安衛法
安全衛生教育

労働災害を防止するためには、「安全衛生教育」が必要です。どういった立場の人がどの時点で教育を受けなければならないのかを整理することが大切です。

 

目 次

  1. 安全衛生教育
  2. 安全衛生教育の時間
  3. 雇入れ時・作業内容変更時の教育
    1. 教育項目
    2. 教育の省略
  4. 特別教育
    1. 対象業務
    2. 記録の保存
  5. 職長教育
    1. 対象業種
    2. 教育事項及び教育時間
    3. 教育の省略
  6. 教育の努力義務

安全衛生教育

 

  • 安全衛生教育には、次のものがある。
安全衛生教育の種類
  1.  雇入れ時作業内容変更時の教育
  2.  特別教育
  3.  職長教育

安全衛生教育の時間

 

安全衛生教育は、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止をはかるため、事業者の責任において実施されなければならないものであり安全衛生教育の実施に要する時間労働時間と解されるので、当該教育が法定時間外に行なわれた場合には、当然割増賃金が支払われなければならない。(昭和47年9月18日基発602号、昭和63年9月16日基発601号の1)

この取り扱いは、雇入れ時・作業内容の変更時の教育、特別教育及び職長教育を問いません。(昭和47年9月18日基発602号、昭和63年9月16日基発601号の1)

特別教育ないし職長教育を企業外で行う場合の講習会費講習旅費等についても、労働安全衛生法に基づいて行うものについては、事業者が負担すべきものである。(昭和47年9月18日基発602号)

 参照 → 労働時間(賃金支払と費用負担

雇入れ時・作業内容変更時の教育

 

事業者は、事業の種類及び業務の内容を問わず労働者雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、その従事する業務に関する安全又は衛生のために必要な事項について「雇入れ時作業内容変更時教育」を行なわなければならない。(法59条1項・2項)

  • 作業内容を変更したときも安全衛生教育を実施しなければなりません
  • 雇入れ時作業内容変更時教育常時使用する労働者のみならず臨時に使用する労働者を含む全ての労働者に対して行わなければなりません

教育項目

 

  • 教育項目は次の通りである。(則35条1項)
教育項目
  1.  機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること
  2.  安全装置有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること
  3.  作業手順に関すること
  4.  作業開始時の点検に関すること
  5.  当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
  6.  整理整頓及び清潔の保持に関すること
  7.  事故時等における応急措置及び退避に関すること
  8.  その他当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項

教育科目教育時間等の実施に関する細目は法令上定められていません。

教育の省略

 

事業者は、「雇入れ時作業内容変更時教育」の事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。(則35条2項)

職業訓練を受けた者等教育すべき事項について十分な知識および技能を有していると認められる労働者には教育事項の全部又は一部の省略認められています(「雇入れ時・作業内容変更時の教育」のみならず、「特別教育」及び「職長教育」のいずれにおいても、当該事項についての教育を省略することができます)。(昭和47年9月18日基発601号の1)

特別教育

 

事業者は、危険又は有害な業務で厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全又は衛生のため特別の教育を行なわなければならない。(法59条3項)

  • 特別教育、「定期的に実施する性格のものではありません

対象業務

 

