります
 水産業  常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業であって、
  1.  総トン数5トン未満漁船により操業するもの
    又は
  2.  内水面特定水面において主として操業する漁船総トン数は不問
    1. 内水面河川や湖沼)」特定水面陸奥湾富山湾若狭湾東京湾伊勢湾大阪湾有明海及び八代海大村湾鹿児島湾)」とはつまるところ危険度の低い水面をいいますこれらにおいて主として操業する事業の場合は総トン数は不問で暫定任意適用事業となります。(平成12年労告120号別表第2)

 

暫定任意適用事業の理由(平成3年3月1日発労徴13号、基発123号)

  •  農業
  1. ゆい手間替えという労力の相互融通の習慣がありゆい手間替えによって働く者は一般的に労働者とは言えないけれどもこれらの者と労働者との外見的区別が困難であるため
  2. 農繁期のみに労働者を使用することが多く実態を把握することが困難であるため
  •  林業水産業未適用の範囲が比較的小さいため

 

暫定任意適用事業とされる農業の場合であっても事業主が農業関係の特別加入をしたときは原則として労働者に係る保険関係が成立します
なお、「農業関係の特別加入には

  1. 特定農作業従事者としての特別加入
  2. 指定農業機械作業従事者としての特別加入があります
  • 労災保険法における暫定任意適用事業個人経営農業畜産及び養蚕の事業を含む)、林業及び水産業の一部であり当該事業以外は原則として労災保険の適用事業となります
  • 林業の事業であっても、「常時労働者を1人でも使用するもの労災保険の適用事業となります
  • 総トン数5トン未満の漁船が暫定任意適用事業に該当します例えば観光船を運行する事業などは適用事業に該当します
  • 船員を使用して行う船舶所有者の事業暫定任意適用事業の水産業からは除かれているため労災保険法の適用事業となります

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