健康保険法
出産育児一時金・出産手当金

被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額が支給される。(法101条)

 

目 次

  1. 出産育児一時金
    1. 出産したとき
    2. 業務上の事故による出産
    3. 出産育児一時金の額
    4. 家族出産育児一時金
  2. 出産手当金
    1. 出産手当金の額

​

出産育児一時金

 

被保険者本人が出産したときに支給される一時金です。

 

支給要件

健康保険の被保険者が

出産したこと

だけが要件です。 法律上、

被保険者期間が1年以上必要

などの要件はありません。

入社してすぐでも支給されます。

出産したとき

 

健康保険の「出産」とは

ここは超重要です。

健康保険法の出産とは、

妊娠4か月(85日)以上の分娩

をいいます。


含まれるもの

妊娠85日以上であれば、

  • 正常分娩
  • 帝王切開
  • 早産
  • 流産
  • 死産
  • 人工妊娠中絶

すべて対象です。


例

妊娠5か月で流産

妊娠6か月で人工中絶

妊娠8か月で死産

→ 出産育児一時金支給


注意

死産の場合

  • 出産育児一時金 → 支給される
  • 家族埋葬料 → 支給されない

胎児は健康保険上の被保険者・被扶養者ではないからです。

業務上の事故による出産

 

通常、 業務上の病気やケガは

健康保険ではなく労災保険です。

しかし出産だけは例外です。


例

妊娠中に仕事中転倒

↓

早産

↓

労災の療養補償給付を受給

↓

出産育児一時金も支給


理由は、

労災保険には

出産に対する給付

が存在しないからです。

したがって併給調整はありません。

 

出産育児一時金の額

現在の金額は

 

原則

1児につき

48万8,000円

です。


産科医療補償制度加入医療機関の場合

48万8,000円 + 1万2,000円 = 50万円

になります。


なぜ加算されるのか

病院が

「産科医療補償制度」

の掛金を支払うためです。


この制度とは

出生した子どもが

重度脳性麻痺

となった場合、

補償金を支払う制度です。


双子の場合

1児ごとに支給されます。


例

双子

50万円 × 2

=100万円


三つ子

50万円 × 3

=150万円

 

家族出産育児一時金

 

被扶養者が出産した場合です。


誰に支給されるか

被扶養者本人ではなく

被保険者

に支給されます。


例

夫:会社員(被保険者)

妻:扶養家族(被扶養者)

妻が出産

↓

夫に

家族出産育児一時金 支給


金額

出産育児一時金と同額です。 つまり

原則50万円です。

 

出産手当金

 

出産のため働けない期間の

所得補償 です。


支給対象者

被保険者本人 のみです。


支給されない人

  • 被扶養者
  • 任意継続被保険者
  • 特例退職被保険者

 

出産手当金の額

 

単胎妊娠

出産日以前42日

↓

出産日

↓

出産日後56日 まで


図にすると

産前42日  ←  出産  →  産後56日


多胎妊娠

双子・三つ子の場合

産前期間が延長されます。


出産日前 98日

↓

出産

↓

出産後 56日


図

産前98日 ← 出産 → 産後56日


出産手当金と傷病手当金の違い


傷病手当金

支給要件

労務に服することができない こと

つまり 「働けない」

ことが必要です。


出産手当金

支給要件

労務に服さなかった ことです。


つまり、 働こうと思えば働ける状態でも、

出産のために休んでいれば支給されます。


出産手当金と傷病手当金の調整

出産手当金と傷病手当金の支給対象期間が重複する場合には、出産手当金が優先して支給されます。

そのため、出産手当金を受けることができる期間については、原則として傷病手当金は支給されません。(健康保険法103条1項)

 

傷病手当金の額が出産手当金より多い場合

同一の日について支給される傷病手当金の額が出産手当金の額を上回る場合には、傷病手当金の支給が完全になくなるわけではありません。

この場合は、次の差額が傷病手当金として支給されます。

傷病手当金の額-出産手当金の額

つまり、出産手当金が優先して支給され、その額を超える傷病手当金の差額がある場合に限り、差額分が支給されます。

 

傷病手当金が先に支払われた場合

本来、出産手当金を支給すべき期間について傷病手当金が支払われた場合には、原則として、その傷病手当金は出産手当金の内払とみなされます。(健康保険法103条2項)

そのため、すでに支給された傷病手当金をいったん全額返還し、その後あらためて出産手当金を受け取るのではなく、支給済みの傷病手当金を出産手当金の一部として精算します。

 

具体例

同一の日について、

  • 出産手当金:6,000円
  • 傷病手当金:6,500円

となる場合は、

  • 出産手当金:6,000円
  • 傷病手当金の差額:500円

が支給され、合計支給額は6,500円となります。

 

まとめ

ケース 取扱い
出産手当金と傷病手当金が重複する 出産手当金を優先して支給
傷病手当金の方が高い 出産手当金との差額を傷病手当金として支給
傷病手当金が先に支給された 原則として出産手当金の内払とみなす

 

 

出産手当金の額

傷病手当金と同じ計算です。


計算式

1日あたり

支給開始日以前12か月の 標準報酬月額平均 ÷ 30 × 2/3


例

平均標準報酬月額

30万円 の場合

30万円 ÷ 30 = 1万円 1万円 × 2/3 = 約6,667円


1日約6,667円

が支給されます。

登録支援/有料職業紹介のご相談はこちら

 

お問い合わせはこちらから

芸術家×起業家

 

お     一般社団法人芸商橋
 

               BusinessArtBridge

 

サイト内検索

サイドメニュー