健康保険法
費用の負担

健康保険の事業には、保険給付費、保健事業費、事務費等が必要となります。これらの財源には、主として保険料が充てられますが、健康保険事業は、国が行うべき事業であるので、国もその一部を負担することになっています。

 

目 次

  1. 事務費の負担
  2. 協会管掌健康保険への国庫補助
  3. 保険料の算定

事務費の負担

 
 
 

国庫毎年度予算の範囲内において、健康保険事業事務(注)の執行に要する費用を負担する。(法151条)

(注前期高齢者納付金後期高齢者支援金等及び日雇拠出金介護納付金流行初期医療確保拠出金並びに子ども・子育て支援納付金納付に関する事務含む

 

  • 健康保険事業は、「憲法25条2項国の社会保障的義務)」に基づき行う国の事業ですそのため事務費については国庫が負担することが規定されています
  • 事務費については、「予算の範囲内協会管掌協会けんぽ)、組合管掌を問わず国庫負担が行われています

 

日本国憲法25条

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣算定する。(法152条1項)

  • 被保険者数を基準とありますが具体的には各健康保険組合における各月末の被保険者数の年間の計を基準とすることになっています
  • 被扶養者数は算定の基準に含まれません

 

健康保険組合に交付する国庫負担金については、概算払をすることができる。(法152条2項)

  • 健康保険組合に対する事務費の国庫負担は各健康保険組合に対して国から直接交付するのではなく健康保険組合連合会にいったん交付されそこから各健康保険組合に対して交付する仕組みをとっている関係で、「概算払いが認められています
  • 事務費については協会管掌組合管掌の別を問わず国庫が行っています


 

 

 

協会管掌健康保険への国庫補助

 

主要給付費と前期高齢者納付金などに対する補助

 

国庫は、事務費の費用のほか、全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業の執行に要する費用のうち、被保険者に係る療養の給付並びに入院時食事療養費入院時生活療養費保険外併用療養費療養費訪問看護療養費移送費傷病手当金出産手当金家族療養費家族訪問看護療養費家族移送費高額療養費及び高額介護合算療養費支給に要する費用(療養の給付については、一部負担金に相当する額を控除する)の額調整対象給付費見込額3分の1に相当する額を除く)、前期高齢者納付金納付に要する費用の額所定の割合を乗じて得た額並びに流行初期医療確保拠出金納付に要する費用の額合算額(前期高齢者交付金がある場合には、当該合算額から当該前期高齢者交付金の額を基準として政令で定める額を控除した額)に1,000分の130から1,000分の200までの範囲内において政令で定める割合(当分の間1,000分の164)を乗じて得た額を補助する。
(法153条1項、附則5条)

