特定技能「自動車運送業」

運転免許+事業所の要件

特定技能「自動車運送業」は、外国人をトラック・タクシー・バスのドライバーとして受け入れるための制度です。

採用には、外国人本人の技能試験・日本語能力・運転免許の要件に加え、受入れ企業の認証取得、協議会への加入、支援体制の整備などが必要です。

ここでは、運転免許の取得と受け入れ事業所の要件を解説します。 

必要な運転免許の種類 (外免切り替え制度を含む)

 

トラック ➡ 第一種運転免許

タクシー ➡ 第二種運転免許

バス   ➡ 第二種運転免許

 

【運転免許の種類】

  • 第一種運転免許(道交85):自動車や原動機付自転車を一般的な目的で運転する場合に必要な免許。自家用自動車(白ナンバー)、営業用自動車(緑ナンバー)の種類を問わずに運転は可能。大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車免許などの種類がある。
  • 第二種運転免許(道交86):バスやタクシーなどの旅客自動車を旅客運送(利用者から直接運賃を受け取って走らせる)のため運転しようとする場合や、運転代行の業務として顧客の普通自動車を運転する場合(すなわち旅客運送契約遂行として自動車を運転する場合)に必要な免許。第一種運転免許証を一定期間有する者であること等が受験資格とされている(道交96Ⅴ)。

自動車運転免許の取得について

 

日本の自動車運転免許は、いつ取得することになりますか?

  1. 海外に居住している外国人の場合、

なお、外免切替を行うためには事前に海外で自動車運転免許を取得し、 当該国に3か月以上滞在していることが必要です。

  1. 日本に居住している外国人の場合、
  • ①特定技能評価試験と
  • ②日本語試験に合格し、
  • ⑤日本の自動車運転免許を取得したのちに、現在の在留資格から
  • ⑥特定技能の在留資格への変更申請を行う必要があります。

いずれの場合においても、①特定技能評価試験を受けるためには、日本又は外国で取得した自動車運転免許(試験実施日において有効なものに限る。)を保有しておく必要があります。 

 

特定活動期間中に日本の自動車運転免許を取得できなかった場合はどうなりますか?

在留資格「特定活動55号」特定自動車運送業準備期間中に日本の自動車運転免許を取得できなかった場合は、 特定技能の在留資格を取得することはできません。また、特定活動の在留期間を更新することはできません。 

 

既に日本の普通自動車運転免許を取得している外国人に対し、特定活動期間中に中型、大型免許を取得させることは可能ですか?

在留資格「特定活動55号」特定自動車運送業準備の期間は、トラック運送業においては、普通自動車運転免許を取得していただくことを目的に設けられたものとなりますので、既に普通自動車運転免許を有している場合については、特定活動期間中に中型・ 大型の免許を取得することはできません。

 

現地で日本の自動車運転免許と同等の自動車運転免許を取得していれば、日本の技能試験の免除等の特例措置はありますか? 

原則、

  • 日本の指定自動車教習所で教習を受けた上で日本の運転免許を取得するか、
  • 日本の運転免許センターで外免切替手続きを行った上で日本の運転免許を取得することとなりますので、

現地で日本の自動車運転免許と同等の自動車運転免許を取得していた場合でも、日本の技能試験の免除等特例措置はございません。 

 

中型・大型運転免許を取得するには、普通免許を取得してから2~3年以上経過していることが必要と聞いていますが、海外における運転経歴でもよいのでしょうか?

海外における運転経歴でも問題ありません。詳細は警察庁にお問い合わせください。

 

国際運転免許証を所持している外国人の場合、日本の免許をとらずに特定技能外国人として運転業務に従事することは可能でしょうか?

