有期事業の延納

有期事業(建設工事や一定期間だけ行う事業など)は、事業開始時に事業期間全体の概算保険料を一括で納付するのが原則です。

しかし、一度に多額の保険料を納める負担が大きいため、一定の要件を満たす場合には分割して納付(延納)することが認められています。

 

有期事業には、「単独有期事業」と「一括有期事業」があります。

  • 単独有期事業(例:一定規模以上の建設工事など)は、一定の要件を満たせば概算保険料の延納が認められます。
  • 一括有期事業(複数の小規模な有期事業をまとめて保険関係を処理する制度)は、継続事業の一括と同一の手続きです。

 

目 次

  1. 延納の要件
  2. 延納の回数と納期限

延納の要件

 

① 事業期間が6か月を超えること【必須】

 

事業の全期間が6か月以下であれば、延納はできません。

  • 工事期間5か月 → × 延納不可
  • 工事期間8か月 → ○ 延納可能(他の要件も満たせば)

② 次のいずれかに該当すること

 

パターン① 労働保険事務組合に委託している

概算保険料の金額は問いません。

つまり、

  • 保険料10万円でも
  • 保険料30万円でも

延納できます。

これは、国が事務組合への委託を促進したいという政策的配慮によるものです。


パターン② 労働保険事務組合に委託していない

概算保険料が75万円以上必要

例えば、

  • 70万円 → × 延納不可
  • 75万円 → ○ 延納可能
  • 120万円 → ○ 延納可能

試験で覚えるポイント

委託している → 金額不問

委託していない → 75万円以上

この対比が頻出です。

延納の回数と納期限

 

延納回数

ここが継続事業との大きな違いです。

 

継続事業

保険年度(4月~翌3月)ごとに延納します。

そのため、

  • 3回
  • 2回

など、回数が法律で決まっています。


有期事業

保険年度ではなく、

工事(事業)全体を1つとして考えます。

したがって、

工事期間に応じて何回でも延納できます。

法律上も

「延納することができる回数に制限はない」

とされています。


イメージ

例えば

工事期間

2026年5月1日~2028年9月30日

なら、

  • 最初の納付
  • その後毎年・各期ごとの納付

を繰り返すため、

4回、5回になることもあります。

つまり

工事期間が長いほど延納回数も増える

ということです。


納期限

 

最初の期

概算保険料申告書を提出する際に納付します。

納期限

保険関係成立日の翌日から20日以内

なお、継続事業は成立日の翌日から50日以内


2回目以降

その時点がどの期間に属するかによって納期限が決まります。

期の範囲 納期限
4月1日~7月31日 3月31日
8月1日~11月30日 10月31日
12月1日~翌3月31日 翌年1月31日

労働保険事務組合に委託していても納期限は変わらない

ここが試験でよく問われます。

継続事業では、

労働保険事務組合へ委託すると

納期限が延長される特例があります。

しかし、

有期事業ではこの特例はありません。

つまり、

委託していても委託していなくても、

納期限は同じです。

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