  • 協会けんぽが被保険者に支給する療養の給付一部負担金相当額は控除したもの傷病手当金出産手当金高額療養費などの主要給付費国庫は補助します協会けんぽは主に中小企業が加入するため景気変動や加入者の増減の影響を受けやすく財政基盤が組合健保に比べて不安定になるため財政の安定化保険料の過度な上昇の抑制を図るための措置です
  • ただし高齢者医療確保法に基づく調整対象給付費見込額の3分の1に相当する額を除きます。「調整対象給付費見込額とは協会けんぽの被保険者などに含まれる65歳以上75歳未満の前期高齢者に係る医療費の額の見込み額です
     この3分の1は前期高齢者納付金・交付金による財政調整でまかなわれる部分に相当するため国庫による二重補助を防ぐために除外されます(前期高齢者の医療費総額の約3分の1が、納付金・交付金によって保険者間で融通される仕組みとなっていて、この部分は国庫補助から除外されるという意味です)。
  • 国庫補助は、「主要給付の給付費に対して行われていますが主要給付に該当しない給付とし出産育児一時金家族出産育児一時金埋葬料埋葬費)、家族埋葬料がありますこれらの給付は支給額が定額または上限が定められた一時金であり継続的に発生するものではないため財源の予測が比較的容易ですまた保険給付費全体に占める割合が小さいため補助対象から除かれています。「一時金定額で支給される生死に係る保険給付には国庫補助が行われていないと押さえてください
    • 生死に係る保険給付であっても一時金ではない出産手当金には国庫補助が行われています
  • 協会管掌健康保険には事務費以外に、「主要給付の給付費前期高齢者納付金のうち所定の割合を乗じて得た額」、「流行初期医療確保拠出金の納付に要する費用の額について国庫補助が行われます組合管掌健康保険にはこの国庫補助は行われていません)。
  • この国庫補助は、「組合管掌健康保険に対しては行われていません
  • 前期高齢者65歳以上75歳未満)」の医療費は保険者ごとに加入割合の偏りが大きいため保険者における負担に不公平が生じますこの不均衡を是正するために被用者保険協会けんぽ組合健保共済組合など前期高齢者納付金を拠出し診療報酬支払基金を通じて国民健康保険などに前期高齢者交付金として配分する仕組みを設けています
  • 前期高齢者納付金には、「前期高齢者の給付費に係る部分前期高齢者に係る後期高齢者支援金に係る部分があります。「国庫補助が行われているのは、「協会管掌健康保険における前期高齢者の給付費に係る部分についてです
  • この制度を維持するための事務費として前期高齢者関係事務費拠出金がかかりますがこれは法151条の事務費として、「国庫負担が行われます
  • 前期高齢者納付金等以外にも、「後期高齢者支援金等後期高齢者支援金及び後期高齢者関係事務費拠出金)」介護納付金介護給付費及び地域支援事業支援納付金)」社会保険診療報酬支払基金は各医療保険の保険者から徴収しています後期高齢者支援金および介護納付金に対して国庫補助は行われていません事務に係る部分の国庫負担を除く)。

保険料の算定

 
 
 

一般保険料は、月を単位として算定される。(法156条1項)

  • 月の最終日に資格を取得した場合その月における被保険者期間は1日ですが、「1か月分の保険料が徴収されます

 

被保険者資格を取得をした日の属する月から、資格を喪失した日の属する月の前月までの各月について保険料が算定される。(法156条1項・3項)

  • 4月1日に入社をし12月31日に退職した場合資格喪失日は翌年1月1日となるため4月分から12月分の保険料が徴収されます
  • 4月1日に入12月30日に退職した場合資格喪失日は12月31日となるため4月分から11月分の保険料が徴収されます
  • 12月15日に賞与の支払がありその翌日12月16日に退職した場合12月17日に資格を喪失することになりますこの場合4月分から11月分の保険料が徴収されるため賞与に係る保険料は徴収されないことになります

 

被保険者の資格を取得した月に被保険者の資格を喪失した場合同月得喪)は、保険料は1か月分徴収される。(昭和27年7月1日保文発129107号)

  • 入社が4月1日退職が4月10日でのいわゆる同月得喪のケースであったとしてもこの期間に病院にかかり保険給付を受けることは十分に考えられますそのため保険料は1か月分徴収されます

 

同一月内において資格の得喪が2回以上に及ぶ場合は、1か月につき2か月分以上の保険料が徴収されることがある。(昭和19年6月6日保発363号)

  • 4月1日にA社(組合管掌健康保険)に入社し、すぐ4月10日に退職し、4月25日にB社(協会管掌健康保険)に入社したような場合、A社とB社それぞれにおいて4月分の保険料が徴収されます。
  • 健康保険では同一月に複数回資格の得喪があった場合には複数回保険料が徴収されますが厚生年金保険の被保険者期間としては1か月とされ保険料も1か月分しか徴収されません

 

任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月から算定する。(法157条1項)

特例退職被保険者に関する保険料は、特例退職被保険者となった月から算定する。(附則3条6項)

  • 例えば8月15日に退職したとします
    被保険者の資格を喪失した月8月被保険者としては法156条3項の規定により喪失の月分の保険料を納付する必要はありません
    しかし喪失と同時に任意継続被保険者になるのであれば任意継続被保険者となった月8月から任意継続被保険者としての保険料を納付する必要があります

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