国際運転免許証のみを所有している外国人について、特定技能外国人として運転業務に従事することはできません。

 

東京都における運転免許の学科試験の多言語対応について

✓特定技能外国人を受入れられる事業所

 特定技能外国人を雇用する受入れ機関 (特定技能所属機関)は、以下に該当しなければなりません。

 

【受入の前提となる条件】

・道路運送法の第2条第2項に規定する自動車運送事業(第二種貨物利用運送事業を含む)に該当すること。

・日本標準産業分類では、43 道路旅客運送業 44 道路貨物運送業 が該当します。
 「他人から依頼を受けて、運賃や手数料をもらい、貨物や旅客の輸送をする事業」
 というイメージです。

・自動車運送事業を行うには各種「運送業許可」を得る必要があります。

なお、自動車運送事業に含まれる貨物運送事業と類似した事業として、廃棄物(ごみや不要物)の回収・運搬を行う廃棄物収集運搬事業が思い浮かぶかもしれません。しかし、廃棄物収集運搬事業は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称、廃掃法)」が根拠となる事業であり、同法律で要求される「廃棄物収集運搬業許可」は「運送業許可」とは全くの別物です。

中分類 88 廃棄物処理業
小分類 881 一般廃棄物処理業
細分類 8815 ごみ収集運搬業

したがって、「廃棄物~許可」を有して産業廃棄物の運搬を行っていても、自動車運送事業とはあくまでも別物であり、特定技能外国人の受け入れはできません。
なお、特定産業分野に資源循環が追加され、業務区分として 廃棄物処分業(中間処理) が追加される予定ですが、収集運搬業者の運転手・運転助手・事務員・最終処分業従業員は該当しません。

 

 

【雇用形態】

・特定技能外国人との雇用契約は直接雇用のフルタイムでなければなりません。

 

【構成員資格証明書】

・特定技能所属機関は、自動車運送業分野特定技能協議会の構成員であることが必須です。

・また、協議会に対して必要な協力を行う必要があります。

 

【必要資格 (上乗せ条件)】

・運転者職場環境良好度認定制度又は、安全性優良事業所認定制度 (以下、Gマーク制度) の認定を受けた事業所であること。

・タクシー運送業とバス運送業では、受入れ外国人に新任運転者研修を実施すること。

・国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力 を行うこと。

 

【登録支援機関を使う場合】

・登録支援機関に委託する場合は、登録支援機関も自動車運送業分野特定技能協議会に加入する必要があります。

・登録支援機関は協議会に対して必要な協力を行う必要があります。

・登録支援機関は国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力 を行う必要があります。

自動車運送業特定技能協議会

加入をご希望の際は規約及び運営規程をご確認の上、
各フォームよりご申請ください。

 

  特定技能所属機関 登録支援機関
自動車運送業分野特定技能協議会加入届出書 [第1号様式] [第2号様式]
自動車運送業分野特定技能協議会構成員資格証明書発行申請書 [第5号様式] [第6号様式]
自動車運送業分野特定技能協議会構成員変更届出書 [第3号様式] [第4号様式]
自動車運送業分野特定技能協議会退会届出書 [第7号様式] [第8号様式]

「Gマーク」と「働きやすい職場認証制度」の比較

 

結論から言うと、目的(安全重視か、人材採用重視か)と現状の社内体制で選ぶべき制度が変わるのがポイントです。


 

① 制度の特徴(本質的な違い)

 

■ Gマーク(貨物自動車安全性優良事業所)

  • 主眼:安全管理・法令遵守(運行・車両・事故)
  • 対象:貨物運送事業者のみ
  • 評価軸:
    • 事故・違反実績
    • 運行管理体制
    • 車両管理・安全教育
  • 業界内での認知度:非常に高い(20年以上の歴史)

 

イメージ
「安全性の証明(取引先向け)」

 


 

■ 働きやすい職場認証制度

  • 主眼:労働環境・働き方改革(人材確保)
  • 対象:トラック・バス・タクシーすべて
  • 評価軸:
    • 労働時間・休日
    • 社会保険・賃金
    • 健康・福利厚生
    • 多様な人材活用
  • 制度開始:2020年(比較的新しい)

 

イメージ
「働きやすさの証明(採用向け)」

 


 

② 費用面の違い

 

■ Gマーク(貨物自動車安全性優良事業所)

  • 公表情報ベースでは
    • 数万円~十数万円程度(営業所単位)
  • ただし:
    • 営業所ごと申請
    • 準備コスト(書類整備)が重い

 

 

■ 働きやすい職場認証制度

  • 審査料:約3万~5万円(電子申請)
  • 登録料:約6万円+営業所加算
    → 合計:約10万~20万円程度(一般的)

