健康保険法
出産育児一時金

被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額が支給される。(法101条)

 

目 次

  1. 出産育児一時金
  2. 出産したとき
  3. 業務上の事故による出産
  4. 出産育児一時金の額
  5. 家族出産育児一時金
  6. 出産手当金
  7. 出産手当金の額

出産育児一時金

 

被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額が支給される。(法101条)

  • 出産育児一時金の支給に被保険者期間の長さは要件とされていません

出産したとき

 

出産」とは、妊娠4か月85以上の分娩である。(昭和3年3月16日保発11号)

  • 医師法21条の規定によっています。
  • 28日/1か月×3+1=85日という理屈です

 

出産に関する給付における「妊娠4か月以上の出産」については、生産(しょうさん、しょうざん=子を産むこと)、死産流産(人工流産を含む)または早産を問わない。(昭和27年6月16日保文発2427号)

業務上の事故による出産

 

出産」に関する保険給付については、労災保険法との調整の対象とされない。したがって、被保険者が妊娠4か月を過ぎた身体で作業中転倒強打して早産し、医師の手当てを受けたときは、業務上の疾病と認められ労災保険療養補償給付を受けても、出産育児一時金は支給される

昭和24年3月26日保文発523号)

  • 労災保険には出産に関する保険給付はそもそもありません同一事由による併給調整といった規定はありません
  • この取り扱いは、「出産に限られており、「業務災害により死亡した場合には埋葬料の支給は行われません

 

出産育児一時金の額

 

出産育児一時金の額は、1児につき48万8,000である。(令36条)

産科医療補償制度に加入する病院等で出産したときは、1児につき、3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額(1万2,000円)を加算した金額となるため、合計50万円となる。(令36条ただし書、令和5年3月30日保保発0330第8号)

  • 産科医療補償制度に加入する病院等で出産したときは総額50万円となります
  • 産科医療補償制度に加入している病院等で双児を出産した場合50万円×2=100万円が支給されます

分娩時の医療事故では過失の有無の判断が困難な場合が多く裁判で争われる傾向がありこのような紛争が多いことが産科医不足の理由の一つであるとされてきましたそこで出生した子が重度の脳性麻痺となったときに補償金を支給する制度を「産科医療補償制度といいます

 この制度に加入する病院等の場合、掛金として12,000円を負担するため、出産に係る費用が増加することが考えられます。そこで出産育児一時金の額もその分加算されます。

  1. 健康保険の被保険者(妊産婦)は、出産費用を支出します
  2. 医療機関は、日本医療機能評価機構に掛金を納付します
  3. 日本医療機能評価機構は損害保険会社と契約を締結し保険料を支払います
  4. 被保険者が出産したときは、保険者は「出産育児一時金」を支給します
  5. その後、補償対象となる脳性麻痺があった場合には、損害保険会社から保険金が補償金として支給されます。

 

細かくいうと在胎週数が22週未満の出産制度対象分娩には該当しません。(令和3年8月11日保保発0811第1号)

令36条1号の厚生労働省令で定める基準特定出産事故出生した時点における在胎週数が28週以上であることとされています。(則86条の2)

 

家族出産育児一時金

 

被保険者の被扶養者が出産したときは、家族出産育児一時金として、被保険者に対し、法101条の政令で定める金額が支給される。(法114条)

家族出産育児一時金の額は、出産育児一時金と同額である。(法114条)

  • 家族出産育児一時金は、「被保険者に対して支給されます
  • 家族出産一時金は被保険者の被扶養者が出産したときに支給されます被保険者の配偶者が出産したときにのみ支給されるのではありません

 

出産手当金

 

被保険者任意継続被保険者及び特例退職被保険者を除く)が出産したときは、出産の日以前42日から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間出産手当金が支給される。(法102条1項)

  • 被保険者である者に支給される出産手当金について出産日の前日まで引き続き1年以上の被保険者期間を有すること要件は課せられていません

多胎妊娠の場合においては、出産の日以前98日から、出産の日後56日までの間において、労務に服さなかった期間に対し、出産手当金が支給される。(法102条1項かっこ書)

  • 傷病手当金と異なり、「労務に服することができなかった期間ではなく、「労務に服さなかった期間です

     したがって被保険者が労務可能の状態にあっても労務に服さなかった期間に対しては支給されます

  • 労働基準法では、産前6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)、産後8週間と表現しています。

 

双児出産の場合で、一児は5月9日出産他の一児は5月10日出産した場合には、出産手当金は5月9日以前98日、5月10日後56日以内において労務に服さなかった期間(5月10日も支給すべきものとする)に対して出産手当金が支給される
すなわち、
2月1日~5月9日までの98日間5月10日5月11日~7月5日までの56日間支給される。(昭和5年1月14日保規686号)

 

 

出産手当金の額

 

出産手当金の額は、傷病手当金の額(=支給開始月以前の直近の継続した12か月間の各月標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額3分の2に相当する金額)と同様の方法により算定される。(法102条2項、法99条2項・3項)

  • 支給開始月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が12か月に満たない場合の計算方法も傷病手当金の場合と同一です。(法99条2項ただし書)

 

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