継続事業(一括有期事業を含む)の納期限

まず全体像を押さえると、概算保険料は

「これから1年間に支払う賃金を見込んで前払いする保険料」 です。

そのため、保険関係が成立した時点で納付義務が発生します。

 

次の数字が頻出です。

場面 日数
継続事業の年度更新 40日
継続事業の中途成立 50日
有期事業の中途成立 20日
保険関係消滅後の確定保険料申告 50日

 

場面 納期限
通常の継続事業 6月1日から40日以内(7月10日)
年度途中で保険関係成立 成立日の翌日から50日以内
第1種・第3種特別加入承認 承認日の翌日から50日以内

覚え方

既に存在している事業
→ 年度更新だから「40日」

新しく発生した保険関係
→ 新規だから「50日」

と整理すると混乱しません。

「有期事業=20日」

を独立して覚えるのがコツです。

 

継続事業(一括有期事業を含む)の概算保険料は、保険年度ごとに、「概算保険料申告書」に添えて、その保険年度の6月1日から起算して40日以内(原則7月10日まで)に納付しなければならない。(法15条1項)

 

目 次

  1. 継続事業の概算保険料の納期限
    1. 労働保険の「保険年度」とは
  2. 有期事業の納期限

継続事業の概算保険料の納期限

 

 

原則(既に事業を行っている場合)

継続事業では、

保険年度の6月1日から起算して40日以内

に概算保険料を納付します。 実務上は

7月10日まで です。


なぜ6月1日なのか

労働保険の年度は

4月1日~翌3月31日

です。

しかし4月1日に直ちに納付するのではなく、

年度更新期間である

6月1日~7月10日 に

  • 前年度の確定保険料
  • 当年度の概算保険料

を同時に申告・納付します。


イメージ

令和8年度

4月1日開始

↓

6月1日~7月10日

  • 令和7年度確定保険料
  • 令和8年度概算保険料 を処理

年度途中で保険関係が成立した場合

新しく会社を設立した場合などです。


例

会社設立

10月1日

↓

労働者雇用

↓

労働保険成立

10月1日


この場合、

翌年7月まで待っていては保険料を徴収できません。 そこで

保険関係成立の日から50日以内

に納付します。


起算日は翌日

民法の初日不算入です。


例

保険関係成立

10月1日

↓

起算日

10月2日

↓

50日以内

11月20日 まで

 


特別加入の場合

対象は

  • 第1種特別加入(中小事業主等)
  • 第3種特別加入(海外派遣者) です。

特別加入の承認が

年度途中で行われた場合、

その時点から保険料が発生します。


納期限は

承認日の翌日から50日以内 です。


例

承認日 9月15日

↓

起算日 9月16日

↓

50日以内

に概算保険料納付


一括有期事業の場合

ここは引っかけが多いです。


有期事業

通常

  • 建設工事
  • 立木伐採 など

保険関係消滅時に処理します。


しかし 一括有期事業

は特殊です。

多数の小規模工事をまとめて処理する制度だからです。


そのため、 納期限は有期事業ルールではなく

継続事業と同じ

6月1日から40日以内

になります。

1.労働保険の「保険年度」とは

労働保険の保険年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までです。


2.令和4年6月1日に労働保険の保険関係が成立した場合

 

■ 保険関係成立日

令和4年6月1日

→ これは 令和4年度(令和4年4月1日~令和5年3月31日) の途中です。


3.令和4年度の扱い

 

令和4年度は途中成立なので、

となります。

この時点ではまだ概算と確定を同一用紙で一括申告する場面ではありません。


4.「令和5年度」

 

令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)になると、

その年の年度更新(令和5年7月10日)では

  • ① 令和4年度の確定保険料

  • ② 令和5年度の概算保険料

を 同時に申告・納付することになります。

これがいわゆる 年度更新(同一の申告書で一括申告) です。


5.結論

したがって、

「概算保険料の申告及び納付手続と確定保険料の申告及び納付手続とを令和5年度の保険年度において同一の用紙により一括して行うことができる」

令和4年度ではまだ「確定保険料」が発生していないため、一括処理の対象にはなりません。


 

まとめ

年度 内容
令和4年度 保険関係成立(途中)・概算のみ
令和5年度 前年度確定+当年度概算を一括申告

有期事業とは

有期事業とは、

  • 建設工事
  • ダム建設
  • トンネル工事
  • 立木伐採 など、

始まりと終わりが明確な事業

をいいます。

例えば、

  • 工事開始:8月1日
  • 工事終了:12月31日

のように期間が限定されています。


概算保険料の納期限

有期事業(一括有期事業を除く)の場合、

保険関係成立の日の翌日から20日以内 に、

  • 概算保険料申告書
  • 概算保険料

を提出・納付しなければなりません。(労働保険徴収法15条2項)


起算日は翌日

ここもよく問われます。

 

例

工事開始日 8月1日

↓

保険関係成立 8月1日

↓

起算日 8月2日

↓

20日以内

8月21日まで


継続事業との違い

継続事業の場合

新規成立時は

50日以内 でした。


一方、

有期事業は

20日以内 です。


表で比較すると

事業の種類 新規成立時の納期限
継続事業 50日以内
有期事業 20日以内

なぜ有期事業は20日なのか

理由は、

事業期間が短いから です。


例えば

 

継続事業

製造業の会社

  • 何年も続く
  • 消滅の予定がない

↓

50日以内でも問題ない


有期事業

小規模工事

  • 工期1か月
  • 工期2か月

というケースがあります。

もし50日以内にすると、

工事が終わってしまう可能性があります。


極端な例

工事開始 4月1日

↓

工事終了 4月25日

↓

納期限が50日後 5月21日

↓

工事終了後に保険料を納付することになる


これでは徴収上不都合です。

そのため、 有期事業は

20日以内

という短い期限が設けられています。


一括有期事業は例外

ここが重要ポイントです。

有期事業だからといって、

すべて20日以内ではありません。


一括有期事業

多数の小規模工事をまとめる制度

↓

継続事業に近い取扱い

↓

納期限

6月1日から40日以内


つまり

区分 納期限
有期事業 成立翌日から20日以内
一括有期事業 6月1日から40日以内
継続事業(新規成立) 成立翌日から50日以内

となります。

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