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ソリューション行政書士法人
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老齢厚生年金に付く“家族手当”
扶養している配偶者(妻)や子がいる場合に上乗せ
目 次
支給要件
加給年金額は、老齢厚生年金の受給権者(夫)が次のすべてを満たす場合に加算されます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① | 厚生年金被保険者期間が240か月(20年以上)あること(中高齢の短縮特例を含む) |
| ② | 老齢厚生年金の受給権取得当時、生計維持している家族がいること |
老齢厚生年金を取得した時点で扶養家族がいなければ、その後結婚や出生があっても加給年金は付きません。
老齢厚生年金を繰上げても、
加給年金は65歳になるまで付きません。
65歳前でも
定額部分の支給が開始する際加給年金が付きます。
| 老齢厚生年金 | 加給年金 |
|---|---|
| 報酬比例部分のみ | × |
| 定額部分開始 | ○ |
| 65歳以降 | ○ |
繰下げ中は加給年金は支給されません。
受給開始後に加算されますが、
加給年金自体は繰下げ増額の対象外です。
参照 ⇨ 振替加算(老齢基礎年金の額)国民年金法
支給額
| 区分 | 対象 | 加給年金額の算定方法 |
|---|---|---|
| 配偶者(妻)対象の加給年金額 | 配偶者(妻) | 224,700円 × 改定率 + 特別加算 |
| 子対象の加給年金額 | 第1子 | 224,700円 × 改定率 |
| 第2子 | 224,700円 × 改定率 | |
| 第3子以降 | 74,900円 × 改定率 |
加給年金額は、
基準額 × 改定率
によって計算します。
この計算によって端数が生じた場合には、次のように処理します。(法44条2項)
| 計算後の端数 | 端数処理 |
|---|---|
| 50円未満 | 切り捨て |
| 50円以上100円未満 | 100円に切り上げ |
つまり、
加給年金額の端数処理は「100円単位の四捨五入」
と考えることができます。
例えば、改定率を乗じた後の金額が次のようになった場合です。
224,742円
→ 端数は42円
→ 50円未満なので切り捨て
→ 224,700円
一方、
224,768円
→ 端数は68円
→ 50円以上なので100円に切り上げ
→ 224,800円
となります。つまり、見るべきなのは100円未満の部分です。
0円~49円 → 切り捨て
50円~99円 → 100円に切り上げ
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
配偶者に係る加給年金額は、224,700円に改定率を乗じて得た額とし、子についても所定の基準額に改定率を乗じて計算します。
その際、
50円未満の端数が生じたときは切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは100円に切り上げる
加給年金額の端数処理
50円未満 → 切捨て
50円以上100円未満 → 100円に切上げ
したがって、
100円単位の四捨五入
です。
10円単位ではありません。
(妻)補足ポイント
特別加算額
配偶者(一般的に妻)が65歳になるまで老齢基礎年金が支給されないため、
その間の年金水準を補う制度です。
配偶者加給年金
224,700円 + 特別加算 165,800円
=390,500円
これは、 老齢基礎年金の満額のベースとなる金額780,900円の約半額となるよう設計されています。
| 老齢厚生年金の「受給権者(夫)」の生年月日 | 「配偶者加給年金額」に加算される特別加算の額 |
|---|---|
| 昭和9年4月2日~昭和15年4月1日 | (33,200円)×(改定率) |
| 昭和15年4月2日~昭和16年4月1日 | (66,300円)×(改定率) |
| 昭和16年4月2日~昭和17年4月1日 | (99,500円)×(改定率) |
| 昭和17年4月2日~昭和18年4月1日 | (132,600円)×(改定率) |
| 昭和18年4月2日以後 | (165,800円)×(改定率) |
配偶者加給年金
224,700円 + 特別加算 165,800円
=390,500円
これは、 老齢基礎年金の満額のベースとなる金額780,900円の約半額となるよう設計されています。
| 区分 | 根拠法 | 対象者 | 生年月日の範囲 | 支給額の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 振替加算 | 国民年金法 | 老齢基礎年金の受給権者(妻) | 大正15年4月2日 ~ 昭和41年4月1日 | 妻の生年月日が早いほど額が大きい |
| 特別加算 | 厚生年金保険法 | 老齢厚生年金の受給権者(夫) | 昭和9年4月2日 ~ 昭和18年4月1日 | 夫の生年月日が遅いほど額が大きい(最大) |
振替加算は「妻」の生年月日が基準
特別加算は「夫」の生年月日が基準
両者は
対象者
金額が大きくなる方向
が逆なので、混同注意です。
加給年金額の加算対象となる配偶者・子はいつの時点で判定される?
