労使協定

労使協定」とは、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合労働者の過半数で組織する労働組合がないとき労働者の過半数を代表する者との「書面による協定」をいう。(法18条、法36条他)

目 次

  1. 労使協定の締結当事者
  2. 過半数代表者
  3. 労使協定の届出など

労使協定の締結当事者

 

労使協定の当事者は、

  1. 過半数労働組合があるときは、当該「労働組合
  2. 過半数労働組合がないときには、「過半数代表者」である。(法18条、法36条他)

過半数代表者

 

過半数代表者は、次のいずれの要件も満たす者でなければならない。(則6条の2第1項)

 

過半数代表者の要件
  1.  法41条2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと。
  2.  労使協定の締結当事者を選出することを明らかにして実施される投票挙手などの方法による手続により選出された者であって、使用者の意向によって選出された者ではないこと。

監督または管理の地位にある者

  • 労働者の過半数を判断する際の「労働者には含まれますが
  • 過半数代表者にはなることはできません

 

判例(平成13年6月22日最高裁判所第二小法廷トーコロ事件)
 36協定は、実体上、使用者と、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、そのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者との間において締結されたものでなければならないことは当然である。
[中略]
 そこで、36協定の当事者であるAが「労働者の過半数を代表する者」であったか否かについて検討するに、「労働者の過半数を代表する者」は当該事業場の労働者により適法に選出されなければならないが、適法な選出といえるためには、当該事業場の労働者にとって、選出される者が労働者の過半数を代表して36協定を締結することの適否を判断する機会が与えられ、かつ、当該事業場の過半数の労働者がその候補者を支持していると認められる民主的な手続がとられていることが必要というべきである。

 

 

36協定を締結した労働者側の当事者が労働者の過半数を代表する者ではなかった場合は、当該協定は有効とは認められず、労働者は使用者の当該協定を前提とする時間外労働命令に従う義務を負わないとするのが最高裁判所の判例である。(平成13年6月22日最高裁判所第二小法廷トーコロ事件)

 

判例(平成13年6月22日最高裁判所第二小法廷トーコロ事件)
 Y社は、Aは「友の会」の代表者であって、「友の会」が労働組合の実質を備えていたことを根拠として、Aが「労働者の過半数を代表する者」であった旨主張するけれども、「友の会」は、役員を含めたY社の全従業員によって構成され、「会員相互の親睦と生活の向上、福利の増進を計り、融和団結の実をあげる」ことを目的とする親睦団体であるから、労働組合でないことは明らかであり、このことは、仮に「友の会」が親睦団体としての活動のほかに、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を目的とする活動をすることがあることによって変わるものではなく、したがって、Aが「友の会」の代表者として自動的に本件36協定を締結したにすぎないときには、Aは労働組合の代表者でもなく、「労働者の過半数を代表する者」でもないから、本件36協定は無効というべきである。
 以上によると、本件36協定が有効であるとは認められないから、その余の点について判断するまでもなく、それを前提とする本件残業命令も有効であるとは認められず、Xにこれに従う義務があったとはいえない

労使協定の届出など

 

  • 労使協定についてまとめると、次の通りである。
労働基準法による労使協定 届出 有効期間の定め  
1. 任意貯金   任意貯金」に係る労使協定には、罰則の規定が設けられていないため、届出による免罰効果はありません
2. 賃金の一部控除      
3. 1か月単位の変形労働時間制  
4. フレックスタイム制清算期間1か月以内     フレックスタイム制」に係る労使協定は、清算期間1か月以内の場合は、届出不要です
5. フレックスタイム制清算期間1か月
6. 1年単位の変形労働時間制  
7. 1週間単位の非定型的変形労働時間制    
8. 休憩の一斉付与の例外      
9. 時間外・休日労働  
10. 代替休暇      
11. 事業場外労働のみなし労働時間制 事業場外労働のみなし労働時間制」に係る労使協定は、締結そのものは任意ですが、労使協定を締結し、その労使協定で定める時間が法定労働時間を超える場合は、届出が必要となります
12. 専門業務型裁量労働のみなし労働時間制  
13. 年次有給休暇の時間単位付与      
14. 年次有給休暇の計画的付与      
15. 年次有給休暇中の賃金(標準報酬日額)      

 

  • 届出義務罰則あり)が課せられていて、届出をしなくても免罰効果が発生する労使協定は次の通りである。
届出が必要(罰則あり)な労使協定 ※36協定を除く
  •  1か月単位の変形労働時間制(法32条の2第2項)
  •  フレックスタイム制清算期間1か月超)(法32条の3第4項)
  •  1年単位の変形労働時間制(法32条の4第4項)
  •  1週間単位の非定型的変形労働時間制(法32条の5第3項)
  •  事業場外労働のみなし労働時間制(法38条の2第3項)
  •  専門業務型裁量労働制(法38条の3第2項)
  • 1か月単位の変形労働時間制届出をしなくても免罰効果が発生します

36協定は届出をしないと免罰効果が発生しないため届出をしないで時間外労働をさせた場合には36協定を締結せずに時間外労働をさせたことと同じ取り扱いになります(法32条違反などとして、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金になります)。なお、36協定を届け出なかったことに対する罰則は規定されていません。
(法119条)

  • 例えば有効期間が4月1日からであっても届け出が4月9日であれば4月1日から4月8日までの期間については免罰効果は発生していません

 

  • 届出義務がない労使協定は次の通りである。
届出が不要な労使協定
  •  賃金の一部控除(法24条1項)
  •  フレックスタイム制清算期間1か月以内)(法32条の3第4項ただし書)
  •  休憩の一斉付与の例外(法34条2項)
  •  代替休暇(法37条3項)
  •  年次有給休暇の時間単位付与(法39条4項)
  •  年次有給休暇の計画的付与(法39条6項)
  •  年次有給休暇中の賃金標準報酬日額)(法39条9項)

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