白書・統計

労働力率とは

 

まず労働力率の意味を確認します。

労働力率とは、15歳以上人口のうち、働いている人(就業者)と仕事を探している人(完全失業者)が占める割合

です。

式で表すと、


労働力人口 / 15歳以上人口 ​× 100


女性の労働力率はなぜM字型になるのか

日本の女性の年齢別労働力率をグラフにすると、

アルファベットの

「M」

の形に似るため

M字カーブ

と呼ばれています。


M字になる理由

 

第1の山

20代後半

(25~29歳)

就職後のフルタイム就業


谷(底)

30代前半~後半

結婚・出産・育児

退職や離職


第2の山

40代後半

育児終了後の再就職

パートや正社員として再び働く


このため、

日本女性の労働力率は長年M字型を描いていました。


令和6年の状況

令和6年統計では、

女性の労働力率は過去最高水準となっています。

比較可能な昭和43年以降最高となりました。


現在のM字カーブ

令和6年

年齢階級 労働力率
25~29歳 88.9%
35~39歳 81.4%
45~49歳 83.9%

現在も形としてはM字ですが、

谷がかなり浅くなっています。


イメージ

昔 M


 

現在 台形に近い形

 

なぜM字が浅くなったのか

最大の理由は

出産・育児期でも働き続ける女性が増えた

からです。

背景として

  • 育児休業制度の充実
  • 共働き世帯の増加
  • 保育所整備
  • 女性活躍推進政策

があります。


「底」の移動

社労士試験で特によく出ます。


M字の谷

25~29歳


その後

30~34歳


現在

35~39歳


つまり、

出産年齢の上昇に伴い、

M字の底が

右側へ移動

しています。


「上向きに移動」とは

M字カーブのボトムの位置は長期的にどのように移動しているか

正解

上向きに移動


意味は

 

昔  M → 谷が深い    現在  台形 → 谷が浅い

ということです。

つまり

労働力率そのものが上昇しているという意味です。


国際比較

日本の特徴として、

女性だけがM字型でした。

一方、

  • アメリカ
  • フランス
  • ドイツ
  • スウェーデン

などは

台形

 
に近い形です。

出産後も就業継続する女性が多いためです。


近年の日本も

欧米型に近づいています。


 

 

✅ 女性の労働力率 → M字カーブ

✅ 谷の位置 → 25~29歳 → 30~34歳 → 35~39歳

✅ 谷は年々浅くなっている

✅ 日本は M字から台形へ近づいている

完全失業率とは

 

完全失業率とは、

労働力人口に占める完全失業者の割合

をいいます。

計算式は、

完全失業者数 / 労働力人口​ × 100

です。


完全失業者とは

労働力調査では、次の3要件をすべて満たす人です。

  1. 仕事がない
  2. 仕事を探している
  3. すぐ就業できる

例えば、

  • ハローワークで求職中
  • 面接を受けている

ような人は完全失業者です。


労働力人口とは

労働力人口 =

  • 就業者
  • 完全失業者

の合計です。


2025年の完全失業率

2025年平均

2.5%

です。

前年と同率でした。


男女別

2025年

性別 完全失業率
男性 2.7%
女性 2.3%

女性の方が低くなっています。


なぜ女性の方が低いのか

近年は

  • 医療・福祉
  • 介護
  • サービス業

などで人手不足が深刻化しています。

これらの業種が女性労働力を強く吸収しているためです。


年齢別の特徴

現在も、

15~24歳層の完全失業率が最も高い

傾向があります。


なぜ若年層が高いのか

  • 初職探し
  • 転職頻度が高い
  • 就業経験不足

などが理由です。

 


景気動向指数との関係

ここは超重要です。

完全失業率は

遅行指数

です。


遅行指数とは

景気が変化した後に動く指標です。

例えば、

 

景気悪化 →  企業業績悪化 →  採用停止 →  解雇増加 →  完全失業率上昇

となるため、

景気変動より後から反応します。

 


 

指標 分類
完全失業率 遅行指数
有効求人倍率 一致指数
新規求人数 先行指数

過去の推移

完全失業率は、

バブル崩壊後に上昇しました。

代表的な数字

完全失業率
1989年頃 約2%
2001年 5.0%
2002年 5.4%
2003年 5.3%

2000年代初頭は過去最悪水準でした。

 


まとめ

最低限覚えるべき事項は次の4つです。

✅ 2025年の完全失業率は 2.5%

✅ 完全失業率 = 完全失業者 ÷ 労働力人口

✅ 若年層(15~24歳)が最も高い

✅ 完全失業率は 遅行指数

変形労働時間制とは

本来、労働時間は

  • 1日8時間
  • 1週40時間

を超えると時間外労働になります。

しかし、

一定期間を平均して週40時間以内

であれば、

特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせることができる制度

が変形労働時間制です。


採用企業割合

令和6年調査では、

60.2%(令和6年は60.9%)