加給年金額について注意したいのが、配偶者や子との生計維持関係を「いつ」の時点で判定するのかという点です。
老齢厚生年金の加給年金額は、原則として、老齢厚生年金の受給権を取得した当時に、受給権者によって生計を維持していた配偶者または子がいる場合に加算されます。
したがって、老齢厚生年金の受給権を取得した後に結婚した場合や、受給権取得後に養子縁組をして子との生計維持関係が生じた場合には、原則として、その配偶者や子を対象とする加給年金額は加算されません。
たとえば、老齢厚生年金の受給権を取得した時点では子がいなかった方が、その後、10歳の子と養子縁組をして、その子の生計を維持するようになったとしても、そのことだけを理由として、養子縁組をした月の翌月から加給年金額が加算されるわけではありません。
これは、厚生年金保険法第44条第1項が、加給年金額の対象となる配偶者または子について、「受給権者がその権利を取得した当時」その者によって生計を維持していた者と定めているためです。
対象となる家族は、次のいずれかに該当する必要があります。
なお、老齢厚生年金の受給権を取得した時点では、その年金額の計算の基礎となる厚生年金の被保険者期間が240月未満であったものの、その後240月以上となった場合には、その「240月以上となるに至った当時」に加給年金額の要件を判定することになります。
そのため、「受給権を取得した後は、どのような場合でも新たに加給年金額が加算されることはない」というわけではありません。
この点は、障害基礎年金における子の加算とは取扱いが異なるため、特に注意が必要です。
障害基礎年金では、受給権が発生した時点ですでに生計を維持していた子だけでなく、障害基礎年金の受給権を取得した後に出生した子など、受給権取得後に新たに生計維持関係が生じた子についても、一定の要件を満たせば子の加算の対象となります。
これに対して、老齢厚生年金の加給年金額は、原則として**「受給権を取得した当時」**の家族関係・生計維持関係を基準として判定します。
つまり、両制度には次のような違いがあります。
| 制度 | 受給権取得後に新たに生計維持する子ができた場合 |
|---|---|
| 老齢厚生年金の加給年金額 | 原則として加算されない |
| 障害基礎年金の子の加算 | 要件を満たせば加算の対象となる |
老齢厚生年金の加給年金額を検討する際には、単に「現在、65歳未満の配偶者や一定年齢以下の子を扶養しているか」だけではなく、その配偶者や子が、法律上の基準となる時点ですでに受給権者によって生計を維持されていたかを確認することが重要です。
【根拠条文:厚生年金保険法第44条第1項】
老齢厚生年金の受給権を取得した当時、受給権者(夫)の子がまだ胎児であった場合には、その子は、受給権取得当時から受給権者(夫)によって生計を維持されていた子とみなされます。
そのため、その子が出生したときは、出生した月の翌月から加給年金額が加算されることとなり、老齢厚生年金の年金額が改定されます。(厚生年金保険法44条3項)
老齢厚生年金の受給権を取得した時点で、配偶者(妻)が妊娠中であったとします。
その後、子が11月に出生した場合には、その子は受給権取得当時から生計維持関係にあったものとみなされ、12月分から加給年金額が加算されます。
減額改定
加給年金は「扶養関係がなくなったら翌月から外れる」
対象者が要件を満たさなくなったとき
その月の翌月から加給を外す
配偶者(妻)が 受給権者(夫)による生計維持の状態がやんだとき
その月の翌月から加給年金額は加算されない
法44条4項2号
加給年金は
「扶養している家族」に対する上乗せ
扶養がなくなれば
即アウト
加給年金額の対象となっている配偶者(妻)が65歳に達したときは、加給年金額は減額改定されます。
これは、配偶者(妻)が老齢基礎年金の受給資格期間を満たしているかどうかを問いません。
したがって、配偶者(妻)が老齢基礎年金を受給できない場合であっても、65歳に到達した時点で加給年金額は終了します。(厚生年金保険法44条4項4号)
加給終了
→ 代わりに
振替加算 へ移行
65歳でも終了しない
→ めちゃ重要
→ 翌月から
→ 例外あり 大正15年4月1日以前生まれ
要件喪失 → 翌月改定
参照 ⇨ 障害基礎年金の「子のみの失権事由」
配偶者加給年金額の支給停止
配偶者(妻)自身が一定の年金を受けられる場合は、
配偶者(妻)分の加給年金額は支給停止となります。
| 年金 | 条件 |
|---|---|
| 老齢厚生年金 | 被保険者期間20年以上(中高齢短縮特例含む) |
| 障害厚生年金 | 1~3級 |
| 障害基礎年金 | 支給停止されていないもの |
※障害手当金は対象外です。
加給年金は家族手当としての性格を持つため、
配偶者自身が十分な老齢厚生年金や障害年金を受けられる場合には、
二重の生活保障とならないよう支給停止されます。
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