厚生年金保険法
支給の繰下げ・繰上げ

老齢厚生年金にも老齢基礎年金と同様に繰下げ及び繰上げの規定が設けられています。

 

老齢厚生年金の繰上げの規定は2つあります。

  1. 1つめは特別支給の老齢厚生年金が全く支給されない者(男性でいえば昭和36年4月2以後生まれの者)に対する繰上げ、
  2. 2つめは61歳から64歳までの生年月日に応じた年齢から特別支給の老齢厚生年金が支給される者(男性でいえば昭和28年4月2日から昭和36年4月1日生まれの者)に対する繰上げです。

 

目 次

  1. 支給繰下げの要件

支給繰下げの要件

 

老齢厚生年金の受給権を有する者が次の要件を満たしたときは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げ申出をすることができる。
(法44条の3第1項)

 

支給繰下げの要件
  1.  受給権を取得した日から起算して1年を経過した日老齢厚生年金請求していなかったこと。
  2.  「老齢厚生年金の受給権を取得したとき」または「受給権を取得した日から起算して1年を経過した日までの間」において次の年金たる給付の受給権者となっていないこと。

ア. 厚生年金保険法による他の年金たる保険給付
イ. 国民年金による年金たる給付老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金除く

  • 2.のア.の厚生年金保険法による他の年金たる保険給付には障害厚生年金遺族厚生年金があります
  • 2.のイ.の国民年金による年金たる給付には老齢基礎年金障害基礎年金遺族基礎年金付加年金及び寡婦年金があります
  • 2.のイ.で老齢基礎年金付加年金障害基礎年金が除外されているため2.のイ.は、「遺族基礎年金のことを指しています国民年金法による年金たる給付の中で遺族基礎年金だけは老齢厚生年金と併給することが認められていないためです
  • なお寡婦年金の受給権を有していたとしても繰下げの申出はすることができます寡婦年金は65歳までの有期年金であり65歳に達したときにはすでに失権しているためです

まとめると障害厚生年金遺族厚生年金遺族基礎年金の受給権を有していると支給繰下げの申出をすることができないことになります

 

 

老齢「基礎」年金の繰下げ

 

 基本的に他の年金給付の支給を受けることができる場合には支給繰下げの申出はできませんが

  1. 付加年金
  2. 老齢厚生年金は除かれています

 この2つの年金は老齢基礎年金とともに繰下げを行うことができる併給が認められているものだからです

 

 

  • 老齢厚生年金の繰下げの申出をすることができるのは繰下げの開始時点と待機中に、「障害基礎年金以外の障害遺族の年金給付の受給権を有していないことが必要です
    国民年金の繰下げと大きく異なる点、「障害基礎年金の受給権の取扱いです
  • 65歳以上の場合障害基礎年金と老齢厚生年金は併給が認められているため障害基礎年金の受給権を取得した場合であっても支給繰下げの申出をすることができます

 

繰下げ待機したあとの受給権者の選択肢は次の2つに分かれます

  1.  当初の予定通り繰下げを行う増額される)。
  2.  繰下げの申出をせず65歳から受け取れるはずだった年金を一括で受け取り以後は通常増額はされないの年金を受け取る

 繰下げ時点で健康面に不安を感じてるような場合、2.を選択する人もいます。

 

  • 特別支給の老齢厚生年金を受給したことがあっても老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができます

 

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