 


 

③ 申請難易度・取得までの期間

 

■ Gマーク(貨物自動車安全性優良事業所)

  • 難易度:やや高い
  • 理由:
    • 点数制(落ちることがある)
    • 過去3年の事故・違反が影響
  • 期間:
    • 年1回申請 → 結果まで数か月

特徴
「審査型(選抜)」


 

■ 働きやすい職場認証制度

 

  • 難易度:比較的低い(特に一つ星)
  • 理由:
    • 要件を満たせば基本的に取得可能
  • 期間:

特徴
「要件充足型(通過型)」


 

④ 取得後の管理・更新

 

■ Gマーク(貨物自動車安全性優良事業所)

  • 有効期間:
    • 初回2年 → 3年 → 4年…(長期化)
  • 管理:
    • 安全管理体制の維持
    • 事故・違反があると更新に影響
  • 特徴:
    • 一度取ると更新は比較的安定

 

■ 働きやすい職場認証制度

 

  • 有効期間:2年ごと更新
  • 管理:
    • 労働時間・賃金・制度の維持
    • 法令違反があると即影響
  • 特徴:
    • 継続的な労務管理が必要(地味に重い)

 

⑤ おすすめ

 

■ 「取得しやすさ」で選ぶなら

働きやすい職場認証(1つ星)

  • 要件充足型
  • 初年度取得しやすい
  • 特定技能の要件にも対応

 

■ 「営業・対外評価」で選ぶなら

Gマーク

  • 荷主・元請からの信頼が強い
  • 業界内評価が高い
  • 保険・行政優遇あり

■ 「採用強化」で選ぶなら

働きやすい職場認証

  • 求人票でアピール可能
  • ハローワーク連携あり

 

最初は「働きやすい職場認証(1つ星)」が現実的におすすめ

理由:

  • 取得難易度が低い
  • 外国人雇用要件クリア
  • 採用に直結
  • 準備負担が軽い

 


 

まとめ

 

観点 Gマーク 働きやすい職場認証
主目的 安全 労働環境
難易度 やや高い 低い
費用 同程度 同程度
更新 安定 継続管理必要
おすすめ 信用・営業 採用・初取得

✓働きやすい職場認定制度について

 ⇨より詳しくはコチラ 

正式名称を、「運転者職場環境良好度認定制度」といいます。令和2年に、職場環境改善に向けた自動車運送事業者の取組みを「見える化」することで、各事業者の人材確保の取組みを後押しすることを目的に創設された制度です。一つ星、二つ星、三つ星と水準が高くなっていきます。

 

【審査要件】

→6分野の基本的な取組要件を満たす必要があります。

[1]法令遵守等、[2]労働時間・休日、[3]心身の健康、[4]安心・安定、[5]多様な人材の確保・育成、[6]自主性・先進性等 ※[6]は二つ星と三つ星のみ

 

申請サイト;新規取得の方へ | 自動車運送事業者の働きやすい職場認証制度 (untenshashokuba.go.jp)

 

 

 ⇨より詳しくはコチラ

日本海事協会;自動車運送事業者の働きやすい職場認証制度

✓Gマーク (安全性優良事業所)について

 ⇨より詳しくはコチラ

 

 利用者が安全性の高い事業者を選びやすくなる等の観点から、輸送の安全の確保に積極的に取り組んでいる事業所を認定する制度です。Gマーク認定事業所の事故割合は未取得事業所に比べて半分以下ともいわれています。

 

申請サイト;2024年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度) 新規申請・初回~5回⽬更新申請 | 全日本トラック協会 | Japan Trucking Association (jta.or.jp)

 

 ⇨より詳しくはコチラ

2023度から6回目の更新を迎える事業者は「ゴールドGマーク」が使用できるようになった

外国人ドライバーの採用・在留申請のご相談

 

外国人ドライバーの採用では、在留資格の申請に加え、運転免許の取得、研修、企業側の認証、協議会への加入を並行して進める必要があります。

ソリューション行政書士法人では、採用予定者と受入れ企業の状況を確認し、必要な手続きと準備事項をご案内します。

トラック・タクシー・バス分野での外国人採用をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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