  • 特別教育の対象業務のうち、主なものは次の通りである。(則36条)
対象業務
  1.  研削といしの取替え又は取替え時の試運転の業務(1号)
  2.  動力プレスの金型安全装置等の取付け取外しは調整の業務(2号)
  3.  アーク溶接機を用いて行う金属の溶接溶断等の業務(3号)
  4.  2025改正対地電圧が50ボルトを超える蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務(4号の2)
  5.  最大荷重1トン未満のフォークリフト運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務(5号)
  6.  最大荷重1トン未満のショベルローダー又はフォークローダー運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務(5号の2)
  7.  最大積載量が1トン未満不整地運搬車運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務(5号の3)
  8.  2024改正テールゲートリフターの操作の業務(当該貨物自動車に荷を積む作業又は当該貨物自動車から荷を卸す作業を伴うものに限る)(5号の4)
  9.  制限荷重5トン未満揚貨装置運転の業務(6号)
  10.  作業床の高さが10メートル未満高所作業車運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務(10号の5)
  11.  小型ボイラー取扱いの業務(14号)
  12.  つり上げ荷重5トン未満のクレーン(移動式クレーンを除く)の運転の業務(15号)
  13.  つり上げ荷重1トン未満の移動式クレーン運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務(16号)
  14.  つり上げ荷重5トン未満のデリック運転の業務(17号)
  15.  建設用リフト運転ゴンドラ操作の業務(18号・20号)
  16.  つり上げ荷重1トン未満のクレーン移動式クレーン又はデリック玉掛け業務(19号)
  17.  酸素欠乏危険場所における作業に係る業務(26号)
  18.  エックス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務(28号)
  19.  廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の保守点検等の業務(35号)
  20.  高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業に係る業務を除く)(41号)
  • 特別教育の対象業務よりも危険又は有害な業務は
  • 就業制限業務となり免許を受けた人や技能講習を修了した人でないと就業することができなくなります
  • 例えば、1トン未満のフォークリフトの運転の業務は特別教育で足りますが
  • 1トン以上の場合には技能講習を修了した労働者等でなければなりません。

記録の保存

 

事業者は、「特別教育」を行ったときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを3年間保存しておかなければならない。(則38条)

  • 安全衛生教育のうち特別教育以外教育に関する記録の保存義務はありません

職長教育

 

事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者作業主任者を除く)に対し、「職長教育」を行なわなければならない。(法60条)

  • 職長とは事業場などで労働者に対して指揮監督する者をいいます。職長は、作業員の健康や安全を確保するために重要な立場にあります。労働者は自分自身の作業に集中しているため、周囲に対する意識が薄れがちになり、事故が発生する危険性があります。これを避けるために、現場の指揮監督をする職長が必要とされます。
  • 教育の対象とされるのは現場で直接労働者に作業の進め方を指導監督する立場の人であり職長作業長現場監督などの名称は問いません
    ただし、「作業主任者免許の取得や技能講習においてすでに教育が行われているため対象者から外されています
  • 担当職場が圧室内作業のように危険有害作業であるならば職場のリーダー的役割である職長は作業主任者の資格を取得することを求められます
  1. 似たものに安全衛生責任者がありますが安全衛生責任者統括安全衛生責任者との連絡調整を行うすなわち対外的な業務を担っているのに対し
  2. 職長場での指揮監督すなわち対内的な業務を担っています実際には兼務しているケースも多く見受けられます
  • 職長教育を行うのは新たに職務につくこととなったときであり、「その職務内容を変更したときではありません

対象業種

 

  • 職長教育を行わなければならない業種は、次の通りである。(令19条)
対象業種
  1.  建設業
  2.  2023改正 製造業。ただし、次に掲げるものを除く。
    イ. たばこ製造業
    ロ. 繊維工業紡績業及び染色整理業を除く
    ハ. 衣服その他の繊維製品製造業
    ニ. 紙加工品製造業セロファン製造業を除く
  3.  電気業
  4.  ガス業
  5.  自動車整備業
  6.  機械修理業

教育事項及び教育時間

 

  • 職長教育における教育事項は、次の通りである。(法60条)
教育事項
  •  作業方法の決定及び労働者の配置に関すること
  •  労働者に対する指導又は監督の方法に関すること 
  •  そのほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの
  • 職長教育の具体的な教育事項及び教育時間については、厚生労働省令則40条2項)において規定されている。(則40条2項)

 

教育事項 時間
 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること 2時間
 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること 2.5時間
 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること 4時間
 異常時等における措置に関すること 1.5時間
 その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること 2時間

教育の省略

 

事業者は、「職長教育」の事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。(則40条3項)

  • 教育事項について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、「雇入れ時・作業内容変更時の教育」「特別教育」及び「職長教育」のいずれにおいても、当該事項についての教育を省略することができます

教育の努力義務

 

事業者は、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。(法60条の2第1項)

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