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ソリューション行政書士法人
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障害手当金は、厚生年金保険の制度の一つで、
「病気やけがは治ったが、一定程度の障害が残った人」
に対して支給される一時金です。
ここで重要なのは、
という違いです。
障害に関する年金制度は、イメージとして次のように整理できます。
| 状態 | 制度 |
|---|---|
| 重い障害が残り、継続的保障が必要 → まだ治っていなくても対象になり得る | 障害厚生年金 |
| 障害は比較的軽いが、後遺症が残った → 「治った(症状固定)」ことが前提 | 障害手当金 |
つまり障害手当金は、
「年金を支給するほど重くはないが、後遺障害は残っている」
場合の救済制度です。
障害手当金は年金ではないため、一時金として支給され、障害の程度は3級程度より軽いものとされています。
次の点を押さえることが重要です。
覚え方としては、まず次の言葉を押さえると整理しやすくなります。
障害手当金=初診日から5年以内に治り、比較的軽い障害が残った場合の一時金
目 次
障害手当金は、次のすべてを満たす必要があります(法55条1項・2項)。
① 初診日に厚生年金の被保険者であること
まず、
初めて医師の診療を受けた日(初診日)
に厚生年金保険の被保険者である必要があります。
つまり、会社員や厚生年金加入者であることが必要です。
障害手当金は「厚生年金」の制度なので、厚生年金加入中の初診日が必要になります。
これは障害年金と同じ考え方です。
簡単に言うと、
年金保険料を一定程度きちんと納めていること
が必要です。
次のどちらかを満たします。
原則
初診日の前々月までの被保険者期間のうち、次の期間を合計した期間が全体の3分の2以上であることが必要です。
現在は特例があり、
65歳未満であれば、
初診日前の直近1年間に未納がない
場合もOKです。
ここが障害手当金最大の特徴です。
初診日から5年を経過した後に傷病が治った場合は、原則として障害手当金の対象にはなりません。
ここでいう「治った」は、
完全回復
ではありません。
法律上は、
症状固定
を意味します。
これ以上治療しても、
という状態です。 つまり、
というイメージです。
障害手当金は、
比較的早期に症状固定した人
を対象にした制度です。 また、
カルテ保存期間
との関係も考慮されています。
病院のカルテ保存期間は原則5年なので、
医学的資料を確認しやすい期間として5年が設定されています。
治った時点で、
一定程度の障害が残っている
必要があります(令3条の9、令別表第2)。
障害厚生年金3級より軽いものです。
つまり、
| 制度 | 障害の重さ |
|---|---|
| 障害厚生年金1級・2級 | 重い |
| 障害厚生年金3級 | 中程度 |
| 障害手当金 | 比較的軽い |
という位置づけです。
例えば、
労働に一定の制限がある
程度の障害が対象になります。
障害厚生年金と障害手当金の主な違いは、次のとおりです。
| 障害厚生年金 | 障害手当金 | |
|---|---|---|
| 給付方法 | 年金 | 一時金 |
| 傷病の治ゆ | 治っていなくてもよい | 治っていることが必要 |
| 主な判定時期 | 障害認定日 | 傷病が治った日 |
| 障害の程度 | 1級・2級・3級 | 3級より軽い一定の障害 |
| 期間要件 | 原則として初診日から1年6か月 | 初診日から5年以内に治っていること |
まだ治療中でも、
1年6か月経過時点で重い障害状態なら支給されます。
病気は落ち着いたが、
後遺症だけ残った場合の制度です。
ここも理解すると整理しやすいです。
労災保険と年金制度では、障害の判定時期に違いがあります。
| 制度 | 給付 | 判定時期・要件 |
|---|---|---|
| 労災保険 | 障害(補償)等給付 | 原則として治ゆまたは症状固定後 |
| 国民年金・厚生年金保険 | 障害基礎年金・障害厚生年金 | 原則として初診日から1年6か月を経過した障害認定日 |
| 厚生年金保険 | 障害手当金 | 初診日から5年以内に治った日 |
労災では、
「治ゆ(症状固定)」後
に障害補償給付を行うのが原則です。 つまり、
という流れです。
一方、年金制度は、
「初診日から1年6か月」
を基準にします。 そのため、
まだ治療中でも障害年金が認められることがあります。
| 制度 | 基準 |
|---|---|
| 労災 | 治ゆ(症状固定) |
| 障害年金 | 初診日から1年6か月 |
| 障害手当金 | 5年以内の治ゆ |
となります。
実務では、
「障害手当金=治っていることが必要」
これをまず押さえると整理しやすいです。
さらに、
「5年以内に症状固定」
までセットで覚えると理解しやすくなります。
障害手当金が支給されない場合
障害の程度を定めるべき日に、次のいずれかに該当する場合は、障害手当金は支給されません。(法56条)
障害手当金の原因となった傷病と同一の支給事由であるかどうかにかかわらず、厚生年金保険の年金給付を受ける権利がある場合は、原則として障害手当金は支給されません。
ただし、障害厚生年金の受給権者であって、現在は障害等級に該当せず、最後に障害等級に該当しなくなった日から3年を経過している場合などは、例外的に障害手当金の対象となることがあります。
障害手当金の原因となった傷病と同一の支給事由であるかどうかにかかわらず、国民年金の年金給付を受ける権利がある場合も、原則として障害手当金は支給されません。
この場合も、障害基礎年金の受給権者で、現在は障害等級に該当せず、最後に障害等級に該当しなくなった日から3年を経過している場合などには、例外があります。
同一の傷病について、次の制度などによる障害補償を受ける権利がある場合は、障害手当金は支給されません。
例えば、同じ業務災害による障害について労災保険の障害補償給付を受ける権利がある場合は、障害手当金の受給権は発生しません。
法56条に該当する場合は、障害手当金の支給が一時的に止められるのではありません。
障害手当金の受給権そのものが発生しないことになります。
また、次の違いにも注意が必要です。
過去に障害手当金を受給したことがあっても、その後、別の傷病によって新たに障害手当金の支給要件を満たした場合は、再び障害手当金を受けられることがあります。
過去に一度受給したことだけを理由として、その後の障害手当金が一律に支給されなくなるわけではありません。
障害手当金の額は、原則として、障害厚生年金の報酬比例部分の額を基礎として計算した額の2倍です。
障害手当金は一時金であるため、この金額が一度に支給されます。
最低保障額
計算した障害手当金の額が一定額を下回る場合には、最低保障額が適用されます。(法57条ただし書)
最低保障額は、次の金額です。
障害厚生年金3級の最低保障額の2倍
障害厚生年金3級の最低保障額は、障害基礎年金2級の額の4分の3に相当する額です。
したがって、障害手当金の最低保障額は、次のように整理できます。
障害基礎年金2級の額 × 4分の3 × 2
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