健康保険法
任意継続被保険者

「任意継続被保険者」とは、会社を退職するなどしてそれまで加入していた健康保険の資格を失った人が、個人の希望で引き続き同じ健康保険に加入し続けることができる制度を利用した人のことを指します。

 

目 次

  1. 被保険者資格取得届
  2. 任意適用事業所の被保険者(任意包括被保険者)の場合
  3. 保険者への申出
  4. 特例退職被保険者との比較

被保険者資格取得届

 

任意継続被保険者」とは、適用事業所に使用されなくなったため、または適用除外の規定に該当するに至ったため被保険者(日雇特例被保険者を除く)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者または共済組合の組合員である被保険者を除く)であったもののうち、保険者に申し出て継続して当該保険者の被保険者となった者をいう。ただし、船員保険の被保険者または後期高齢者医療の被保険者等である者は、この限りでない。(法3条4項)

 

  任意継続被保険者の資格取得要件
1 適用事業所に使用されなくなった」ため、または「適用除外の規定に該当するに至った」ため一般の被保険者の資格を喪失した者であること
2 喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者または共済組合の組合員である被保険者を除く)であったこと
3 船員保険の被保険者」または「後期高齢者医療の被保険者等ではないこと
4 被保険者の資格を喪失した日から20日以内申し出ること
5 初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付したこと

再就職せずにリタイアするなどの場合には、

  1. 家族(通常息子や娘)が健康保険に加入している会社員であれば、その被扶養者になるケース、
  2. 任意継続被保険者となるケース、
  3. 国民健康保険に加入するケースがあります。

 

国民健康保険の保険料、「前年度の所得によって算定されるため退職した場合いきなり国民健康保険の被保険者になると高額な保険料となるのが一般的です退職時は通常所得が高いため)。

 そこでいったん任意継続被保険者になり無職期間をはさみその後国民健康保険に移行するというルートを取ることによって急激な保険料の変動を抑制することができます

任意適用事業所の被保険者(任意包括被保険者)の場合

 

任意包括脱退任意適用事業所の任意適用の取消しにより被保険者資格を喪失した者は、引き続いて意継続被保険者となることはできない。(法3条1項・4項)

被保険者が任意適用事業所を退職などにより資格を喪失した場合任意継続被保険者となることができる。(法3条4項)

保険者への申出

 

保険者全国健康保険協会または健康保険組合)への申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。(法37条1項)

  • 正当な理由」とは、天災事変の場合など、交通、通信関係のストなどによって法定期間内に届出ができなかった場合が考えられます。
    (昭和24年8月11日保文発1400号)
  • 契約者が保険事故の発生する確率が高いことを知りながら保険を契約しようとすることを逆選択といいます

     任意継続被保険者の申請期間を長期にすると、多くの人は申請をせず、保険事故(疾病、負傷など)が発生してはじめて申請をする逆選択が発生することが考えられるため、「20日以内」という短い期間が設定されています。

  • 単に法律の規定を知らなかったということだけでは、「正当の事由があると認められる場合に当たらないものと解すべきであるため、法律の不知を主張して、20日を経過した後に任意継続被保険者の資格申出をすることはできない。
    (昭和36年2月24日最高裁判所第二小法廷健康保険任意継続被保険者資格取得の承認に対する審査棄却決定取消請求事件)

 

判例(昭和36年2月24日最高裁判所第二小法廷健康保険任意継続被保険者資格取得の承認に対する審査棄却決定取消請求事件)
 原判決は、上告人が現実にいわゆる逆選択を行ったとの事実を認定したものではなく、健康保険法20条1項(現行37条1項)がいわゆる任意継続被保険者資格取得の申請期間を10日(現行20日)に限定したのは、いわゆる逆選択を防止せんとする趣旨から出たものであるから、単に法律を知らなかったというだけでは、同条2項(現行1項)の正当の事由があると認められる場合に当らないものと解すべきである、との趣旨を判示したものであって、右判断は正当である。

特例退職被保険者との比較

 

  任意継続被保険者 特例退職被保険者
申出期限          一般被保険者の資格を喪失した日から20日以内 年金証書等が到達した日の翌日から3か月以内
資格取得日 一般被保険者の資格喪失日 申出受理日
資格喪失日
  1. 2年を経過した日翌日

  2. 死亡した日の翌日

  3. 保険料を滞納した日翌日

  4. 健康保険の強制被保険者となった日

  5. 船員保険の被保険者となった日

  6. 後期高齢者医療の被保険者等となった日

  7. 任意継続被保険者でなくなることを希望する者を、保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来した日翌日

  1. 退職被保険者であるべき者に該当しなくなった次の事由の翌日

     ・死亡した

     ・健康保険の被保険者となった

     ・船員保険の被保険者となった など

  2. 保険料を滞納した日翌日

  3. 後期高齢者医療の被保険者等となった日

  4. 特例退職被保険者でなくなることを希望する者を、特定健康保険組合に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来した日翌日

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