健康保険法
傷病手当金の支給期間と受給手続き

傷病手当金の支給期間は、同一の疾病または負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して1年6か月間とされている。(法99条4項)

 

ポイント

 

支給期間

✅ 同一傷病について通算1年6か月

✅ 起算日は「支給開始日」

✅ 死亡した場合は死亡日分まで支給


申請手続

✅ 申請するのは被保険者

❌ 事業主に申請義務はない


添付書類

✅ 医師・歯科医師の意見書

✅ 事業主の証明書


例外

✅ 療養費を受ける場合は医師等の意見書不要

 

目 次

  1. 支給期間
  2. 傷病手当金の受給手続

支給期間

原則

傷病手当金は、

同一の疾病または負傷及びこれにより発した疾病について、その支給を始めた日から通算して1年6か月

支給されます(健康保険法99条4項)。


「支給開始日から」数える

ここで重要なのは、

「労務不能になった日から1年6か月」ではない

ということです。

また、

「待期3日間終了後の第4日目から」でもありません。

法律上は

「支給を始めた日」

から通算します。


  • 4月1日 労務不能
  • 4月1日~3日 待期
  • 4月4日 傷病手当金支給開始

この場合

支給期間の起算日は

4月4日

です。


「通算」とは

令和4年1月の法改正前は、

「支給開始日から1年6か月経過すると終了」

でした。

しかし現在は、

実際に支給を受けた日数を通算して1年6か月分

支給されます。


イメージ

  • 3か月休職
  • 復職
  • 再度休職

という場合でも、

同じ傷病であれば残り期間を利用できます。


同一傷病と相当因果関係のある疾病

法律では

同一の疾病または負傷及びこれにより発した疾病

とされています。

つまり

  • 糖尿病
  • 糖尿病が原因の腎症

のように因果関係があれば、

同一傷病として扱われます。


死亡した場合

傷病手当金の支給期間中に被保険者が死亡した場合、

被保険者資格は

死亡日まで

存在します。

そのため、

傷病手当金は

死亡日分まで支給されます。


死亡によって資格喪失するのは事実ですが、

資格喪失日は死亡日の翌日ではなく、

死亡日まで資格を有するため、

 

死亡日分の傷病手当金も支給されます。

受給手続

 

誰が申請するのか

傷病手当金は

被保険者本人が申請する

給付です。


注意

事業主に申請義務はありません。

 


申請書の記載事項

申請書には、

例えば

  • 労災保険から同種の給付を受けているか
  • 受けようとしているか

などを記載します。


なぜ記載するのか

傷病手当金は、

労災保険の休業補償給付などと調整が行われるためです。

二重給付を防止する趣旨があります。


 

添付書類

添付書類は大きく2つです。


① 医師または歯科医師の意見書

内容

  • 傷病名
  • 発病年月日
  • 原因
  • 主症状
  • 経過
  • 労務不能期間

など


趣旨

本当に

療養のため労務不能

であったかを確認するためです。


② 事業主の証明書

内容

  • 労務不能期間
  • 賃金支給の有無
  • 賃金額

など


趣旨

傷病手当金は所得補償なので、

給与との調整を行うためです。


療養費を受ける場合の特例

通常は

医師または歯科医師の意見書

が必要です。

しかし、

療養費を受けるようなケースでは、

そもそも保険診療を受けることが困難な事情があります。

そのため、

申請書に事情を記載すれば、

医師等の意見書の添付は不要です。

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