の企業が何らかの変形労働時間制を採用しています。

 

 


適用労働者割合

変形労働時間制の適用を受けている労働者は

50.5%

です。


覚え方

指標 割合
企業割合 約6割
労働者割合 約5割

企業規模との関係

企業規模が大きいほど導入率は高くなります。

企業規模 導入率
1000人以上 82.7%
300~999人 76.1%
100~299人 68.1%
30~99人 55.3%

ポイント

大企業ほど

  • シフト管理が複雑
  • 多様な働き方が必要

になるため導入率が高くなります。


制度別の採用割合

試験で頻出です。

制度 採用企業割合
1年単位 30.3%
1か月単位 26.4%
フレックス 8.3%
1週間単位 1.1%

 


つまり、

1年単位変形労働時間制

1か月単位変形労働時間制

フレックスタイム制

の順に多いです。


適用労働者割合

こちらも確認しましょう。

制度 労働者割合
1か月単位 23.5%
1年単位 15.7%
フレックス 11.1%
1週間単位 0.2%

面白い点は、

企業数では

1年 > 1か月


ですが、

労働者数では

1か月 > 1年


になっていることです。

1年単位変形労働時間制の特徴

通常、

企業規模が大きいほど変形労働時間制の導入率は高いです。

しかし、

1年単位変形労働時間制だけは逆

です。


小企業ほど

企業規模が小さいほど

1年単位変形労働時間制の採用率が高くなります。


なぜか

季節変動が大きい業種で使われるからです。

例えば

  • 建設業
  • 製造業
  • 小売業
  • サービス業
  • 教育機関

などです。


建設業

繁忙期 → 長時間勤務 閑散期 → 労働時間短縮


 

これを年間平均で調整するため、

1年単位変形労働時間制が利用されます。


フレックスタイム制

採用企業割合

8.3%

です。


現在でも1割未満です。

 


まとめ

覚えるべき数字は次の4つです。

項目 数字
変形労働時間制全体 約60%
労働者割合 約50%
1年単位 約30%
フレックス 約8%

そして最重要の整理は、

変形労働時間制 全体 約6割  「年>月>フレックス」  大企業ほど導入率高い  ただし「1年単位だけは小規模企業ほど多い」

です。

 

労働組合数と労働組合員数

令和7年6月30日現在

項目 数値 前年比
労働組合数 22,244組合 ▲268組合(▲1.2%)
労働組合員数 992万7千人 +1万5千人(+0.2%)

覚えるポイント

  • 労働組合数は減少
  • 労働組合員数は微増
  • しかし組合員数は依然として「1,000万人割れ」

近年は、

  • 小規模組合の統合
  • パートタイム労働者の組織化
  • 有期雇用労働者の組織化

が進んでいます。

そのため、

組合の数は減るが、組合員数は増える

という現象が起きています。


単一労働組合と単位労働組合

例えば

 

 

Y労働組合(本部)

 ├─a支部

 ├─b支部

 ├─c支部

 └─d支部

 

の場合

 

単一労働組合

組織全体を1つとして数える

→ 1組合

 

単位労働組合

支部ごとに数える

→ 4組合

つまり

区分 数え方
単一労働組合 本部単位
単位労働組合 支部単位

現在の統計で示される22,244組合は

単一労働組合数

です。


推定組織率とは

最重要論点です。

 

定義

雇用者数に占める労働組合員数の割合

式で表すと

 推定組織率 = 労働組合員数 / 雇用者数 × 100


令和7年

  • 労働組合員数:992万7千人
  • 推定組織率:16.0%

前年

  • 16.1%

つまり

0.1ポイント低下

しました。


なぜ組合員数が増えたのに組織率は下がったのか

ここがポイントです。

組合員数

  • +1万5千人

増加した。

しかし、

雇用者数全体はそれ以上に増加した。

イメージ

項目 前年 今年
組合員数 991万人 993万人
雇用者数 6,160万人 6,205万人

すると

割合は下がります。

つまり

分母(雇用者数)の増加が分子(組合員数)の増加を上回った

ため

推定組織率は16.1%→16.0%に低下

しました。


過去最低を更新

令和7年

16.0%

は過去最低。

戦後の推移を見ると

時代 組織率
1940年代後半 50%超
1970年代 約35%
1990年代後半 約22%
2003年頃 20%割れ
現在 16%

という流れです。

 


ポイント

次の4点だけ覚えておけば十分です。

① 労働組合員数

992万7千人(約993万人)

② 労働組合数

22,244組合

③ 推定組織率

16.0%(過去最低)

④ 傾向

  • 組合数 → 減少
  • 組合員数 → 微増
  • 組織率 → 低下

この「組合員数は増えたのに組織率は下がった」という点が重要

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